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梅々

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帰りたい。

今日こそは早く寝てやる!


ミツバさんブログ(←)に来てくださった方ありがとうございます(*^^*)
今日だけで八人は来て頂いたようで。まだ一作しかありませんができる限り幸せなミツバさんを書いていこうと思うので。
・・・これから忙しくなるのですが(--;)





それではこないだの続きの土沖。二つに分けても終わらなかった。次で終わります。あ、背後注意ですよ!











夜を忌む君を抱き





血の匂いは予想通りあまりしない。ところどころに飛び散った血痕が少量だからだろう。
加減をした分胸の昂りが収まらない。懐紙で愛刀についた血を拭き、鞘に納める。かち、と鞘と鍔がぶつかり発した音に少しは落ち着くが、いつもより平生が保てていない気がする。乾きが酷い。だから余計にそうなのだ。
だだっ広い蔵にはもう誰もいない。屋敷の窓から外を眺めるが明かりは消えている。一階ではまだ片付けの最中なのだろう、様々な声と音が耳に届く。

「土方さん」

「・・・総悟」

倒れた障子を土足で踏み、土方のいる部屋に沖田がのんびりとした足取りで入ってくる。
栗色の猫毛は相変わらず滑らかに額の上で揺れていて、人を斬った後にしては恐ろしく平然としていると毎度のことながら思う。隣に並び、窓の外を眺める横顔を視界に映しながら。

「大分片付きやしたぜ」

「そうか」

「ああ、あんたまた機嫌悪い。あの日ですかィ?」

「何があの日だ!」

沖田は土方の機嫌の変化に恐ろしく目敏い。基本何事にも鈍いのだが、逐一土方の感情の変化に気付くのだ。レーダーでもついているのかという程の正確性で。
不機嫌なのは沖田の所為でもある。いつも部屋に行ってもいない沖田に毎晩苛々させられている。毎日時間帯を変えて行くのに何故いないのか、その理由を是非ききたいものだ。
だが、今夜は違う。沖田が傍にいる。
欲しかったものに手がいってしまうのはどうしようもないことだろう。意識するよりも早く、沖田の肩を掴み此方を向かせている。

「え、土方さん?」

「熱くて堪らねぇ・・・」

欲望が滾る。人を斬った事によって昂ったものは不完全燃焼のまま、性欲へと姿を変えたようだ。
ちょっと待って、と焦る沖田の唇を塞いで肩を確りと掴み直し逃がさない。柔い、口紅の味がしない唇を貪るように食んで舐め、その奥までせめる。一ヶ月程堪えた分抑制が効かないようで、沖田の足はもうガクガク震えている。

「んんっ、あっ・・・ん、ぅ・・・!」

腰を支え後頭部を押さえ、夢中になってキスを続ける。がっついているのは自分でも分かっているから、揶揄されても言い返せない。しかしそんな余裕、いまの沖田にはないだろう。唇を離し支えていた手もゆっくりと離していく。するとずるずると沖田は崩れ落ち、終いにはぺたんと座り込んでしまった。
肩で息をし、切なげな表情できゅっと土方の上着の裾を握る。その様が如何にいやらしく映るか、沖田は知らないのだ。

「・・・こんなとこで盛んねぇでくだせぇよ」

「じゃあ何処ならいいんだよ?」

「どこって、屯所とか・・・っん、」

弱々しく文句を言う口は放っておき、しゃがんでスカーフを外しベストの下に手を潜りこます。シャツの上から触れただけで跳ねた体を優しく抱き締めて、駄目か、と掠れた吐息を耳に吹き掛ける。
それにも過剰な反応を寄越し、沖田は目元を染めたまま挑むように睨み付けてくる。知らず知らずの内に煽っているとかそれこそ魔性じゃないか。そんな戯れ言を頭に浮かべつつ、土方は細い腰をさらに抱き寄せた。

「・・・イヤだって言ったって、どーせあんたはするんでしょ。無理矢理」

「無理矢理したことはねぇけどな」

どういう始まりであれ、沖田は終いには土方に従順になる。モラルも何も捨て、快楽主義者に成り下がるのだ。かく言う土方は始めからそうだから、尚のこと質が悪いかもしれない。シャツの裾から手を忍ばせ、脇腹から上へと愛撫していく。柔らか過ぎず固すぎず、滑らかに、誰よりも土方の手に馴染む肌が桃色に染まるのにそう時間はかからない。節榑立った手指が膨らみのない胸に辿り着く頃には、沖田は土方の首に腕を絡め、息を荒くしていた。
そっ、と指先がしこり始めた果実に触れただけで、沖田は悩ましい声を上げた。

「っあぁ!」

「・・・声抑えろ。下に聞こえるぞ」

「それはっ、困りやすね・・・っん・・・!」

「痛っ・・・!」

爪で軽く、沖田の胸の飾りを弾いた。それがちょうど、土方の肩口に当てていた額を離して沖田が土方の首筋に歯をたてたところだったので、あまりの痛さに土方はもう片方の手にも力を込めてしまい、より強く噛まれることになる。なんという悪循環。

「いってぇよ!」

「あんだが、っ悪いんでさ・・・・・・ぁん!」

「声抑えろとは言ったけどな、噛めとは言ってねぇだろうが・・・っ」

「やぁんっ」

ズボンの上から若い沖田自身を掴むと、威嚇する猫のように身を震わせ、愛らしい悲鳴をあげた。目の端に透明な雫を溜め蕩けた視線を送ってくる沖田に、土方はこれ以上となく欲情する。
性急な手付きで沖田のズボンのチャックを開け、腰を上げるように促す。沖田は従順に腰を上げて土方の耳許に唇を寄せた。ちゅっ、ちゃっ、と拙く耳に口付けを送る沖田のこの行為は狙ったものだとしか思えなくて、土方は薄い色をした沖田の性器をそぉっと撫でた。
途端に、耳の傍で紡がれる甘い啼き声。
意地が悪い、ぼそっと呟かれた悪態を拾い、土方は善意で手中のものに愛撫し出した。だがそれはそれで沖田にとっては意地が悪いものだろう、土方は手加減をせず、欲望のままに沖田に刺激を与えていくのだから。

「やぁ、っあ、あぁっ・・・ひ、やっ・・・!」

「いい声だ」

耳許で囀ずる声は他の誰よりも土方の心を揺する。理性の糸を奪っていくのだ。だからますます、土方は激しく沖田を扱いた。
聞くに堪えない音色を奏でる部位でこの上ない羞恥と快感を得つつ、沖田は自分が絶頂を迎えるのを感じた。瞼の裏が何度も白く弾ける。土方にしがみつき、沖田は快楽に首を振った。

「やっ、もう・・・ぃくっ・・・!」

「イけよ・・・」

「っ、んんんっ・・・!!」

絶頂を迎える瞬間、沖田の唇を土方は塞いだ。淫靡な悲鳴は合わせた唇に消え、残るのは白濁とひくひく痙攣する沖田の体だけだ。
土方は手で受け止めた液体を後ろの蕾のほうへ持っていき、濡れた手で咲く気配のないそこを柔らかくもみほぐす。
涙に濡れた睫毛が夜の薄闇の中で幻想的に輝く。欲に潤んだ沖田の瞳が土方の顔を物欲しげに映す。
これが普段の彼から想像できるだろうか。儚く恭しくあり、底無しの淫猥さを感じさせ、あどけなさの残る顔も、少年から成長しかけている体つきも、背徳を誘うものとなる。
くち、と指を中に入れると、沖田は刹那だけ苦痛を顔に現したが、すぐに元のように目許を染めた。

「ん、はあっ・・・」

「いい顔してんな、総悟」

「うるさっ・・・!」

「副長ー!」

「っ!!」

下から響いた声に二人して肩を跳ねさせた。

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