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梅々

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痛手

行ってきやしたアニメイト。
同人誌を見ただけでも吐き気を催す友人とともに。そしてなんとなんと、



G線上の猫のドラマCD買いました。



大丈夫。ばれていない。なんか危険なミッションクリアした気分。あと、近所の古本屋で土沖同人誌二冊と君と僕。を。
総額約五千円。
痛手だね。天国から地獄だね。でも、まだアニメイトに欲しい同人誌が一冊売ってたんだよ~。金無くて買えなかったけど。沖土の同人誌がもっと欲しいな。好きなサイトはあるんだけどあまり本出してなかったり、色々あるんだよなぁ。沖土ゲームやりたい。




それじゃあスランプ気味な沖土連載。甘めに出来てます。
次からフルバ並にドロドロにしていきたい。


















離れたくない。傍に居たい、いつまでも。
俺らはどうしたって“一つ”にはなれないけど、少しでも距離が縮まれば。

―――――女々し過ぎて反吐が出そうだ。





Diletto 第八話





「・・・反則でしょう」
「何がだよ?」
白い指先に絆創膏を貼っていると不意に、総悟は呟いた。もう、機嫌は悪くないらしい。それは良かったのだけど、何故だか拗ねている。
料理が出来ないからもどかしいのだろうか?・・・でもなんかちょっと違う気もする。
「別に何でもねぇでさ」
「・・・気になるんだけど?」
そういう中途半端な感じが。
どうやら全てに於いて総悟は中途半端らしい。素で焦らすなんて流石はサディスティックの頂点を極める男だ。
それに振り回される此方としてはいい迷惑だが。
「・・・何?どうしたんだよ」
「―――――キスしてくれたら、教えてやりまさァ」
眉を寄せ、絆創膏を貼られた指をマジマジと見つめながら投げやりに言う。不思議そうな目をソレに向けた後、半ば自嘲的に俺に笑いかけた。
何その全く信じてないって目。期待はしてないって言ってるようなもんじゃねぇか。期待してねぇなら最初から言わなきゃいい。
話題定義したくせに立ち去ろうとするのが気に食わない。肩を掴んで振り向かせ、乱暴に唇を重ねた。
「・・・なっ」
「言うんだろ?俺がキスすれば」
腹立たしいのは愛しさ故か。
どうでもいいやつ相手ならこんな感情は生まれない。こんな事、しない。分かっているはずなのに、通じているはずなのに。
呆れたような失笑が少しだけ愛しく思えた。
「・・・そこまでする価値のある話じゃねぇんですぜ?本当に」
「価値は俺が決めんだよ」
強く掴んでいた手を離すと、力強く抱き締められた。俺より小さいのになとこういう時にだけ思う。
いつも俺を振り回して、滅茶苦茶にするくせに時々優しくしてくるものだから、離れられない。
交互に与えられる不安と安堵。
ならばこの悩みが消えたとき、俺は至福の中にいるのだろうか。
「―――――別に、アンタがこんなことするとは思ってなかった、ってだけですぜ。いつも消極的なアンタが、指舐めるとは、って」
「・・・なんつーか」
「下らない、でしょう?」
「だな。・・・自分でもそう思うなら別に言ったっていいじゃねぇかよ」
「秘密主義者なんでさァ」
冗談なのか本気なのか分からない口調。そういえば、最近こんな風に和やかな会話していなかった。
俺にそんな普通の会話をするゆとりが無かっただけなのだと思うけれど。たった一晩でそう易々と変わるものか?心の持ちようとか、考え方とか変わっていないのに?
「土方さん」
「いって・・・」
いきなり頭突きを食らって軽く脳が揺れる。ぐゎんぐゎん、と音がする・・・気がする。
「っにすんだよ」
「いやね、アンタの頭ン中には何が入ってんだろと思いやして」
何、って脳だろ普通に。と言い返すとそうじゃなくて考えてることとか、そういう系のことの意味だと軽い頭突きと共に教えられた。
考え事・・・。今日の飯どうしようとか、近藤さんについて、仕事に明日の天気、安売りの曜日などといった事と、総悟のこと。俺の頭の中はコイツのことが占領してて、前に挙げたその他のことは隅においやられてる。
だからってそれは、“好きだ”とか“ずっと傍に居たい”とかそんな痛々しいことを考えているんじゃなくて。・・・まぁ、そうだとしてもコイツのこと考えてるには違いない。
「色々詰まってんだよ」
「・・・アンタの頭ン中、空っぽならいいのにねィ」
「そういうお前の頭ン中が空っぽだろ」
「違いまさァ。俺の頭ン中にゃ愛と希望、夢と勇気が詰まってやすぜ?」
あまりにも真剣な目をして言うものだから思わず、噴き出してしまう。どれもこれもが総悟からかけ離れていて、コイツが希望というものの存在を知っていることだけでも驚きだ。
「嘘ばっか」
「どこがですかィ?」
「今言ったヤツ、全部お前の中にはねぇだろ」
そう言うと、少しの間ぼんやりと黙考してから俺の後ろ、リビングのほうへと歩き始めた。
「―――――愛だけは、ありやすよ」
「・・・」
さっきまでの口調よりも真剣な声色に、ああ確かにそうかもしれない。と思った。なんにもないコイツがカメラに夢中なのも一種の“愛”だし近藤さんに向けられているのだってそうだ。
但し、俺には屈折した“愛情”しか向けられていないけど。
「・・・屈折してっから俺には届かねぇみてぇだけど?お前の愛とやらは」
「あらら?アンタ自分が愛されてると思ってるんですかィ?かわいそ~」
本当に哀れむような目で見られて、頬の筋肉が引きつる。
・・・こんなのも、愛なのかもしれないけれど。
やっぱ理不尽だろと溜め息が溢れた。

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