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梅々

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意気揚々

メールの文字数ぎりぎりなんでガンダムのことは明日!

R18かな。ホワイトデーネタ。















輝き 煌めく

その瞳は

僕を捕えて離さない





紅牡丹





バタン、と激しく障子が開け放たれた。
こんな時間に来るような無礼者、俺の知り合いには一人しかいない。わざわざ起きるのが面倒で寝たふりを続けていると、彼は枕元に胡坐をかき、座った。
いったい、何しに来たんだこの人。

「総悟、起きろ」

「………」

誰が起きるか。
それに、普通声をかけられたぐらいじゃ起きねーだろうが。
そうは思うが口をきいたら起きていることがばれてしまう。いまはじぃっと貝のように、口を閉ざしていなければ。
チッ、と舌打ちが聞こえた、と思ったら布が擦れる音がした。
おや? と思う内に唇に何かが触れる。慌てて瞼を開けると、これ以上ない、という程近くに土方の顔があった。

(なっ…なんでっ…!!)

なんでキスされているのか。寝起きの上に、思考力が欠如している総悟には考えても答えが出せるはずもない。

「んっ……! …んん……」

「…起きたか」

「…っにしやがんでィ土方コノヤロー!!」

ゴシゴシと唇を拭う手をガシッと掴まれ、そのまま土方の胸元に引き寄せられ、強く抱き締められる。
なんで。何してんの。
朝っぱらから酔っているわけでもなさそうだし。何で、俺を抱き締めてキスしてるんだ?
おかしい。おかしすぎる。

「おはよう、総悟」

「何フツーに挨拶してんでィ! とにかく離しなせぇ!!」

「いやだ」

土方の足を跨ぐようにして抱き上げられ、耳をちゅっ、ちゅっと啄まれる。瞬時に羞恥で頬が真っ赤になるけども、土方は行為を止めるどころか、首筋に唇を這わせ始めた。
擽ったくて体から力が抜けてしまう。
ドキドキと、鼓動がうるさく高鳴る。
逃げ出そうにも力の差がありすぎて、まとわりつく両の手を剥がすことさえ叶わない。
抵抗を嘲笑うように、指先が体を撫で始める。

「ぁッ……なにして…っ!! …離せってば……」

「ホワイトデーだから、お返ししてやってんだろ」

耳に吐息がかかり、ビクリと体が跳ねてしまう。フッと土方は笑み、総悟に口付ける。
さっきのように触れるだけではなく、とろけそうな程に甘く。
何度も舌を絡ませ、擦りあわせるとその度、総悟は高く湿った声を出す。

「…んぅっ……ァ、ッふ……ンァ…」

キスってこんなに恥ずかしいものだっただろうか?
バレンタインの時にしたけれどあの時のキスよりもっと、官能的に感じる。俺は何も変わってないはず。それなのに何故…?

夢中になってしまう。

止めてほしくないと、縋って抱き締める。

「ン……はぁ…」

「すげぇ可愛い顔してる…」

「っ!!」

間近で見つめられ顔を背ける。すると首筋を舐められた。ビクン、と跳ねた体を抑え、土方は鎖骨の窪みを舌先で辿る。
擽ったいだけじゃない、背筋が粟立つような感覚が総悟の無垢な体を襲う。
変だ、俺。こんなとこ舐められて、気持ちいいと思うなんて。
認めたくない。けれど、反応してしまう体は止められない。
するり、と寝間着代わりの長襦袢を脱がされ、肩に外気が触れ身震いする。ひんやりと冷たい手が素肌を撫でているのに、熱っていく。

「…あんたッ……何してんで? お返しって……」

「だから、よくあんだろ? …俺をやるよ。一年待ったしな。もう食べ頃だろ、お前」

「…アッ……!!」

ピン、と胸の飾りを爪で弾かれ、鼻にかかった声がでてしまった。カァァ…と朱になる頬をそのままに、腕を掴んで密着した体をはがそうと試みる。
ふと掴んだ腕の力が抜けたかと思いきや、両手を片手で捕えられ、布団に押し倒された。
ムッとする俺に跨り、見つめる瞳はいやにまっすぐで、恨み言を言う気も失せてしまう。

「…食べ頃、ってどーゆー意味ですかィ」

「そろそろわかれよ。こういう意味だって」

下腹部をそっと撫でられ、もれそうになる声を唇を噛んで押し殺す。
こういう意味って、もしかして土方が大好きな、アレ?
………いやいやいや。まさか。一年間数回程度のキスしか交さなかったのにこんな大きな一歩は信じられない。
笑い飛ばしたい。けれど笑い飛ばすには冗談がきつすぎる。

「一年も堪えたんだし、いいよな…?」

「っ…堪えたって…俺初耳ですぜ、そんな話……」

「ったりめぇだろ。言ったらお前、付き合ってくれなかっただろ?」

「……そんなわけ…」

嫌いだったら付き合ったり、キスしたりしない。あんたなんかと。
けれどそれを言ってしまうと認めたことになる。

─────土方を、好きなのだと。

(実際、そうなんだけど)

認めたくない、と思うのだ、出来る限り。

気付けば土方が下履きを脱がしにかかっていて、知らぬ間に解放されていた手足をばたつかせるが、所詮は無駄な抵抗。
暴れた所為で白い襦袢で覆われていた下肢が露になってしまった。
日に当たることが少ない所為か雪のように白い其処を土方は舐めるように見つめ、太股をスゥ……と撫でる。

「…ッ……。…止めてくだせぇ…っ」

「もう止められねぇよ」

膝裏に手をあてられ、グッ大きく足を開かされた。先走りを零しふるりと震える総悟の花芯が、土方の目前に晒される。
じろじろとまたもや視線を感じ、いたたまれなくなるが強かに足を掴まれているから抗えない。
恥ずかしさのあまり、目元に涙まで浮かんでくる始末。
そんな総悟の様子に気付かない土方はペロリと、中心部を舐めあげた。

「っひぁ…ッ!!」

「意外と敏感なんだな」

「な…っ!!」

驚愕する総悟をクスリと笑い、土方はパクリと蜜を零す中心部を口に含んだ。

(ちょっと待てェェェェ!!)

目の前がクラクラする。今日の土方は常識の範疇を越えている。だって、そんなトコ舐められると誰が考えるだろう。
舌で愛撫される都度、背筋を電流が走り抜ける。信じられない程の快感が押し寄せ、声を殺すことさえ出来ない。

「ア…ッそんな……やめっ…土方さッ…ぁん…」

「…そんな声出されちゃな、余計止めらんねぇよ」

「ひぁっ……あっ、ダメ……ヤァァッ…!!」

ビクッビクンと一際派手に体を揺らし、白濁を土方の口内に吐き散らす。
乱れた吐息を調えていると、思わぬところを触れられた。やわやわと、菊門を揉み解すような愛撫に、達したばかりだというのに花芯が頭を上げる。

「やっ…何……?」

「此処で繋がんだよ」

クニュ、と指先が入ってき、異物感に息を詰める。
気持ち悪い。内臓を直に触られているような気持ち悪さだ。指先少し入った程度でこんなに気持ち悪く痛いのだ。これ以上大きいのなんて無理に決まっている。

「…流石にきついよな」

「ぅ……ったりまえ…ッ…ぅ、く……」

指を引き抜き、黙考したかと思いきや、土方は自分の後ろから何か取り出した。
それはよく見慣れた日本酒の瓶なのだが、蓋を抜いたそれを、総悟の後孔にかけた。

「冷たっ……ん…」

酒で濡らした手をゆっくりと、総悟の秘孔に挿し入れる。案外スムーズに侵入してきた指が、襞を一枚一枚辿るように内部を撫でる。
気持ち悪いのは消えないが、別の感覚がムズムズと込み上げてくる。
ギュッと瞼を閉じ、シーツを掴む。

「ぅ…ん……ァアッ……」

指が奥を突き、明らかに甘い声が上がる。
羞恥よりも驚愕が大きい。胸をいじられるよりも、もっと、頭が真っ白になる程の快楽にとけてしまいそうだ。
グチュグチュと、解す指が段々大きく掻き回し始め、幾度も抜き挿しを繰り返す。

「…んっ、ァ…ぁう……ヤァ…ア、」

「…さて、と…もう平気だろ?」

何がと、尋ねようと口を開いた刹那、内部を蹂躙していた指が引き抜かれた。
アッ、と物欲しげな声に気分を良くした土方は、抜きかけた人指し指に中指を添え、グッと貫く。

「やぁぁ…ッ!! …ひ、ぅ……も、…ヤぁ…ァん」

─────もっと、もっと奥を。
欲望が頭の中を覆い尽す。辛うじて残っている理性が必死にそれを押し止めるけれど。

グチャグチャにして欲しい。もっともっと。

淫らな願望に泣きたくなる。なんでこんなことを考えてしまうのだろうと。
鼻の頭に口付けられ、瞼を開けると霞んだ視界に土方の顔が写った。一つ瞬きして涙を零すと、よりクリアに何かを堪えているような土方の顔が見える。
端正な顔をしているのに、何故か可愛らしく思え、ギュッ、と抱き締めた。

「……総悟?」

「…ヤんなら…早く、しなせぇ……」

唇を重ねられると同時に、今度こそ本当に指を引き抜かれる。
ひくつき、収縮を繰り返す入り口に土方は熱く猛った逸物をあてる。
きゅっ、きゅうっと襞はそれを待ちわびるように淫らに誘う。

早く、この体を滅茶苦茶にして。

口に出すことの出来ない願いを込めて、土方の背を強く抱き締め、足を絡ませる。
グッ、と土方は一気にヒクヒクしている内部を貫いた。

「っん…あぁぁ─────ッ!!」

星が散る。
目眩がしてクラリと、意識を失いかけ、体内で増長する熱を締め付けてしまった。酒の所為かとろけそうに熱いだけじゃなく、怖い程の悦楽が駆け巡る。

「…ぁっ……ひじか、…さ…アぁ…ッ」

「……熱いな、凄く…」

「んっ、ん……あつ……ぃ…あぅ…っひ」

成す術もなく揺さぶられるままに喘ぐ。
……怖い。こんなにも乱れてしまう程の快楽が。こんなにも気持ち良いことがあるなんて。

─────溺れてしまいそうだ。

土方のせいで。

締め付ける都度に質量が増していくのが嬉しいなんて、思う。
もっと、もっと……。

「…もっ…とぉ……ぁあッ…んぅ…っふァ……お願、…ッあぁ……」

「……やらしすぎだろ、お前」

低く腰に響く声で囁かれ、声だけで達しそうになってしまい、土方の背に爪をたてる。
やらしすぎるのは、土方の方だ。土方の所為で、こんなにも自分は淫らになってしまうのだから。
律動に合わせて腰が揺らめくのだって、自分じゃ止められない。

そして改めて実感する。
この男を、自分がどう思っているか。

(悔しいぐらい好きなんだ、結局。)

だから、求める。
果てしなく、貪欲に。

「……好きだ、総悟…」

余裕の無い声で呟かれた告白が胸を満たす。
今はこれだけで足りるけれど、時間が経つにつれ足りなくなってしまうだろう。言葉の一つや二つじゃ。
だから、肌を重ねるのだ。本能に忠実に、互いを求め合い貪り合う。

できることなら、ずっと─────。

「…ぅン、くッ……いっちゃ……ぁあんっ……も、ぉ…」

「一緒に…イこうぜ…?」

「…ぅ、ん…あっ、ァ……ひぁぁぁ─────っ!!」

びしゃぁ、と二人の腹部を汚しながら総悟は白濁を散らし、誘発されるように土方もキュゥゥと締め付けてくる秘奥めがけ欲をぶちまけた。



ふと、腰に違和感を感じ瞼を開けると、枕元に土方が座っていた。

(あ、なんかデジャブ…)

ぽや~とそんなこと思った一拍後に、朝っぱらから自分らがしていた行為を思い出す。
今思い返すと信じられない程乱れた自分。…死にたいと、切に願うぐらいだ。
土方にあんな恥態見られちゃおしまいだ。散々いじめてきたのだ、やり返してくるに決まっている。

「…総悟」

「なんですかィ」

腹立ち紛れに顔を背け答える。すると、瞬巡しているような間の後、深い溜め息が耳に届いた。
溜め息、ってことは後悔しているのだろうか?
…ふざけんな。こんなにも腰が痛いのだ、ごめんと言われただけじゃ許せない。

「…加減できなかった、悪ィ」

「責任とりなせぇよ」

「責任?」

「俺を傷物にしたんだからねィ」

「傷物ォ?」

どうやら心配は杞憂に終わったようだ。俺としたことを後悔しているわけじゃないようだし、弱味を握ったとも思ってはいないらしい。
傷物、って言い方は付き合っているのだし不相応かもしれないけれど。

「あんたの体はずっと、俺のモンだからねィ」

「─────!!」

開いた口が塞がらない。といった様子の土方に、妖艶に、そして満足げに総悟は微笑んだ。

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