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梅々

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がびーん

手に入らないのを知っているけど


代わりのものもいらないの。


あなたじゃないモノなんていらないわ





最近自分というものを熟視返してみようかなとかやってるから五月病風味なのかな。慣れないことやっちゃうから\(^o^)/
でも、自分というものってよくよく考えると意味不明・・・ww
後悔が多いから特に、ですかね。あのときあたしはなんでああしなかった、いっぺんくたばれ!と夜更かししたときよく思うもんですがねェ。よくわかんね。それが結論。

本音言ったら、よくこんな私に話しかけてくれるなぁと思いますがそこはね、これ以上は内緒。




これから忙しくなりそうです。参萬打記念書いたら当分亀の歩みになりそうな予感。原稿しなきゃ!





では、参萬打記念前編。土沖百合です。
百合ダメな方もいると思うから、手が空いたら沖土で記念したいなぁ。
















大丈夫、少しだけ怖いけれど。

貴女のものになりたいから。

今日はこのまま、抱き締めていて?





欲張りな姫君





憂鬱な金曜六校時の終了を告げる鐘が鳴り、皆ハァ、と息を吐く。
保健のどこが面白いんだか。この意見を殆ど皆共通で抱いていることは明白で、普段は六校時だろうと真面目に授業を受けているクラスメイトの三分の一近くが余所を見ていたり伏せていたり。後ろの席の総悟も例に漏れず、始まって少ししたぐらいからずっと静かな寝息をたてていた。総悟は殆どの授業でそうだからな、苦笑しつつ二冊のノートを閉じる。
この後は部活して三連休。月曜は部活があるものの、三連休も丸二日間空いているのも久々で、どこか一緒に出掛けようと予定をたてる。

「はい、んじゃあホームルーム始めんぞー」

気付けば担任の坂田が教卓の傍にいて、慌てて後ろの総悟を起こし荷造りし始める。ぐだぐだなホームルームを終え日直の号令。
やる意味ない、なんて思いながら総悟と共に教室を出ようとしたが阻まれる。

「土方」

「・・・」

がんを飛ばしながらも振り返ると胡散臭い坂田がにやにやと、俺を見ていた。
故意な邪魔は許せない。馬に蹴られて死ねと本気で思いつつ、総悟に先行っててと告げる。
膨れた顔で渋々了解した総悟に、生まれたばかりの苛立ちも直ぐ様消える。
あんな顔するのは、俺にだけ。

「何ですか」

「これ、風紀委員副委員長に渡せってよ。・・・可愛いね、総悟くんは今日も」

「ああ、ありがとうございます。当然でしょ? 俺の総悟なんだから」

棒読みで礼を言うと苦笑が返る。
誰にも総悟は渡さない、例えそれが正しい道であったのだとしても。

総悟は俺だけのもの。

これ以上話のなさそうな担任に一応会釈して、急いで総悟の後を追う。剣道場の手前、部室棟の所で見付けた明るい髪。複数の生徒に囲まれて、無表情でいる。
空気的に和やかではないのが分かって、少し舌打ち。
煩わしい、あの女ども。

「総悟」

「・・・土方さん」

此方を向いた総悟の目があまりにも、硝子玉のように無機質で。綺麗、だけれど哀しくなる。
ゲッと半歩下がった時代遅れのギャル三人をあらゆる負の感情を込め一瞥すれば舌打ち残して去っていく。
苛められるような性格をしていないのは分かってる。どちらかと言えばいじめっ子気質だし、やられたらやり返せというモットーの持ち主だし。
それでも、守ってやりたいという気持ちが体を支配してつい、口を出してしまう。

「・・・なんて言われたの」

「目障りなんですって。・・・・・・あんたの傍にいるのが」

髪色の所為か、と納得しかけたタイミングを狙って言われた言葉に、は? と瞬きを返す。
一瞬言葉の意味が分からなかった。要約すればそれは。

「・・・俺の所為?」

「まァね」

にたりと笑い悪戯な視線を寄越す、その表情にときめきを隠さず頬を緩ませると気持ち悪いーと本気で引いているような振りをされる。
冗談だと分かってはいても、傷つく仕草。
俺にはお前だけなのに、呟きは無事に総悟の耳に届いたらしく耳まで茹で蛸になるのがまた愛らしい。
ほら行きやすよ、照れて早歩きで去る背中に再び若気ながら後を追った。


「・・・あ、土方さん、ジブリやってまさァ、ジブリ!」

「ジブリ? なに?」

「紅の豚じゃあありやせんよ。千と千尋」

「あぁ」

風呂から上がるとパジャマ姿の総悟がソファーを背に体育座りしていて、抱き締めたい衝動に駆られながらもその横に座る。
テレビをチラリと見ると話しも中盤、否そろそろ終わろうかというとこだった。
込み上げる欠伸を堪えつつ、テーブルの上のコップを手に取りいれてあったアイスティーを飲む。喉が乾いたからこの際何でもいい、そう思ったから飲んだのだけれどやはり甘すぎて。

「甘っ!!」

「他人の飲んで文句言うんじゃねぇや。文句あるなら自分でいれてくりゃいいでしょ?」

「仕方ないだろ?面倒だったんだから」

べーっと舌を出した総悟の頭をぽんぽんと撫でると、こてん、と寄りかかってくる。視界に映るさらさらの髪が、襟元から覗く白い鎖骨が、いけない欲望を誘惑する。
好きだから嫌われたくない、だからいままでずっと、堪えてきた。
これからだって、堪えていける。

「眠い? 総悟」

「んー。けど、アンタに言いたいことがあって」

「・・・・・・なに?」

とろんとした目が俺を見上げる。ごくり、とその視線に喉を鳴らしつつも頭がもしも、と変なことを考え始める。

好きな人が出来た、とかだったなら。

恋人が出来た、とかだったなら。

総悟を独占出来る位置にいられなくなったなら。

どうしようもない、分かってはいても嫌なものは嫌で。
体が震えそうだ、俺はこんなに弱かったか。

「あの、ですねィ」

「・・・うん」

「―――好きなんでさ、アンタのことが」

「・・・・・・へ」

予想していたのは最悪の状態、だけど、聞いたのは最高の言葉。
質の悪い嫌がらせ? と疑ってしまうのは総悟の行いの悪さ故。
聞き返してしまうのはご都合主義の空耳かと思う所為。
だって、こんな・・・・・・こんなこと、信じらんない。
だけど、赤い耳を髪の隙間から覗かせて俯いている様子を見たら、もうどうにもならなくて。ぎゅうっ、と抱き締めるとビクンッ! と総悟の体が跳ねた。

「土方さん・・・?」

「俺も好きだよ、総悟のこと。・・・昔からずっと、好きだった」

「うそ・・・」

顔を上げた総悟の瞳は涙でゆらりゆらり、光を反射して煌めく。
とても綺麗、呟いて涙を唇で拭う。
いま、俺がどれくらい幸せか、総悟は絶対知らない。

「負けん気が強いとこも、白くて細い手首も薄い肩も、俺だけに見せてくれるとびっきりの笑顔も、全部、好き」

「・・・あたし、てっきりあんたに嫌われるかと、思ってやした・・・」

本当のこと言ったら。

呟いた声が震えていて、そっと頬を包むとその手を総悟の手が握りしめた。
俺から言えば良かった、後悔していると総悟が勢いよく抱きついてきて、そのままごろんとカーペットの上に押し倒された。

「総悟?」

「すんごい幸せでさァ・・・」

「俺も。これ以上ないってぐらい、幸せ」

にっこりと微笑みを浮かべた唇に誘われるように、唇を重ねた。

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