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梅々

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ことだま

ちょっといま、人生を左右する二択で悩んでいます。
逃げるか戦うか。でも他人に言わせたら逃げることにはならないという。
私、これまでの人生、基本的に嫌なことから逃げてばかりだったのです。だから今度こそ戦ってみるのも悪くないかな、なんて賭けてどうする。とにもかくにも悩み中。
それで。電子辞書で深夜隊のみんなを調べていて危うく涙が出るところだった。危ない危ない。
大和と武蔵が一緒くただったのにうむ、となりました。分けようよ、そこ。





そんなこんなでおきたん沖土です。続きます。
















目に見えないものと見えるもの。
大切なものはこの目には写らなくて、でもそれでも掴みたくて。

だから、ただただおまえに、俺は縋る。





Dillet 特別編





旅行の話は半年前から出ていたけれど、写真集の撮影は海外がいいと社長が言い出したので結局、旅行は季節を三つも跨がった七月になった。
その間にテレビ番組に出演したし、映画の話も上がった。中々成長したものだと思うが、その分疲れが溜まったのも事実だ。休日はそれなりにあったが一日や半日じゃ癒されやしない。楽しい仕事であり対人関係でストレスを感じたりはしていないから恵まれているのではあろうが、それでも疲労はどうにもならない。
そんなこんなで漸く取り付けた三日間の連休。遅くなってごめんな、思う存分楽しんできてくれ! と近藤さんが送り出してくれて訪れたのは箱根だった。
三日間の連休ではあるが、初日の今日はプライベート写真の撮影を頼まれていたから総悟のエスコートで色々な観光地を回った。ガラスの森、関所、芦ノ湖とメジャーな所を妙に外した観光だったが楽しかった。
何しろ、総悟が楽しげだったから。
着いた宿も中々で、二人で泊まるには少し広すぎる。

「あー喉乾いた。土方さん、アンタの茶菓子ももらっていいですかィ?」

「やるよ。・・・景色もいいな」

窓から外を眺めると、山の上の方にあるからか箱根の温泉街が見渡せる。青々とした緑に囲まれて、気分も清々しい。茶菓子をむしゃむしゃ食いながら、総悟は俺に後ろから覆い被さった。紫陽花も終わりの季節だから、ベタベタされるととても暑い。だけど今日は気分が寛容で、仕方ねぇなぁと思える。
久々にゆっくりできる。この頃は仕事も忙しくて、帰ったら飯食って寝るだけだったから、こうやって抱きつかれたのも布団の外だと何週間ぶりかもしれない。だから、寛容というよりかは俺がされたいだけなのかも。
・・・認めたくはないけれど。

「あー。土方さんの匂いマジいい」

「おまえは変態か」

「アンタ限定で」

「・・・」

「あ、満更じゃねぇんですねィ?」

「うるせぇ」

俺は普通だったのに、総悟といる内に段々軸がぶれてきている気がする。じわじわと調教されたのか、それとも元は変態だったのか。割かしストイックだと思っていたが、それも違うようだし。
総悟を引き剥がし、背後にあった椅子に腰かけると総悟も向かいに座った。道中で買ったペットボトルの茶を飲んで、はぁと一息吐く。空気がうまい。というのは多分、こういう感じなのだろうと深呼吸。

「楽しかったですねィ」

「だな。たまにはいいな、こういうの」

「俺と一緒ですし?」

「だな」

素直に頷くと総悟が、驚いたような表情をした。それがすぐに笑みに変わり、満足げな表情になる。一言で総悟がこう喜ぶのが嬉しくて、でもその代わりにあまり総悟を喜ばせるようなことをしていないのだと実感させられる。俺は不甲斐なさすぎる。
携帯がブブブ、とテーブルの上で振動して、メールの着信を知らせる。
何気無くそれを確認しようと携帯を開いて、今日の日付にあれっ?と首を傾げる。

「・・・今日何日だっけ?」

「七月八日でさァ」

「おまえ、誕生日だよな?」

「そうですぜ」

同じように携帯を開いて何か打ちながら、総悟は平然と言う。
とりあえず失念していた自分を反省すべきか、それとも、そんな気配を微塵も見せない総悟に詰め寄るべきか、悩んでとりあえず両方一緒くたにすることにした。

「おまえ、何で言わなかったんだよ」

「だって別に、わざわざ言うようなことじゃないでしょう?」

「だっておまえ、俺の時は祝ってくれたし」

「それは俺が祝いたかったから。昔は誕生日なんて祝んなかったらしいし、そんなもん別に」

パタン。携帯を閉じて総悟は淀みない真っ直ぐな眼差しで俺を見た。とっても正当なことを言われている気がして反論できなくて、本当に俺は口じゃ弱いと苦々しい気持ちになる。
祝ってくれたから、とかじゃなくて祝ってやりたい。でもこんな会話した後じゃなんだか意味もないような気がする。
それでも。

「・・・ちょっとでかけんぞ」

「何処に?」

「ケーキ、買いに」

「え?」

ほら、と急かして一応戸締まりして部屋を出る。総悟は携帯しか持っていないが俺が財布を持っていれば、それでいいだろう。
去年はちゃんと覚えていたのに、今年は本当に不甲斐ない。

「俺去年祝ってもらえたから、それでいいのに」

「馬鹿。俺が祝いたいんだっての」

手を強く握って、温泉街の中をケーキを探しながら練り歩く。見つからない予感がするけれど無かったら無かったで代替品を、と店を素見しながら歩くからそれなりに時間がかかる。
羊羮に温泉饅頭、湯もちにプリン。歩いてその辺を見るだけのはずが総悟が情報誌を拾ったりするものだから、電車まで乗ってあちこち有名所を回る羽目になった。楽しいから、いいけれど。

「ケーキも買ったし、さっさと温泉入りやしょうよ」

「疲れた・・・」

「ったくこれだからオヤジは」

湯飲みやら急須やらが乗った盆以外には何も乗っていなかったテーブルも、箱根の有名な土産品がごちゃごちゃに置かれていてパッと見、とても汚い。その上これらは全て自分用だから質が悪い。総悟は入浴セットを片手に戸口で早くと急かすが、一眠りしたい。人に酔ってしまうのはいい加減直したいが、仕事のときは我慢しているのだからプライベートな時ぐらいいいだろう。
そんな不調を知ってるくせに総悟は、ニヤニヤ笑いながら急かす。この鬼畜め。
なんて心の声が届いたのか。

「全てはアンタが可愛いから悪い」

などと宣う。
馬鹿じゃねぇの、呆れて返したつもりが何故か照れた口調で。
こういうところがからかわれる要因なんだと溜め息をつきたくなる。
飼い慣らされた、と認めざるを得ない。

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