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梅々

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朽葉

一日中『銀時vs土方』やってました。高杉に数回チャレンジしたが勝てない。あと一歩、ってとこまでやれるのに・・・・・・・・・。
にしても、あれやると銀沖書きたくなって困る。だってさ、大体沖田が話題をふるというか。銀沖だね~。まめに挨拶してるしね~。
それが気にくわない土方が、銀さんに喧嘩を売ってる図というのが好き。三角関係ビバ。

あ、でもドS×ドSな土沖も書きたい。ネタは一応おおまかにできてるけど危なくなるのが必須条件なんで、勇気がでたら頑張りたい。






それでは、小ネタのはずが百人一首になってしまった意味不な感じ。















手に入るのならば、何をも捧げましょう。



そう考えるのは、愚かなのだろうか。





聡明な愚者





「土方さんはどう思いやす?」

文机に向かい頭を抱えている土方に、アイマスクを外しながら沖田は問掛ける。
唐突な問いに、書類整理でストレスが溜っているというのに煙草を吸うことも出来ない土方の鬱憤が更に溜るだろうと見越して。
今月は捕物が多かったから、余計大変なのだろう。こんなに土方が切羽詰まっているのは久方振りだ。

「・・・あのな、俺はお前の考えがわかるわけじゃねぇんだ、問掛けだけされてもわかるわけねぇだろ」

「ったくアンタは本当に使えねぇなァ。廃品回収で持ってってもらわねーと・・・」

「喧嘩売ってんのかコラ。俺はな、てめーみてぇに暇じゃねぇんだよ」

それなら暇人の相手なんざしなければいいのに。俺に文句言ってないで、無視して黙々と仕事してりゃいい。
だから俺のせいで仕事が捗らないのではなくて、自分のせいなんだと早々に気付くべきだ。
気付いても、相手してんのかもしれないけれど。
背中めがけてアイマスクを飛ばし、少し伸びる。けれど頭はボーッとしたままで、寝返りをうち土方の方を向く。

「欲しくて欲しくて堪らないものが例えば、あるとして。んで、もしそれが自分の命と引き換えに手に入れることができるとしたら───土方さんはどうしやす?」

「また山崎の受け売りか?」

この手の質問を呆れる程浴びてきた土方はそう返し大きな溜め息を溢す。
前回はそう。山崎が最近ハマっている恋愛小説からの受け売りだった。
でも、今回は。
純粋な、疑問。
己の欲望を満たすためにいろいろと画策した果て。
自分の中では、一応答えは出ている。だからこそ、土方に聞いてみたかった。

「ちょいと悩んでまして」

「・・・好きな奴でもできたのか?」

「・・・まぁそんなとこでさァ。で、あんたの意見は」

「・・・・・・馬鹿馬鹿しいだろ、そんなの。死んで手に入っても無意味だ。生きてなきゃ見ることも何にも、できやしねぇんだから」

それでも、あんたは。

姉上を手に入れたよね・・・?

二度と、触れたり会話したりすることができなくとも、ずっと傍にいるのだろう。
もう彼女を守る必要はない。だって姉上は遥かに、平和な処にいるのだ。
だから、“自分じゃ守れないから”って姉上の幸せを他人に委ねたあんたを。

姉上は手に入れた。

土方はもう彼女以外誰も愛さない。

花街のおねーさんたちでもなくその辺の土方に好意を寄せている娘たちでもなく、唯一人を胸に刻んで。
─────秩序も何もないからこそ、叶う愛もあるんだ。
ロミオとジュリエットのように。

「やっぱ、あんたはそう思うんですねィ」

「お前は違うのか」

「えぇ」

現実主義者の土方がどう言うかは分かっていた。
姉上だってきっと、土方と同じ考えであろう。
結果的には、沖田の理想と同じようになったけれど。

何をしても手に入らないと分かりきっていて、それでも伸ばした手を引っ込める術をしらない俺は諦めきれなくて。
だからこそ、一縷の望みに全てをかけたけたい。
1%でも可能性があるのなら。

「でもよ、」

「俺の命は近藤さんの物でさァ」

「・・・じゃあ、戯言でしかねぇじゃねーか」

そう。
そこなのだ、問題は。
誰よりも大切なのは近藤で、土方や沖田の中で全ての物事より最優先される。彼のために犠牲になることなんてほんの些細なことなのだ。二人にとって。
だからこそ、“生死をかけた恋”なんてすることできない。

「戯言ですが、なんですかィ?」

「・・・忙しいつっただろ」

「だって、どうしても手に入れたいんです。仕方ねぇでしょう」

「・・・・・・」

手に入れたって、守れる保証はない。
だから、守らなくったって平気なぐらい強い人が好きだ。それでいて、芯の通った純粋な人が。

「・・・お前が結婚してぇ、って言ったら、俺も近藤さんも、どうにかしてお前を此処から出られるようにするよ」

「は、」

脱退は士道不覚悟で切腹。
そう定めたのは土方ではないか。それなのに、俺を逃がすというのは、激しく矛盾している。

「・・・俺は此処から出ていく気なんて、ありやせんよ」

もし、平穏な“今”が終わり、戦乱が訪れようと。
愛した人と一緒になるよりも、近藤の傍にいて、近藤を守ることを望む。
それが、沖田の存在意義。

「・・・じゃあ、俺は一生お前に命狙われるってわけか」

柔らかい口調で呟かれた言葉に顔をあげると、先程より穏和になった背中がおかしそうに小さく震えた。





#20
わびぬれば 今はた同じ 難波なる
みをつくしても 逢はむとぞ思ふ

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