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梅々

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すみませんありがとうございます

すみません!昨日更新し忘れちゃったテヘッじゃすまないですよね。


折角カウンターが二千いったのにィ~~!!!!

ありがとうございます。本当、駄目で稚拙なこんなとこにきていただいて。
そんな中、尿検査とか内科検診ネタ考えていた私は馬鹿ですが何か?


では13,14話です。

















“愛”なんてこの世の中で比類がない程信用できないもので、“愛”は“裏切り”の代名詞だ。そう思わせたのは母だった気がする。

幼い頃の、微かな記憶。

“愛”なんてものは“幻想”で、俺には全く関係ないものだと思っている。


さぁ、どう溶かす?俺の心を。 










Ma cherie 第十三話 










「お前、布団あるよな?」

「ねぇでさ」

「ハァァァァ!?」

段ボール三個も持たされ、前が見えない状態で、お先真っ暗な事を言われ、危うく段ボールを落とすかと思った。

「おまっ、何処で寝てんだよ」

「友達ん家。布団は随分前に穴あいたんで捨てたなァ。確か」

家がある意味、あるのだろうか。というか最初からソイツん家行っときゃいいんじゃねぇの?

「・・っじかたさん!」

「うおっ!」

急に服を掴まれ思いっきり尻餅をついた。しかも、その上に段ボールが降ってきた。

「なっ・・・!」

何すんだ!と叫ぼうとしたが、先程自分が歩いていた位置を車が物凄い速さで通過して行き、絶句した。

「車に引かれないようにしてやったんですぜ?」

その気持ちはありがたい。しかも助かったのだから文句を言うべきではない・・・とは思うが。

「・・・てめぇがコレ持たねぇからこうなるんだよ」

二個、ならちょうど視界の邪魔にはならないのだ。

「わかりやした。持ちやすよ」

ヒョイ、と一番大きく、しかし一番軽い箱を持ち沖田は歩き出した。土方も拾いあげ、沖田の後を追おう、としたが――――


道を、蛇行している。


目の前を、とは言っても10m程先を行く沖田は、彼方にフラフラ、此方にフラフラ、と見ていて危なっかしい。

「おい、総悟」

「へい?」

立ち止まったが、そこは道路のど真ん中だ。土方は荷物を一度起き、沖田を引き寄せた。

「何?車にひかれそうだったんで?」

此方を向いた沖田は本当に不思議そうで、今の行動が素だった事を告げている。

「もういい・・・。お前は荷物持つな」

「持てっつったのはアンタだろィ?」

口を尖らせる沖田から荷物をかっさらい、自分の荷物の上に乱暴に置いた。

「・・・わかりやした。俺が誘導してやりまさぁ」


―――――お前が誘導すると地獄に行きそうだよ


と言うのをグッと堪え、素直に好意・・・をうけることにした。



「あのよ、聞きてぇ事あんだけど」

「その前に、鍵どこですかィ?」

「後ろのポッケ」

「へい」

さ、と沖田が手をのばす前に、土方は一歩、後退した。何か、されそうな気がした———のはただの気のせいだろうか。

「?どうかしやした?」

「自分で開けるからいい。」

「はぁ・・・?」

カチッ、と土方は鍵を開け、昼間だが薄暗い廊下に灯りを灯した。

荷物を寝室に起き、とりあえず茶を飲もうと一息ついた。

「で何聞こうとしてたんで?」

「お前さ、抱き枕持ってる?」

「えぇ。でも捨ててきやした」

やっぱ、持っていたのか・・・。依然から聞こう、と思っていたことの内一つをきけ、清々しいのとともに、また新たな疑問が。

「なんで捨てたんだ?」

沖田はテレビから視線を外し、ニッコリと土方に向かって笑んだ。

「新しいの見っけたから」


それは、


つまり、


「・・・俺?」

「へい」

・・・最悪だ。これは確信犯だよな、絶対。

布団がねぇってのもある意味計画的なのかも知れないよな。と思わせるような笑みを沖田は浮かべていた。

「で?まだあるんだろィ?質問が」


先程とはうってかわって、沖田は真剣な顔をしている。 何を聞かれるのか、わかっているような態度だ。

「・・・あのよ、」

土方は覚悟を決め、訊ねた。

「俺なんかの何処がいいんだ?何を求めてんだ?」 
















カタチには表わせるけど、コトバには表わせられないモノがあるように、この気持ちもそういう類のモノで。いざ、となると答えられない。


強いて――――――簡単に表わすのなら、“愛”というものだろう。


本当はもっと複雑なのだけど。 










Ma cherie 第十四話 










沈黙のまま、数分が過ぎた。

沖田は考えているようで、瞳を閉じている。それを土方は真剣な眼差しで見つめている。

沖田は瞳を開き、土方を見据えた。

「アンタ、は」

「・・・なんだ?」

「どう思うんで?」

どう、と言われても。言葉に言い表わせない。

―――――総悟もそうなんだと思う。

だけど、それを言ってくれたなら・・・

「・・・言えよ」

「そうですねィ・・・求めてるものは、ただ一つ。」

「・・・なんだ」

「土方さん」


“俺”に求めているものは、


“俺”。


だなんて、簡潔すぎて何を言えばいいのかわからない。

「何?納得いきやせん?」

「当たり前だろ・・・」

気張ってきいたのに、返答がこれじゃあ納得いかないのは当たり前だろう。

が、沖田は不思議そうな顔をし、茶を啜った。土方も、煎れた事を忘れていた茶を飲んだ。

「求婚、みてぇなモンなんですがねィ」


今の台詞を、頭で処理するのに時間がかかったのだろう。

間をおいて、ブーッと土方は茶をはいた。


きゅ・・・求婚?


きゅうこんて球根じゃないきゅうこん?

「きったねぇなァ・・」

ブツブツ文句を言いながらテーブルを拭く沖田の手から布巾を取り上げ、一応確認する。

「・・・いま、なんつった?」

「求婚。プロポーズでさァ」


―――――とりあえず、今の言葉はきかなかったことにしよう。


冷静を繕い、話を進めることにした。

「・・・で?何処がいいんだ?俺なんかの」

「どこ、ねぇ・・・」

ジーッとなめるように見られ、つい顔を逸らす。

「・・・こないだ言ってた事、だぞ?」

「ああ、それ?」

意味を取り違えていたのか、沖田は目をパチクリとさせ、また考え始めた。

多分、というか絶対に此方の質問のほうが難しいと思う。


―――――それに、こっちのほうが本命なのだ。

簡単に答えられたら困る。

「・・・そう、ですねィ」

が、案外すぐに沖田は口を開いた。

え?何?予め返答考えてたの?


「土方さんてね、アンタ自身が思ってるよりも興味深い性格してるんでさァ」

「ハァ・・・」

「最初はそこがいいな、と思ったんでさァ。まぁ初恋の人ですし?」

「ハァ・・・って・・はっ!?」


・・・今日の俺の耳はおかしいと思う。初恋、と聞こえた気がする。・・・空耳にしては激しすぎる。

「・・・初恋・・?」

「そう・・初恋」

と、沖田は愛おしそうに土方の頬を撫でた。

「あんたは知らない、昔の話ですがね」


昔・・・?


俺の覚えている限り、総悟の言う“昔”に会った覚えはない。


まぁ常日頃、餓鬼の頃の事を思い出さないようにしているから、記憶も途切れ途切れなのだが。

微笑みながら、沖田は続ける。


甘美な、声で。


「ずっとずっと、好きだったんですぜ・・・?」

甘く響くその言葉に、その声に、頭が麻痺してしまいそうだ。


やはり、自分は変わった。

今更、こんなことを目の当たりにしても無意味だが。

「ねぇ、土方さん・・・」

そっと唇が重なる。



―――――俺はもう、コイツから逃げられないのかもしれない・・・。

頭の片隅で、そんな予感がした。

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