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梅々

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食欲の秋

回転寿司で八皿食べました!やった。でも目標は二桁。無理なのはわかってます。だって食後吐き気がしたし。回転寿司食べてる時って緑茶が異様に美味しく感じる。勿論、今川焼きとか鯛焼き、饅頭など和菓子の時も美味しいけど。
あんぱんには緑茶でしょう。



それでは、随分前に書いた土沖援交ネタチックなやつの続き。これまだ続くな。











消えてしまいたい。
雪のように、人肌に触れたところから粉々に。
そうすることで俺は自由になれるのだから。





破滅への足跡




『メール受信中』
携帯開いた途端受信画面に切り替わり、胸がどきりとした。こんな時間、メールが来るのは無料サイトとかのスポンサーメールぐらいなのに、タイミングよくメールが来たからとかではなく、予感がする。
とても嫌な。
『♪~♪♪~』
「うっ・・・」
予想通り、あの人専用の着信音が流れ溜め息が溢れた。こんなに落胆するメールは他には無い。世でいう迷惑メールである、アダルトサイトからのメールでもチェーンメールでも喜ぶ俺にとって、これ程凹むメールは本当、無い。
憂鬱な気持ちで文面に目を通す。
『十時に俺の部屋来い』
えっ、と思い反射的に時計を見上げる。携帯でも時間はわかるのについ時計を見てしまうのは、携帯で時間を見るという癖がないから。
「九時五十五分・・・!」
此処から土方さんのマンションまで、歩いて十分。走らなきゃ絶対に間に合わない。こんな急に連絡寄越したのはそっちだというのに、待たせたら機嫌をそこねるに決まっている。もしサボったとしてもその次の時に酷い目に合わされるのも。
「どうしたんですか?」
宿題を終えたのかベッドへダイブした山崎が不思議そうに尋ねてくる。例のバイトか?と。山崎にだけは同室のよしみだけあって、何のバイトをしているか教えている。
「十時に来いだって。信じられねぇ」
急いでコートをはおり、手袋と携帯をポケットに入れた。
「今日も帰れねぇと思うんで。じゃ、」
「お休みなさい」
今日はまだ、当分寝れない俺に対する当てつけか、とか思ったけれど戻って殴る時間も惜しい。静かに戸を閉め、廊下を走る。
玄関に近い部屋でよかった。玄関から遠ければ遠い程、危険度が増していく訳で、寮長にばれなくても、他の人に見付かるかもしれないし。その点運は良かったけれど、土方さんに会ったことは、人生最大の不運だ。

夜の街は月灯りと点滅する街灯が照らすだけで、いつもは暗いけれど、今日は足元が白い。
空から舞い落ちる雪が俺の邪魔をしてくる。まして、走っているから咽の痛さも半端じゃない。
それにしても、雪と土方さんの最悪のタッグだ。見た目だけなら両方とも良いけど、触れたら怪我をする・・・とまではいかないけど。
いくら俺の学校の規則が甘くて、バイトOKで夜間外出もあまりとやかく言われないからって流石に援交は犯罪なわけで。こんな日のこんな時間に呼び出すなんて人間性を疑う。

外気に晒されてる鼻も耳も手も・・・全てがかじかんできたところで漸く、この界隈で一番豪華な、土方さん家のあるマンションについた。
既に顔見知りの関係に達してるガードマンに軽く会釈すると、一見自動ドアに見えるオートロックのドアを開けてくれる。顔パス、ってのは何か嬉しいけど、土方さんの弟だと騙してることに気が引ける。
でもしょうがないんだ。もし本当のことを言ったとして、土方さんだけじゃなくて被害者である俺も罰を受けることになってしまう。・・・土方さんは官僚である特権を使って、隠蔽するかもしれないけど。
辿り着いた最上階、玄関の前に立ちピーンポンとチャイムを鳴らす。
ガチャ、と開いたドア、絶対遅れただろうから謝ろうとした。
けれど、それより先に、温もりが俺を包んだ。

突然の出迎えに固まってしまう。

「土方・・・さん?」
「・・・遅ェよ」
不機嫌そうな声にドキリとした体を、そっと抱きすくめられ、室内に入らされる。ドアを閉じた途端濃厚なキスを与えられる。
「んッ・・・。ア、っふ・・・・・・んァ」
冷えていた体が急速に熱を帯びるのが自分でも分かる。
身体中まさぐられて、鼓動が速くなる。それは決して、この人に抱かれたいからとかそういう理由じゃなくて。
人肌恋しい時に触れられたからだ。
「・・・っはァ、」
「総悟・・・」
長いキスが終っても、優しく抱きとめられたままで困惑する。

―――――なんか、おかしい。今日の土方さん。

いつもはこんな事しない。
玄関の鍵はリビングでボタン押せば開くヤツだから、出迎えられたことはないし、俺が部屋についたら直ぐにコトに及ぼうとする人だから。
「お前、体冷たいな」
「・・・こんなこと、俺にしねぇでくだせぇ」
胸に手をつき、体を離そうとするけどムカつくことに逞しい体はびくともせず、逆に“お姫様だっこ”されてしまった。
「・・・っにすんですかィ!!」
「暖めてやんだよ」
ボスッ、と布団の上に落とされ、退路を絶たれる。元から逃げる気なんてこれっぽっちもないけど。
覆い被さろうとする土方さんの体を目一杯押し返すけど、さっきと同じで微動だにしない。
それが、余計に、腹立たしい。
「・・・濡れてるな」
髪を弄んでいた指が雫を潰し、口許にあてられる。触れるか触れないか、微妙な力加減が擽ったい。
「・・・雪、降ってやしたから」
「急がしちまったみてぇだな。こんな雪の中・・・。悪ィ」
「いっ・・・!?」
謝った。土方さんが謝った。
俺様で、いつも平気で真夜中にメール送ってくる、見た目は若くてかっこいいけど中身はただの変態親父の土方さんが。

明日、地球は滅亡するんじゃないか。

「・・・んだよその驚きようは」
「いや、だって、アンタが・・・」
謝るなんて。
何故か熱くなってきた顔を隠そうと、さっとうつ伏せになる。
おかしいだろ、今日のアンタも、こんなことで紅潮してしまう自分も。
“優しさ”とやらに慣れていないから?
親の愛さえ知らずに育っちまったから?
考えたって仕方がないことだ。
「此方見ろよ」
「ヤでさァ」
耳元に感じる吐息にますます頬が熱くなる。
そろそろと布越しに這わされた指に、頭が警報を発する。
このまま、成すがままにされていいのか?と。

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