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梅々

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のぼる、恋

空を見上げろ 

地を舐めろ 

月隠す雲のように 

鎖で繋いで 

差し上げよう


はい、意味不。すみません、ある意味ストレス発散方法ですこれが。今朝、保護観察処分がホモ観察処分に聞こえましたよアハハ。土沖・沖土ならいいけど・・・。

というか、マジで表の連載持ってこようかな、こっちに。

それじゃ沖土連載第一話。














愛を知れば人は気付かぬ間にそれに甘えてしまう。その味を知ると、逃れられなくなる。甘い罠のように。 


―――――母は、そうだった。 


そんな母を見て、俺はいつも“汚らしい”と思っていた。愛にすがって生きてゆくなんて、と。 


それはただの勘違いなのだろうか。 










Diletto 第一話 










チュンチュンと雀が可愛らしく鳴いている。遮光カーテンの隙間から差し込む朝陽が眩しい。毎朝決まったら時間に目覚める、というのはとても清々しくて、気持ちが良い。二日酔いの朝だろうが寝たのが明朝だろうがきっかり六時に目が開く。 

うずく腰を無視し寝返りをうとうとするが、腕に重みを感じ、アリ?と下を見た。あ、そうか。腕枕してたんだ。痺れてわかんなかったのかってそれって結構やばくないか?というかなんか既視感。 

「ん・・・」 

もぞ、と縮こまる姿は可愛いのだけど、夜はなんでいつも・・・あんなに豹変すんだろ。昨日の夜はいつもよりひどかった。酷い、というのはつまり怖い程よかったって事で。って何考えてんだろ。 

変というか屈辱的な記憶が蘇らないよう気を散らす為、指通りの良い髪を掬ったり指でもてあそんでいるとふと違和感を感じた。それはいまの状況にではなくて、心の底深くに。 


何かを、思い出せそう。 


何を?俺は記憶喪失なんかになった事はないし、昔の嫌な記憶だって残ってる。いい事は忘れる、っていうけど、それとこれとは話が別な気がするし。 


『ずっとずっと、好きだったんですぜ・・・?』 

一ヶ月前に言われたあの台詞。あの頃は確か漸くキスされる事に慣れた・・・ってぐらいで。たった一ヶ月前の事なのに、何故かとても懐かしい。

総悟と初めて(と思っているのは俺だけらしいが)会ったのは二ヶ月前で、俺専属のカメラマンに、と近藤さんに紹介された。その時、不覚にも胸がときめいた。冗談じゃない。と思っていたのだけど段々と惹かれていって気がつけば同棲、そして一応恋人同士。 

たった、二ヶ月で。

って振り返ってる場合じゃない。アイツが俺に会ったのはアイツが小学生の頃。だから俺も未だ小学生辺りだったはずだ。だが、総悟みたいな見た目がいい餓鬼には会った事はない気がする。 

「・・・何考えてるんで?」 

「っわ!?」 

突如聞こえた声に心底驚いた。目線を下げれば眠そうに目を擦りながら俺を見ている総悟と目が合った。 

「アンタ驚き過ぎ」 

寝起き特有のかすれた声が耳に響き、余韻を残した。低すぎない、見た目に似合う綺麗な声。微笑み細められた瞳。本当、人形のようだ。性格以外は。 

なんて、どんだけベタ惚れなの俺気持悪い。 

「で?百面相の理由は?」 

「ずっと起きてたのか?」 

「まさかァ頭撫でられて目ェ覚めた」 

「・・・それずっと起きてたっつうんだよ。もういい・・・」 

「よかねぇや。教えなせェよ」 

どうしても聞く気なのか目を爛々と輝かせ見上げてくる。余計絡まる足を嬉しく思いつつ、別に隠すつもりはないし、なかったからと先に言っておく。 

「お前に餓鬼の頃会ったっけなァ、って。お前言ってただろ?餓鬼ン頃に会ったって」 

納得したのか総悟はふーんと呟き、俺に覆い被さってきた。ちゅっ、ちゅっ、とキスの嵐。 

「さ、風呂入りやしょ。アンタのカラダべたべたする」 

ニコッと笑う顔は何故か『思い出すな』と告げているように感じた。思い出されると都合が悪いのだろうか。それとも、何かあるのか・・・? 

「行きやしょう、べたべた星人」 

「誰がべたべた星人だコノヤロー!!!!先に勝手に入れっ!!」 

放り投げたタオルを肩に担ぎ、総悟は風呂へと向かった。それを見送りまた布団に横たわると、眠気が押し寄せてくる。その心地良さに、身を委ねた。 


―――――まるで抱き締められているように、心が安らぐ。










・・・何も言うまい。 

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