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梅々

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まほろば

ポルノグラフィティのまほろばが、銀沖の援交にしかみえない。3Zで・・・中2の総悟と総悟の事を全く知らない銀さん。なんか萌えます。

それでは、短いくせに何日かけてかいたの!てな感じの土沖です。














俺にはあんたを束縛することはできない。 

だから、せめて――――――― 

届け、俺の想いよ。 









白百合 







コホコホ、と乾いた咳の音が背後から聞こえた。 

また、風邪を引いたのか。最近はあまり風邪を引かなくなっていたのに。よく、疲れやストレスが堪ってたり気が緩むと風邪を引くというが、それなら俺の方が風邪引きそうな気がする。 

また響いた咳の音に、堪えきれず振り向いた。 

「大丈夫かよ?」 

まさか俺が振り替えるとは思っていなかったらしく、身を抱くように咳き込んでいたが、平静を装って大丈夫、と力無く呟いた。 

全然、平気そうに見えないが。 

「風邪か?久しぶりに」 

「そう・・・みてぇでさァ。馬鹿は風邪ひかねぇっつうのに」 

漸く顔を上げたが、普段から白い肌が一際白くなってる気がする。目を逸らしたら消えてしまいそうな、幻想的な程の白さ。 

軽口をたたいてはいるが、辛そうな表情をしている。 

「・・・今日はこれで帰るか」 

「でも・・まだ半分も廻ってやせんぜ?いつもはサボんなってうるせぇのに」 

「それとこれとは関係ねぇだろ。ったく、具合悪い時に限ってやる気でるからなァ、お前」 

「・・・別に風邪ひきたくてひいてんじゃありやせん」 

そんな事はわかってる。それに、寝込んでる姿は鬼の撹乱みたいな感じで可愛いが、やはり外で餓鬼みたいに走り回っててくれなきゃこっちも調子が狂う。・・・たまには、純粋な意味で可愛がってやろうとも思うし。 


存外、早く屯所についた。総悟の部屋まで行って、布団までひいてやった。いつもなら総悟は茶化してくるのだが、何も言わずただただ見守ってる。かなり、具合が悪いのだろうか? 

「風邪、って遷せば治るんですよねィ」 

布団をひき終え、寝かし付けてからそっと部屋をでようとするとボソッと独り言のよいに呟いた。問い掛けているように聞こえるから、俺に話しかけているのだとわかったが、いつもよりとても弱々しい声で別人みたいだ。 

「世間じゃそういうけどな。実際にはわかんねぇよ。じゃ、ちゃんと寝てろよ」 

言い捨て、今度こそ部屋を出ようとしたが布が擦れる音がし、ちゃんと寝てろ、と言おうと振り向いた。するとギュゥっと抱き締められた。 

「総悟・・・?」 

戸惑いながらも抱き締め返すと、総悟は更に力を強めた。常にひんやりと冷たい手が、俺よりも熱い。 

「・・・・・・いで」 

「えっ?」 

「行か・・・ないで・・・」 

行かないで。はっきり、そう聞こえた。幻聴とかではなくて、弱々しく告げられたその言葉は、本音、なのだろうか。 

「いてやっから、寝てろ」 

「傍にいるだけじゃ駄目でさァ」 

「え?」 

縋るような瞳で、総悟は見上げてきた。 

「アンタに、風邪遷ってもらわねーと・・」 

「・・・は?」 

首を傾げつつ、布団へと促す。一緒に寝ろ、と駄々を捏ねるからしょうがなく布団に入った。自然と、手に指を絡めてきて、目の前においた。久々に見る可愛らしい仕草に顔が緩んだ。 

「にやけてやすぜ?昨日のお相手はそんなによかったんですかィ?」 

「何言ってんだよ。昨日は接待だった・・・」 

「白粉の匂いぷんぷんさせて?おまけにキスマークまでつけて?」 

「・・・」 

そう言われると、何も言い返せない。でも、確かに昨日は接待だったのだ。接待で馴染みの店に行って・・その後は、総悟の想像通り、コトに及んだ。 

「何でそんなに風邪ひいてほしいんだよ」 

聞くと、言いたくないのかぎゅっと抱きついてきた。風邪ひいた時だけは素直で可愛いんだよな、コイツ。赤い頬して瞳潤ませて。餓鬼の頃からそうだった。風邪ひいた時だけは近藤さんには寄り付かず、俺にべったりだった。それが単に俺に遷ればいい、と思っていたのなら、毎回毎回“傍にいて”なんて淋しそうな顔して言ってこなかっただろう――――と俺は思ってるのだが。 

「総悟?」 

優しく頭を撫でてやると身を擦り寄せてきた。 

「アンタが風邪ひけば・・遊びになんて行かなくなるだろィ?」 

「・・・嫉妬か?」 

「違いまさァ」 

嫉妬でしかないのに、そうじゃないと信じたいのか否定する。その癖しがみ付いてくる力はさっきより増している。いつまでたっても、餓鬼なのは変わらない。 

「大丈夫だ。傍にいてやるから」 

「今だけは、だろィ?」 

風邪が治ったら、平然と女を買いに行く――――そう、わかっているのだろう。 

本能なのか、勘なのかはわからないが。 

「・・・今だけ、な」 



―――――いつでも、俺の心を占めているのは、総悟なのだ。 



どんな女を抱いていても、脳裏に浮かぶのは、こんな関係になってからは全く見せなくなった、笑顔。体を拓いたのは俺だ。だからアイツのイイところも喘ぐ声も、気持ち良さそうな顔も、全て俺だけのものだ。 

だけど、体を繋げれば繋げる程、総悟を遠く感じる。あの無邪気な笑顔も、安らいだ寝顔も、甘ったれた声で戯れてくることも、もうない。 


世界で一番、愛しているのに、傷つけてばかりだ。 

笑顔にさせてやりたい。笑顔が見たい。 

笑ってさえいてくれれば、それでいいと思っていたのに。 



愛、とは綺麗なものではなくて独占欲とか不信感とかそういった類のもので出来ていて。願望だけじゃ、やっていけないのだ。 




だから、全て俺の所為だ。 

「総悟・・・」 

「・・お願い。優しくしねぇで・・・」 

優しくすればする程、傍にいればいる程、心の距離は遠くなる。 




――――――どうすればいいのだろう。この無限に続く回廊を。 











微妙なシリアスさ

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