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梅々

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土沖入りまーす!

咳が酷くなりましたが熱は下がりました。父に移りました。

明日も一日寝といた方がいいかな。

明日はとうとう夏コミですねー!

一昨年だかの夏コミの日も、千葉の祖母の家で寝込んでいた気がする。

大抵私は休日に寝込みます。平日には気力で寝込まないようになっているようです。



さっきまでとんねるず見てましたが、面白かった。素朴ですよね、落とし穴。それだけで一時間。すごいな。











では、小ネタのはずが長引いたパラレルです。

これ書く暇あるならおきたん書けよ!
































小鳥を檻に閉じ込めるのは間違っている。

広い大地の上、自由に羽ばたけるようにしておくもんだ。

俺だけに止まるように、して。











まやかしの中の











「アンタが土方さん?」



「・・・そういうおまえが沖田か」



映画のキャストの顔合わせ。スタジオ入って一番に声をかけられたと思ったらそんな台詞だった。

天然物のミルクティー色の髪に、整った甘いフェイス、華奢な体つきに似合わない口調に毒舌で有名な新人俳優。顔だけは老若男女問わず好かれるが性格は問題で、礼儀はあるが媚びるようなことはしないだとかで、ベテラン俳優や監督によっては合う合わないがあるだろうというのが俺の了見。

マネージャーの話を聞いてのものだったが実際会ってみて想像通りだった。自分を曲げないのはいいことだと思うが、この世界で貫くにはそれなりの地位が必要だ。新人には、難しいだろう。



「・・・俺、先に言わせてもらうとラブシーンなんてできないと思うんでさァ」



「しかも男相手だしな」



「そうそう」



スタッフだとかが挨拶に来ては微妙な顔をする。隣の山崎までもが、微妙な顔をしている。

今日は台本を渡されるだけだからカメラが一台回ってはいるが会議室のような場所で台本を貰いだべるだけだ。主演が俺と沖田だから席が隣なのは当然で、隣の椅子を引いてやるとどうもと頭を下げてから沖田は腰かけた。

これを見た山崎がひぃっと息を飲む。うるせぇよと視線を向けたら真っ青になった。



「山崎なんか用か。うるせぇ」



「いやだってあの土方さんが椅子を引くなんて・・・」



「死ね。いいから出てけ」



「はい・・・」



一部始終をぼぅっと沖田は眺めていたが、徐に鞄から飴を取り出して舐め始めた。

頬を膨らまし食べる姿が子どもっぽい。

可愛い面だと頬杖しながら眺める。



「煙草いいか?」



「どうぞ」



「・・・野郎とラブシーンねぇ・・・・・・」



「本当にありえないですよねィ」



一時間早く呼び出したから三十分は二人きりで話せるはずだ。

こんな風に早く呼び出すのも、椅子を引いてやるのも挨拶を疎かにされて怒らないのも。この餓鬼が初めてだ。新人だから、だとかラブシーンを撮るからだとかそんな理由じゃなくて。



「・・・マネージャーに、アンタはすごく厳しいって聞いてたんですけど」



「あーらしいな。皆ペコペコ頭下げやがる」



「自覚ないんですか。回りの人が可哀想でさァ。さっきのマネージャーなんて始終真っ青でしたぜ」



「あれは生まれつきだ」



「ふーん」



興味を持ったというのが一番の理由だろうか。何に対しても自分を曲げないなんて今時珍しい、この世界なら尚更。皆強者にへつらい甘い汁を吸おうと四苦八苦しているのに。皆が皆、己の意思ではなくても。

姉の敵を討つために、女の振りをして姉を殺したマフィアのボスに近付く青年の役を、沖田は演じる。俺は憎まれ役のボス役だ。沖田が主演であることを山崎などが大抜擢だと噂していたが、至極当然だと思う。女装が似合う、似合わないではなく、敵討ちの言葉の合う真っ直ぐな眼差し。それが全てを物語っていると思う。

何かの雑誌で『とろけるマナザシ』だとかふざけたことが書いてあったが強ち嘘ではないと、顔を合わせてみて分かった。



「アンタ俺とキスできんの」



「芸人見てみろ。頑張ってんだろ。そんな嫌なら蹴りゃよかったんじゃねーの」



「アンタね、新人は仕事選べねーの。初めてのチューが有名俳優なら儲けモンだろィ」



「うわ、初めてか。残念だなァ」



「あー可愛い女の子が良かったでさァ」



唇を尖らせいじけたように言う。今時そんなの素でやるの、アイドルでさえいない。

重ね重ね可愛いな、コイツ。なんて男相手に思ったの初めてで、少し戸惑う。

俺も正直、男相手なんて無理だと思っていたが、コイツ相手ならなんの抵抗もないんじゃないかと思う。

試しに。



「沖田」



「はい?」



此方を向いた沖田の、額に唇を寄せてみる。彼女にでさえこんなことした経験がないというのに、何をしているんだという突っ込みはなしの方向で願いたい。

さぁ青くなっているか、顔を離して沖田を見ると。

―――――真っ赤になっていた。



「え、」



「なっ・・・何しやがんでィ! 死ねこのクソ変態野郎!」



そのまま立ち上がり、荒々しく沖田は部屋を出てしまう。反動で開いたドアの隙間から、真っ青な山崎の顔が覗く。

悪くない、寧ろ。

どう手懐けてやろうかと、久々に胸が高鳴った。

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