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梅々

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ラブロマンス

時をかける少女のラスト、ちあきとまことが別れるシーンがとてもよかったです。後ろからギュッてしてポンポンて頭叩いて、
「未来で待ってるから」
かっこいい!かっこよすぎ!どっちが適役かな?土方と沖田クン。沖楽ならいけそうだけど・・・土沖の方が向いてるかな?沖土より。でも個人的には土沖でやってほしいってなんかややこしや。あ、銀沖ってテがある!!


それじゃ沖土ショートコントじゃなくて短編。


みかの原 わきて流るる いずみ川
いつ見きとてか 恋しかるらむ






小さな幸せ





「ただいまでさァ。・・・アッレ。これ見てたんで?」 

内側から玄関の鍵をかけ部屋に入ると、一人ソファにふんぞり返り、土方は特番を見ていた。今日の特番は、セロだとかいう手品師のびっくりショーをやってるはずで沖田は少々驚いた。
土方は、こういった類が嫌いなのだ。幽霊だとか、そういった魔可不思議なものが。タネなんて考えてもわかるはずがないのに、一人で一晩中悶々と考える羽目になって結局わからなくてイライラして、一晩中考えた自分にもイライラして・・・とはたから見てて馬鹿馬鹿しいし、当事者としても馬鹿馬鹿しいから。 

「・・・んで紙から林檎が出てくるんだ?おかしくね?」 

「おかえりくらい言いなせぇよ」 

文句だけ言って考え事に没頭しだした土方さんに後ろら抱きついた。徐々に、首を絞めていく。 

「ちょっ・・・ギブギブ!!」 

バンバン腕を叩き苦しそうに顔を歪ます姿に満足して手を離した。かったるいスーツから着替えようと、寝室へ向かう。
土方さんの仕事は、結構エリート職で残業が多いしその分給料も高い。だから、俺より先に土方さんが部屋に帰ってるなんて珍しくて、少しだけ仕事のストレスとかが晴れる。って元々ストレスなんて塵ぐらいしかないけど。ふと気になるのが、一人の時あの人はどうしてるんだろうとか何考えてるんだろうとか、仕事の時はどんな感じなのか、って事だ。別に俺は仕事中も、年がら年中土方さんの事を考えてる訳ではないけど殆どいつも考えてる。どういじめよう、とかそういう事を。
ネクタイを外していると、ドアが開いた。手を動かしながら振り返ると何か悩んでいるようで、またテレビの事かと見当をつける。 

「お前さ、紙から林檎出せる?」 

「思考回路ショートでもしたんで?無理に決まってんだろィ」 

真顔で幼稚な質問をされ嘲笑を返すが気付かなかったようで、ベッドに腰を下ろした。早く戻ればいいのに、と思いつつシャツを煩雑に床に投げ捨てる。それを律儀に広い、土方は丁寧にたたみ、自分の隣に置いた。 

「アンタ、何したいの?」 

「あ?ただ畳んでただけだろーが。文句あんのかよ」 

「だから、何で此処にいるんだってことでさァ。テレビ見てたんだろィ」 

「それはなァ、」 

「?」 

「・・・」 

魚みたいに口をパクパクさせるだけで、土方は何も言わない。心なし頬を赤くし、珍しく狼狽している。
あ~もう!と前髪をかき乱し土方は立ち上がった。そのままリビングへ戻ろうと歩き出す。 

「なんでもねぇかんな!」 

「いや、超気になるんですけど?」 

「言わねぇよ。絶対」 

すねたような態度に笑いを堪えつつ後を追い歩く。ただ、淋しかったくせに、矜持が邪魔して言えないんだと、勘でわかった。 

「淋しかったんだろィ?」 

「なっ・・・!!んな訳ねぇだろ!」 

耳まで真っ赤にして再びソファに座る。思わずもれた笑い声に反応してキッと睨まれる。その顔が可愛くて、もっと笑ってしまうのに。 

「何笑ってんだよ!」 

「あまりにも・・・アンタが可愛すぎるからですぜ」 

「可愛いくなんてねぇよ」 

今度は不機嫌そうに眉を寄せる。
まるで百面相だ。コロコロ表情が変わる。“俺”という存在の為に。可愛すぎるこの人を独り占めしていると思うと、嬉しくて堪らない。 

「いい加減にしねぇと・・・いじめちまいやすぜ」 

「はァァ!?俺なんもしてねぇよ!?」 

「存在自体が罪なんでさァ」 

軽く唇を重ねると苦笑まじりの溜め息が二人の間に消えた。 

「・・・俺を可愛いなんて言うの、お前ぐらいだ」 

「そりゃあ俺だけがアンタを知ってやすから」 

特別な事なんて出来なくていい。ただ、傍らに居てくれれば。 







♯27

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