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梅々

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カレンダーを燃やしたい

思ったよりも長くなってしまったミステリー。

何で1月になると銀沖を書きたくなるんだろうなぁ。





というのりで銀沖濡れ場有りです!
















月待ち貴方と戯れる





漆黒や濃紺に浮かぶ輝きも好きだけれど、どこまでも果ての無さそうな夕空に浮かぶ月のほうが俺は好きだ。
なんて思いながら空を見上げ歩いているとドン、と体がぶつかった。よろけて体が後方に倒れるけれども慌てることもない。ぶつかった相手が受け止めると確信しきっているからだ。その確信は当たって、グイッと腕を引かれ抱き締められる。匂いだけで誰かわかる。
甘い甘い、香り。

「・・・真選組の看板がこんなんで大丈夫かよ? 絶対ラクに殺られるよ、こんなんじゃ」

「殺気が無かったしアンタだって分かってたからぶつかったんでさァ、わざと」

わざとぶつかってきたのは旦那だけど、なんて思いつつも俺と同系色だが異なる瞳を熟視る。今年になってから会うのは初めてだな、とカレンダーを頭の中で思い浮かべて、熱を分かちながら、明けましておめでとうございましたと告げる。
すると思った通り、溜め息が寄越された。

「なんで月末にあけおめーなんて言うかなぁ? おかしくない?」

「曲がりなりにも、恋人同士なのにねェ」

そう言えば嬉しそうな顔を露骨にするから笑ってしまった。久方ぶりに分かつ体温に幸せを感じている自分がいる。そして、不埒な感情も。厚い胸板に頬を擦り寄せ胸一杯に息を吸う。こんなことできるのは良い子が眠る時間帯だからであって、この時間に会えたことに感謝すらする。
チラリと必然的に上目遣いで顔色を伺えば、隠しもせず情欲を滲ませた顔をしていたので笑ってしまった。

「・・・金ないから、うちで」

「神楽がいるだろィ?」

「声殺せば大丈夫だろ」

「まぁ、旦那に俺を鳴かす手練があればの話ですがね」

「言ったな? 許してって言われても俺止めないからな?」

甘言を交わし合えばぞくり、体の奥底から寄せる熱情が形を明瞭にして肌を粟立てた。盛っているのはどちらも同じ。獣のような粗暴で露骨な欲情をぶつけられて煽られて、見つめあっているだけで達せられそう。
それほど、その存在が胸をざわめかす。




なるべく静かに室内へ入り縺れるように布団に飛び込んだ。どちらからともなく唇を奪い合い、衣服を乱そうと躍起になる。
声を出したらいけない、見られるかもしれない。
禁忌めいた行為に、より俺はだらしがないことになる。キスが気持ちいい。厚い掌が肌を撫でただけではしたない声をあげて果ててしまいそう。約一ヶ月ぶりの情事だから情けなさは倍増するというのに声なんて、我慢できるの。自問に答える余裕もなくて、裸に剥かれた俺の乳輪を撫でる指先に意識を強制的に奪われる。

「んっ、ふぅ・・・は、っん」

「さて。いつまで我慢できるかな、と」

「いつまででも、できまさァ・・・っ、」

「はいはい」

苦笑した表情が好きだと告げたら、やっぱり驚くのだろうか。胸と同時に下も弄られて、蜜が溢れた。ぐちぐち、親指で先端を擦られると堪らない。歯をくいしばるだけじゃあ抑制なんかできなくて、唇を噛もうとしたら阻まれた。代わりに、さっきまでこの首元にあったスカーフを噛まされる。

「ふぅ、うぅ~っ!」

「ん~? なんか、口縛られてるみたいでそそられるな」

この変態!
と視線だけで伝わったようで、鈴口に爪をたてられた。唇を噛んでたら悲惨なことになっていたな、と思うほどに白いタイを噛んで、込み上げる射精感を堪えた。
ビクビク、跳ねる体を優しげに眺めながらも旦那は俺を苛める手を止めない。
このドSめと睨み付けるがどこ吹く風、俺の先走りを手に菊座を解しにかかる。

「我慢しなくてよかったのに。ってかあれじゃない? 殆ど空イキ?」

「だっ、て・・・イっちまったら絶対声我慢できねぇもん」

一旦手を止めたのはまともな返事を望んだからだろうと受け取って、咥えていたタイを外した。これがもし俺が意固地に声を我慢していただけならば旦那は質の悪い悪戯を仕掛けてきただろうが、生憎と声を出したらこの関係がばれてしまう状況なのでそれはなかった。だから、俺がタイを咥えた途端また攻められる。
周りをあやしていた指が入口にノックするように触れる。自然と緊張してしまう体を嗜めるように、また先端に爪を立てられる。ひくりと背が跳ねた瞬間に指が中の具合を見出した。
この人には及ばないが俺だってドSだ、いつかは仕返してやりたいと思うがこんな気持ち良いことされると、反抗する気はなくなる。それに、考え方を変えれば滅茶苦茶奉仕されていることになる。なんて考えたから布を噛みながら漏れる声がより女のそれに近づいた。
なんて自虐的。

「布噛んでっから大丈夫だよ、イっちまいな」

「んんぅ・・・っ!!」

頷くと水が目から流れた。そりゃあ視界が霞んでいるわけだと、理解した途端好きな所を引っ掛かれてどうしようもなくなった。
甘い疼きが白い液体に昇華され、体外へ放出される。堪らない高揚に、重くなる体。それを休ませることなくまた高みへ持っていこうと、旦那は指を追加した。このまま死んでもいいんじゃないかって程の、快楽の嵐。俺は満たされているけれど旦那はまだ餓えた目のままだ。

「ふ、ぁんっ・・・だ、んなぁ・・・っ、」

「ん? どした」

「旦那の・・・させてくだせェッ」

「・・・じゃ、お願いしようか」

にっこりと笑う顔は子どものようなのに。全てにおいて大人と子どもが混在する旦那の指が、怪しく蠢きながら引き抜かれた。物足りなさを猛烈に感じながら体勢を変えて、既に立派に育っている旦那のご子息サマを両手で包みぺろりと先端を舐めた。それだけで、んっと息を詰めた旦那も俺と同じぐらい重症だ。色のこもった低い声がもっと聞きたくて、チロチロ舐めていたそれをあむっと口に咥える。
これなら噛む心配はあるが愛撫しながらも口が塞げるから中々効率的、だなんて思っていたら再び指が中へ入ってきて危うく噛み付くところだった。

「いった!」

「んぅ、ふっ・・・ん、んんっ・・・!」

「・・・まー今回は許してやるか」

軽く歯を立ててしまいネチネチやられっかな、と思ったけど珍しいことに許された。食みながら熟視れば、余裕なんてこれっぽっちもなさそうでしかも口の中のものの質量が増した。顎が疲れてくる。それでも、菊座に与えられる快感と与える快感に追い詰められる旦那の様子が疲労なんか物ともしないものだから。

「も、いいよ総悟くん」

「んっ・・・。口ン中でイきゃあいいのに」

「姫始めなんだし、中にぶっかけたいってぇ心境なのよ」

「まぁ、俺も最初はそれがいいと思いまさァ」

肯定しながら、仰向けに寝っ転がる。足を曲げて微妙に開いてみせれば、旦那はがっつくように体を重ねてくる。
ぴとり、むず痒いそこに、俺の唾液に濡れたものがあたる。
真っ正面から俺を、旦那が見下ろす。

「中にぶっかけられたいの?」

「中にぶっかけられたいんでさァ・・・」

「俺の、精子を?」

「あっ・・・旦那の、精子をっ・・・んん―――!!」

言った途端に唇を塞がれ一気に貫かれた。奉仕と愛撫により高められていた自身から、自分の体に白濁がかかる。けど頓着する間も無くがんがん突かれて射精が止まない、だけじゃなくて声を上げたくなって困る。
舌も躾られた淫らな排泄器官も荒々しく蹂躙されて、声を我慢するなんてどうでもよくなってしまう。

「ふぅ、んっ、は、ぁうっ!」

「・・・今こそこれの出番かな?」

浅い律動に切り替わって口唇が自由になった。と同時にさっきまで咥えていたタイがまた突っ込まれて、必死にそれに歯をたてる。
俺の中から分泌されるのかそれとも旦那の先走りか、水音がしゃしゃり出て耳まで犯される。ちゅうちゅう吸われて首筋はきっと赤い痕だらけだろう。指も絡めるように繋がれて、足も旦那の腰に絡み付けてくっつく。
いま、この時だけは旦那の所有物になれる。一番にしてあげられない俺が、唯一一番にしてあげられるとき。

「んふ、っぅう、・・・ふぅぅ・・・っ!!」

「・・・凌辱してるみてぇでいいわ、これ」

「うぅ、ひんっ、ふ、んくっ・・・」

「う、いつもよか熱いし・・・絞めすぎっ」

大好きな欲にまみれた顔と声でそんな風に告げられて、これ以上無理というほどに犯されて腰振って、俺がイかないわけがなく。

「んぅぅ―――!!!!」

「っは、・・・望み通りかけてやるよ、そーご」

低く甘くそう告げて、奥の奥に子種を撒き散らされて意識が退くかと思った。襞を収縮させて浅ましく喜ぶ俺の中を、放出を終えても尚旦那はかき乱す。

「締まりよすぎるって。もっと堪えるつもりだったのによ」

「なら、次はもっと堪えてみなせぇよ?」

挑発するように笑いかければ、旦那も口角を上げた。

朝まで帰さない。

甘い台詞と睦み合いに酔いしれて、旦那にキスを強請った。

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