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梅々

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カテゴリー「土沖 小ネタ」の記事一覧

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妄想の自由

「沖田」
町中を歩いていたらそう声をかけられた。声がした方を顧みれば、懐かしくも見慣れない姿の男が立っていた。来いと指で示され、路地裏へとついていく。
全身真っ黒いのは初めて会ったときから変わらない。でも髪型は変わったか。長髪を後ろでひとつに結っていたのが無造作な短髪になり、いまは軽く額が見えるぐらいに前髪があげられている。毎朝鏡を見ながらセットでもしているのだろうか。想像して口元がゆるんだ俺を、一瞥して男は唇を開く。
「元気にしてたか」
「へぇ」
「近藤さんは」
「気にしなくても。俺が見張ってんであの人に危害なんざ加えさせやせん」
「そうか」
ふわり、結った髪を仄かに靡かせた風は雨のにおいがした。傘など持っていないから、早めに帰るにこしたことはないだろう。見れば彼も傘は持っていない。
「それじゃあ、また」
「待てよ。急ぐ用でもあんのか」
「雨が降りそうなんで」
言えば言葉は返らないが眉間にしわを寄せ睨まれる。老けたな、とその顔を見て思ったが、同時に以前にも増して色気を感じてしまってからかうにからかえなくなった。
離れて数年経つのに、まだそういう目で見てしまう自分にげんなりする。もう終わったことなのに。
「茶でもおごってやる。ついて来い」
「……あんたは昔から俺をものか近藤さんで釣りやすよね」
「そうしなきゃ釣れねぇからだろ」
そんなことはないと、言ってやろうかとも思ったけれど今更だから唇を閉ざした。






劇場版のビジュアルやばいですよね。

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ぺけぺけぺけ

いつも鋭いまなざしは瞼に隠され、眉間のしわもない寝顔。意外に長いまつげを指先でくすぐれば表情は一瞬歪むけれど、起きる気配はない。
こんなときだから。気が向いたから。
ちゅ、と瞼に口づける。続いて額、唇に。
好きなわけではないけれど、時々、無性にこうしたくなるときがある。だから寝てるときを狙って、唇を押しつける。これで数回目になるが露見はしていないようだ。土方さんの態度に変わりはない。
今日も満足して、音を立てないよう立ち上がり、商事に手をかける。
そうして静かに開け、月を見上げたそのとき。
「総悟」
やたらにしっかりした声に名を呼ばれた。






チューの日なので。
スマホにしてから創作意欲がわかないのかやることはありすぎるのか。

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妥協したら終わるけど

ぐすっと鼻をすする音が背後から聞こえた。
書類から顔を上げふぅと紫煙を逃がす。
部屋へきて俺を背もたれにしたと思えばこれだ。構われることを期待して俺のところへ来たのではないと知れているから、今回もまた話しかけることはしない。
黙々と背の温もりを感じていればいずれ、口を開くだろうから。
「振られやした」
「そうか」
前にこうして寄りかかってきたのは恋人ができたと告げてきたときだったか。淡々とした声だったから嘘か真か分からず同じように返した覚えがある。
「あーあ。俺も真っ当なお付き合いができると思ってたのに」
「その性格でよく言うな」
「だって俺がお茶目するのあんたに対してだけだし」
お茶目で片付くかと、今まで受けた仕打ちを思い返すが流石に傷心な年下の部下にあれこれいうのもはばかられる。
「まぁ次があんだろ。おまえまだ若いし」
「自分が老けてること認めた言い方ですねィ。…望んじゃねーけど、あんたみたいな人じゃねぇと長続きしないかもしれやせんね」
なんて。他意もなく言うのを聞き流して馬鹿言ってんじゃねぇよと振り返りざまに頭をはたく。
このポジションを甘受している理由を、おまえが何をしても離れようとしない理由を、そろそろ考えてみたらどうだ。
「…本当に馬鹿だな」
俺が。







レジュメが終わらないんです。

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おれのそうごがこんなにかわいいわけがない!

「お邪魔します」
そう言って靴を乱雑に脱いで待ちきれないといった風に奥へと入っていく、総悟のはためくスカートから覗く白い後ろ腿を眺めて息をついた。総悟は礼儀正しいのだ、案外。だからいつも靴だって乱雑に脱ごうとあとで自分でそろえるのだ。しかし今日は、違うらしい。
たまにあるのだ、こういう日が。
仕方なしに靴を揃えてやりながら、飲み物を入れてやろうと台所へ向かうと階上から総悟が弟に楽しげに話しかけているのが聞こえた。




にょおきがガチオタで土方の弟のトッシーと仲良しなのを土方が何ともいえない気持ちで見守っていたら。

今日はおすしをおごってもらいました。20貫食べた。

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かっこつけ

去年の誕生日は家に帰ったら花キューピッドが届いていたのを思い出していたら、学校からの帰途で電話が鳴った。仄かな予感を抱きながら画面を見れば、予想通り
「土方さん?」
「総悟か」
低い、よく通る綺麗な声。それが電話だから当然っちゃあ当然だけれど俺の名前を呼んで、こそばゆくなった。悔しいから言ってやらないが、声は好きだ。
「どうしたんですかィ」
「お前の空いてる日教えろよ、誕生日プレゼント渡してやぇから。ついでに飯でも食いに行こう」
予想外の言葉に呼吸が止まった。
なんだその、好いてる女に向けるような甘い言葉は。
期待しだした自分にげんなりしつつ、同時に浮かんだ暴言をくれてやる。
「あんたばっかじゃねぇの」
「んだよ」
「俺アンタの女じゃねぇですし」
言ってやったらくすりと笑われた。
「オンナじゃあねぇわな。でも大事な奴だよ」
なんて平気で言いやがるから、今度こそ言葉が胸に詰まって、何も言えず電話を切った。




バイト先がリニューアルしたのでお客さんが多くてここは戦場だ!雑魚は引っ込んでろ!ってかんじでした。
そんな近藤さんの命日。


拍手ありがとうございます。

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祝☆映画化

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