女王蜂

・すみません、久々の更新で。昨日だか一昨日、確か八十人以上きていただいたのですが。(しかもお古)

・最近グルーミーにはまっています。そしてグルーミーを見るたび沖土変換されます。歪んだ愛情、みたいな？ちょー可愛いですよね。グルーミー。

・ただいま表で連載していた沖土小説の続編を執筆してます。出来るだけ前までのを読まずに済むよう頑張っておりますが・・・。頑張ります。

・それでは随分昔に友達に捧げた土沖小説(前編)です。

「総悟、ちょっと残れ」 

「へい？」 

部活の途中にそう言われ、また大会か何かあるんだろうか、とか辞書に悪戯書きしたのがばれたのか、とか思案を巡らせていたのだが、片付けの時間になってしまい、とりあえず考えるのを止めにした。 

「総悟、一緒に戻ろうぜ」 

「すいやせん、土方さんに残れ、って言われてやして」 

「土方さんに？気をつけたほうがいいですよ。沖田さん」 

話を盗み聞きしてたらしく、近藤の後ろから山崎がヒョイ、と顔を覗かせた。 

「何盗み聞きしてんでィ」 

「それどころじゃありませんよ。最近、土方さんが沖田さんを見る目付き・・・物凄くいやらしいんですよ」 

「・・・は？」 

突拍子もないこと事を言われ、目が点になった。まぁそりゃあ最近よく視線を感じるような気がしなくもないけど。いやらしい？いやらしいってまぁ存在自体がそうなんだからしょうがないんじゃねぇの？ 

「いや、沖田さんには特にですよ。なんか妄想しているような・・・」 

そこまで山崎が言ったとこで、背後の剣道場から怒声が響いた。 

「総悟っ！」 

「あっ、へい！・・・っつう訳でじゃあな、山崎。近藤さんもまた明日」 

「ああ。じゃあな」 

「沖田さーーんっ！」 

後ろから山崎に呼ばれたような気がしたが、ほんの少し朝練に遅れただけで怒鳴る土方さんの事だ。また小言を言ってきそうな気がする。 

がらがらと立て付けの悪い引き戸を開け、中に入る。 

「で、なんですかィ？土方さ・・・」 

そして、戸を閉め振り向いた瞬間、視界が遮られた。 

「えっ・・・？」 

背に感じる、人肌の感触、辛うじて視界に映る、黒い髪。 

――――抱き締められてる？ 

「土方さん・・・？」 

「・・・悪ィ、総悟。もう駄目だわ」 

「何が・・・っ」 

顎を掬われ、キスされた。いつも女にしてるような、深いヤツを。 


・・・・・・は？ 


夢、じゃないよな？ 

夢だと思い込みたいけど、口内を貪る舌の感触が、夢ではないことを告げている。だって夢なら、こんな生々しい感触はしないはずだ。初めてなんだし。 

と、やけに落ち着いてる自分にも驚いた。 


一番驚いたのは勿論、土方さんのこの行動にだ。 


寝呆けてる訳でもましてや、酔ってる訳でもなくて。 

“俺”だとわかって、こんなことをしてる、その意図が知りたい。 

「んっ・・・やっ・・」 

もう止めろ、とドンドンと胸を叩こうとしても体に力が入らなくて、全く意味がない。 

「・・あっ・・」 

そっと唇が離れていった。肩で息をして、呼吸を調える。 

「なん・・で」 

「あ？何が？」 

「何でこんな事すんですかィ！？」 

「してぇからだ」 

と冷たく一蹴され、押し倒される。いや、何気にかっこよかったけど。あんな事スパッ、と言えるなんて。それとこれとは関係ない。 

「土方さん、冗談キツイですぜ・・」 

「こんな事されてまだ冗談だと思ってんのか？」 

と言うと同時に土方さんは俺の首筋に顔を埋めた。 

「痛っ・・・！」 

首筋を軽く吸われただけなのに、皮が薄いのか敏感なのかよくわかんないけど電気が走ったような痛さが走った。 

「いいから大人しくしとけ」 

―――――女だったら従っちゃうんだろうな、てな感じな声色でそう囁かれ、腰にずん、ときた。 

いやいや俺は女じゃないから。大人しくなんてしない。 


――――――と誓ったのに、さっき吸われたところを舐められただけで力が抜けてしまった。