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梅々

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期待は裏切るためにある。

美容院行ってきました。
10cm程度切ったんですがね、母に「短くなっちゃった」って言ったら「あんま変化ないよ」って返されました。確かにね、長髪でありますけどね。きっても変化ないって言われたら凹むよ。


さて、それでは此方も変化ナシだった小説。
革命ってあんま成功しないものだ。














思えばいつも、話題提起は総悟からだった。





サディストの限界





「───エイプリルフールってぇのは、他人を楽しませる為に嘘をつく日なんですぜ?」

真っ直ぐと下から見上げてくる双眼は驚愕や不安といった揺らぎが全くなかった。

もしかして、こういう行為を経験したことが─────?

途端に、訳も分からず不安にかられた。別にこいつが男相手にヤったことあろうが、俺には何の関係もない、はずなのだ。
こんな風に押し倒したのも、本気でするつもりじゃないからであって。

四月一日夜中の十一時。
今日一日総悟に騙され続けていた土方は、仕返しだとばかりに総悟を押し倒した。その後の総悟の第一声がアレである。いやに落ち着いてる総悟に、土方が疑問を抱くのは当たり前のことかもしれない。
酒の所為かほんのり上気した、襟元から覗く素肌を眺め土方は無意識に唾を飲む。

「土方さん。笑えねぇですぜ、この冗談」

「本っ当、笑えねぇな」

なのに、何故俺は退かないのか。
嫌味な笑いを浮かべ皮肉しか吐かない真っ赤な唇に、ふと思う。

嫌がる顔を、焦る顔を。
こんなんじゃ仕返になっていないのだ。瓢々としている目の前の子どもを、どうにか自分と同じ目に合わせたい。
その為には手段も厭わない。
冗談が冗談で済まなくなろうとも。

よくよく考えれば、今日の総悟の冗談の数々も笑えなかったではないか。
目覚ましの時間を遅らせ、その上、ありもしない書類の〆切をでっちあげられ、飛び起きたところから始まり、朝飯の時はマヨネーズの容器に辛子生クリームを詰め、「特注ですぜ」と渡されたり思い出すのも嫌なほど、一年分の嫌がらせを凝縮してやられた。
やり返して何が悪い。
酒のせいで多少開き直ってしまっているが一応は正論である。


普段より若干据わった目をした土方は躊躇うことなく総悟に口付けた。

「んっ・・・んん~!!」

土方の突然の行動に驚くのは当たり前だ。
こんな体勢にはなったがまさか口付けられるとは思っていなかったのだろう。紅の瞳を見開き抵抗することさえ忘れている。

そんな総悟の様子を見ても満足していないらしい土方は更に大胆な行動に出た。
ピタリと隙間なく閉じられた唇に舌を這わせ、ふと力が弛んだ隙に口内へと侵入し、総悟の舌を絡めとったのだ。

「んんっ!!」

涙目で必死に体を引き離そうとする姿にやっと満足し、土方は唇を離した。

これで今日一日分の屈辱の数々を雪辱した筈なのだが。

まだ足りない。

どうせならこのまま今までの分全部、清算してしまいたい。

ヒュッ、と耳元で何かが空を切る。反射でそれを掴むと、懐刀を握った総悟の手だった。
一拍おいて、あと少しで首チョンパという現実が押し寄せる。

「っにしてんのお前ェェェ!!」

「それは此方の科白でィ!! 俺のファーストキス奪いやがって!! 何が悲しくてあんたみてぇなオヤジなんかとっ!!」

「初めてだったのかよ? そりゃ悪い」

オヤジと言われたのはこの際我慢しよう。
微塵も悪いと思っていないのがあからさまなのだろう、総悟はキッと土方を睨むが、考えるような仕草をし懐刀をポイと放り投げた。
何で、懐刀なんざ持っているのだろう。町娘が護身用に、と言うのなら分かるのだが、真剣持った真撰組一の剣の使い手が、何で懐刀。
疑問を口にしようとするが、それより刹那早く総悟が口を開いた。

「・・・退いてくれやせんかィ? ドMのあんたが俺の上に乗んのは変だと思うんでさァ。寧ろ逆? みたいな」

「だァれがドMだ。てめーがドSだろうとな、退くわけにはいかねぇんだよ」

「冗談が冗談で済まなくなりやすぜ? 責任、取れるんで?」

意地の悪い笑みを浮かべる総悟の、その余裕をどうにか奪ってやりたいと思う。

これも充分、加虐心ではないだろうか?

「責任、とってやるよ」

虚をつかれたように呆然とした総悟に再び口付けた。





「・・・アッ」

ビクリと体をしならせ、総悟はシーツを掴んだ。
散々にはだけ、布きれと化した寝着は辛うじて肩にかかっている程度で衣服としての役割は果たしていないが、総悟の艶麗な肢体の魅力を引き出している。
不快そうな顔をしているが生来の潔さ故か抵抗はしない。
クチュリ、とローションを塗りたくった後孔に指先だけ挿した人指し指を回転させる度呻き声が耳に届く。

「ぅっく・・・土方・・・・・・ま、じ、死ぬッ」

「苦しめってんだバァカ」

ゲシと、頭に蹴りを食らうが余程の苦痛なのか力無い。
どうせなら、気持ち良い方が良いだろう。少しぐらいは妥協してやろうと、ズズイと身を乗り出し鼻先に軽く口付ける。

「打たれ弱いんだよな、お前。痛いのと気持ちいいの、どっちがいい?」

「いッたくねぇのに・・・決まってんだろィばーかッ」

「態度改めろっつーの」

「ぅあ・・・ッ!! 痛い痛いッ」

涙さえ目元に浮かべ、シーツを掴んでいた手が俺の背を掴む。
いつもは逆らったり悪戯しかしない手が、素直に俺に縋る。
その姿にゾクリとする。

「ックショ・・・!! 土方のくせ、に・・・・・・」

「素直に言えば、ヨくしてやっけど?」

ズズズ、と抵抗なく受け入れる内部に付け根まで指を挿れる。柳眉を寄せ呻きを上げる美麗な顔をそっと撫で、どうする? と返事を催促する。
ぎゅっと縋り、肩口に顔を埋め総悟は消え入りそうな声で呟いた。

「痛く・・・しねぇでくだせぇ、土方さん・・・・・・」

「ドSに見えねぇな、今のお前」

「あんたがッ・・・ンっ」

口を開いた隙をついて口付ける。甘いくぐもった声が劣情を煽り、より深い口付けへと変わる。
たまにはこういうのもいいかもしれない。
こう、総悟相手に優位に立てることなど滅多に無いけれど、愉しい。
こんな、素直で従順な姿を見るのも、甘い声を聞くのも、イイ。

こりゃ、ハマッちまうかもしれねぇな─────。

ただの悪戯だったのだが、そんな予感がする。

「あんたなんかアソコちょん切っちまえばいいのに」

「勿体ねぇだろ・・・」

「ってか、何で俺とあんたがヤってんで。おかしくない? おかしくない?」

「・・・。いいから鳴いとけっつーの」

「ちょっ・・・ァ、っん」

抜き挿しを幾度か繰り返すと、声に甘みが交じるようになった。
これはこれは、なんというか。
新鮮? 感動? 人類の神秘? まぁとにかく。
内部を弄ぶ指を一本追加し、指の腹で襞を刺激する。
ビクッビク、と体を震わせ喘ぎ声を殺そうと両手を口にあてる総悟は恐ろしく煽情的だ。
今までに土方が相手をした、どんな女よりも。

「ァっ・・・ふ、ンッ・・・・・・んぁ・・・」

殊更ゆっくりと、指を引き抜き改めて白い肢体を見つめる。
乳房も柔らかな肉もない、ひょろひょろで生意気な餓鬼なのに。
妙に艶かしい。
他の野郎を見てもこうは思わないだろう。

「・・・っにジロジロ見てんでィ。死ね」

「いいだろ、別に。減るもんでもねぇんだ。・・・力抜いとけよ」

「えっ、ちょっと、・・・マジ?」

「マジだから」

菊門に逸物をピトリとあてると、ヒクリヒクリと奥へ誘導するように其処が絞られる。
そんな自分の体に唇を噛む、総悟の姿が可愛く思える。

「・・・挿れっぞ」

「ッアアア───!!」

きつい中を拓いていくのは思いの外、苦痛なり何なりを伴わなかったが、やはりそれなりに狭く、全て収めることはできたが動くのは流石に無理だった。

「大丈夫かよ?」

「ムリっ・・・・・・ダメ・・・動いたら殺すっ・・・」

それだけ話せるなら大丈夫なのでは、と思うが表情は芳しくない。気持ちよくしてやると言った手前、手荒には出来ず馴染むのを待つ。

「・・・一つ、聞いてもいいですかィ」

「何だよ?」

「何で俺とヤってんですかねィ」

「・・・」

気の迷い、なのだとは思えない。気の迷いで男相手にヤれる程見境ない訳ではない。
だからといって「大好きだー」ってわけでもない。嫌いではない、程度。
それなのにこうなってる。

─────誰よりも自分が知りたい。

だからここは一つ、時事ネタで。

「・・・お前が好きだから?」

「嘘ですよねィ、あからさまに」

「当たり前だろ」

するとクスリ、と総悟は微笑んだ。悪戯が成功した時のような、満面の笑みを。

「土方さん、もう二日ですぜ」

「え、」

時計に目を遣ると午前一時を過ぎていた。つまり今は、四月の二日。
録音とかしてないようだからいいけれど、冗談じゃ済まなくないか?

途端に黙りこくった土方を笑い、総悟が少し身動ぐ。
角度が少し変わりそれに反応するように襞がキュゥッ、と土方自身に絡みつく。

「アっ、ぁ」

ビクビク、組み敷いた体が小刻に震え、小さく喘ぎながらしがみつかれる。

「俺まだ何もしてないんだけど」

「うっさぃ・・・だったら動、け・・・・・・ァ、ひじか、たっ・・・」

「はいはい」

主導権を握っていないのに、強がったままでいられるのに少し苦笑しつつも、徐に律動を開始する。
ズ、ズズズ、と動かす度に殺しきれない甘い声が吐息とともに零れる。

「・・・ぅ、あぁ・・・ッン・・・」

声を、もっと聞いてみたいのだけど。
総悟を気遣える程の余裕は土方には既に無く。
より早くより激しく突き上げることしか出来ない。
奥へ、奥へと誘うように締まる後孔に、理性は粉々だ。

「あぁっ、ヒ・・・ァあ、ん・・・ヤぁ・・・・・・も、もっと・・・ゆっくり・・・・・・」

「無理に決まってんだろ。・・・理性きかねぇっつーの」

心地好く耳に響く喘ぎ声に余計煽られる。
労ることさえ出来ず、本能のままに攻めたてる。

「ぅア、ッん・・・待、っ・・・ぁっ、出る・・・・・・土方さ・・・ッ・・・ぁああッ!!!!」

土方の背に爪をたて、猫のように体をしならせ総悟は白濁を散らした。
強く搾るようなその動きにつられ、堪えることも出来ずに土方もその最奥を貫き、果てた。





「───で? 何だっつうんだよ」

気絶するような眠りから目覚めた総悟は意気揚々と、痛むであろう腰を気にさせずいつもより真面目に隊務をこなした。

それが、土方にとってはとてつもなく怖い。

「いや、だから。近藤さんに言われたくねぇだろィ?」

ちょこん、と土方の前に正座し首を傾げ微笑する姿は何も知らない人間が見れば可愛いと思えるのだけど。
今日一日、行動に移さなかった総悟に安心していた土方にとっては悪魔のようだ。
勢いで抱いてしまったことも好きだと嘘でも言ってしまったことは、口外してほしくはない。
だから、下手に出なければならないのは必然のこと。

「交換条件はなんだよ?」
「忠実な僕になってくだせェ。勿論、夜だけの期間限定で妥協しやす」

それは、妥協とは、言わないよ。
心の中でつっこみ、土方は溜め息交じりにうなだれる。結局は妥協するしかないのだと分かっている。
しかし、いったいどういったことをやらされるのだろうか。

「・・・俺に何やらせる気だ?」

「何って、ナニでさァ。俺を気持ち良くしてくれりゃあいいんで」

やった、と内心ガッツポーズ。
まさか総悟から言ってくるとは。案外俺って幸運なんじゃ? なんて思う。
夜だけだろうが、総悟を従わせることができる。しかも、抱くことで。一石二鳥とはこのことだ。

己が総悟の策に嵌ったとは知らぬ土方は、ただ喜んでいた。
これから先が、どうなるのか知らずに。








‐‐‐‐‐‐‐‐‐

ドS×ドSを試みたけども無理でした。ドSが書けない。
私が限界だ・・・。

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