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梅々

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妄想の自由

「沖田」
町中を歩いていたらそう声をかけられた。声がした方を顧みれば、懐かしくも見慣れない姿の男が立っていた。来いと指で示され、路地裏へとついていく。
全身真っ黒いのは初めて会ったときから変わらない。でも髪型は変わったか。長髪を後ろでひとつに結っていたのが無造作な短髪になり、いまは軽く額が見えるぐらいに前髪があげられている。毎朝鏡を見ながらセットでもしているのだろうか。想像して口元がゆるんだ俺を、一瞥して男は唇を開く。
「元気にしてたか」
「へぇ」
「近藤さんは」
「気にしなくても。俺が見張ってんであの人に危害なんざ加えさせやせん」
「そうか」
ふわり、結った髪を仄かに靡かせた風は雨のにおいがした。傘など持っていないから、早めに帰るにこしたことはないだろう。見れば彼も傘は持っていない。
「それじゃあ、また」
「待てよ。急ぐ用でもあんのか」
「雨が降りそうなんで」
言えば言葉は返らないが眉間にしわを寄せ睨まれる。老けたな、とその顔を見て思ったが、同時に以前にも増して色気を感じてしまってからかうにからかえなくなった。
離れて数年経つのに、まだそういう目で見てしまう自分にげんなりする。もう終わったことなのに。
「茶でもおごってやる。ついて来い」
「……あんたは昔から俺をものか近藤さんで釣りやすよね」
「そうしなきゃ釣れねぇからだろ」
そんなことはないと、言ってやろうかとも思ったけれど今更だから唇を閉ざした。






劇場版のビジュアルやばいですよね。

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祝☆映画化

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