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梅々

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いろいろつらい

最近廓ネタがあつい。
多分遊廓ネタなら幾らでも作れるなと思って、そうしたら土沖と沖土両方ネタが浮かんだから笑うしかないと思いました。
近々メモってうぷしたい。試験前だから小説無理だとおもうし(..)

今日は怖い夢見て寝不足の上、風邪の症状の激しい鼻づまりにきつい喉の痛み、朝一で手の甲にみみず腫作るし散々だとか思っていたら足の親指の爪と肉の間に砂がびっしり入り込むは、爪が反ったわで滅茶苦茶痛かったです。
つくづくついていない。





それではネズミランドネタです。
殆んど関係なかったじゃんとか思っても口には出さない方向でお願いします。

・・・零の主役になって霊と闘う夢はこの上ない悪夢ですよ←





















そういうわけで、傍にいましょう?





日はとっくに暮れてしまっていて、きらきらと、シンデレラ城のライトアップが夜空に色を添えている。幻想的なその光景に気をとられていると、総悟がくいくい俺のコートの裾を引っ張ってきた。
カリブの海賊にジャングルクルーズと午後回って、いまはパレードを待つ人混みの中、ベンチに腰かけている。楽しかったけれどそれなりに疲れたのだろう、総悟は静かにしていた。

「寒くはねぇか?」

「平気でさ。あと何分ぐれぇ?」

「十分だな」

あと少しだ、と嬉しげに言いながら総悟がぴたりと寄り添ってきた。左腕に感じる温もりに口許を緩ませながら、肩に触れる頭に頬を預ける。目を瞑ったらそのまま眠ってしまいそうに微睡んで、まぶたが重くなってきた。なんとなく下ろしていた手を総悟の肩に置くと、ぷっと総悟が噴き出した。そのままくすくす笑い続けるものだから、むっすとしたらますます総悟は笑う。なんだよ、と呟くと、涙をためた大きな目が俺を写した。
相も変わらず、綺麗に澄んだ目をしている。目は心の窓と言うけれど、それはつまり、総悟の心は滅茶苦茶澄んでいるということ。純粋に黒いから困っているんだ、俺は。

「ムードにのってみたんで?」

「そんなんじゃねぇよ」

「本当に?」

言われて改めて周りを見ると、そこかしこにいる恋人たちは肩を寄せ合っていたりとにかく密着していたり、大抵がいちゃいちゃしていた。先に甘えてきたのは総悟なのだから、ムードに酔ったのは総悟のほうだろう。
滴を孕む睫毛を指先で拭いそのまま、柔らかい頬を包む。こんなに周りでハートを乱舞させられていれば、酔ってしまうのは当然のことだ。

「・・・確かに酔ったけど」

「ほら、そうじゃねぇですか」

「おまえが先だろ」

「っ・・・ん、」

粗方反論しようとしたであろう唇を塞いで、舌を掬うように絡める。誰かに見られたとしても別にいいと思い始めた時点でもう終わりだ。くちゅくちゅいわせて求めあうと、総悟は恥ずかしそうに抗議の目を向けた。
こんな顔で歩いたらそこらじゅうで男共が息をあらげそうだ、至近距離で熟視ると余計恥ずかしそうに目を反らすものだから苛めたくなる。

「帰り混むだろうな」

「・・・?」

「続きは車の中で、な」

「っやらしいことしか考えてないんでしょ、あんた!」

ドスッと腹を殴られうっと呻くが、総悟は素知らぬ顔で漸くやってきたパレードに顔を輝かせている。本気で殴るなっての。ぼやいてみるが、小さなその耳には届かなかったらしい。
昼間のパレードではよくみるキャラクターが手を振っていたが、いまは悪役たちがその場所を陣取っている。目映いばかりにライトアップされた豪華な車はある程度過ぎたところで止まった。さっきは乗っ取れなかった彼らは今度こそ乗っ取れたと浮かれている。だがそううまくはいかないのが悪役の宿命。よくきく世界的キャラクターの声がどこかから響き、目の前の車の中から、昼間にも見たミッキーが現れた。さっきもいまも、いいポジションを取れたようだ。総悟はわぁぁと周りに負けないぐらい顔を綻ばせている。
勤労学生には痛い出費だが、こんな姿を見れたからいいか。肩を抱いたままの腕に力を込めると、おさわり代とりやすぜと総悟が儚く笑う。淡い寒色の光が総悟の線の細さを際立たせるのだと分かって、パレードよりも総悟に夢中になる。淡い紫に青や白。それらに時たま混じるピンクや黄色の光が白く柔らかくすべすべな肌を照らしては過ぎ去っていく。
気付けばパレードは過ぎ去っていて、周りの人混みが帰る支度でざわついていた。

「はい、おさわり代くだせぇ」

「入場料でチャラだろ。それでもおまけがつくぐらいじゃね?」

「そんな安かぁねぇよ、俺」

いいながらもベンチの半分を占領していた土産の袋を持つ。小さいものから大きいものまで、全て総悟が持とうとするからそれを奪って、人がごった返すゲートへとゆっくり歩む。
視界に映る背中のどれもに哀愁が漂っているように見えてなんともいえなくなるけれど、それは俺も同じなのだろうか。無邪気なのは小さな子ども達だけだ。

「おわっちまったな」

「そういう寂しいこと言わねぇでくだせぇよ。空気読めないなぁ、あんたは」

「・・・またくりゃいいんだから、良いじゃねぇか」

「会話噛み合ってやせんよ」

寂しげにしていたから言ったのがばれたのか、総悟は拗ねたような難しい表情を作った。
駐車場へ向かう道すがらのほうが、何か大切なものを置いてきてしまったような、妙な悲しさがあって不思議だ。光が駐車場を照らすものだけになるからだろうか。皆が皆、同じ思いをしているとは言わないが似たようなことを思っていて、それがまた来ようという気持ちを増幅させるんじゃないか。
夢のような時間をもう一度、と。

「眠いー」

「寝てていいぞ。どうせ渋滞だし」

「イヤでさ」

欠伸で潤んだ目を向けるものだから堪らなくなってキスをした。本当はキスだけじゃ足りないけれど、渋滞とはいえ走り出してしまった以上キスよりも深いことはできない。
怒り狂ったオウムの群れのように真っ赤なテールランプを眺めていると、空いている左手に総悟の温もりが触れた。落ち着く暖かさだ。

「今度は俺もちゃんと金出しまさァ」

「いい、そんなの」

「でも、対等でありたいんでさ」

少しむずがるようにそう言って、総悟は強く指を絡めてきた。握り返すよりも抱き締めたくて、中々進まないのをいいことに細い肩を抱き寄せる。多分、後ろから見たら見えるのだろう、赤い光に黒く浮かび上がって。
恥じらうような素振りを今さら見せられて、悪い癖だとは知っているけれど欲情した。何処でも勃つなんてすごい特技ですねィ、なんてからかわれるけれど現況はいつだって総悟だ。

「総悟、」

「待ってくだせぇ。帰ったら、しやしょ?」

欲を隠さない声で言うと、より自覚を招いて苦笑してしまった。
それまで我慢できっかな。
いらえを期待していなかった呟きに俺もと返されて、余計余裕がなくなった。
これはもう、飛ばすしかない。

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