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梅々

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展望台

試験駄目でした(笑)
平均83点。悲しいね。
まぁいいさ。くじけたけど。東京湾にみ投げしようかと思ったけど。



それでは凹んでるからか、スランプな土沖。さりげなく続き。










抱いて、壊して。
躊躇う事なんか無い。それが俺の願いなのだから。

だから、その優しい指先で早く触れればいい。





氷のように冷たい温もりに抱かれて





さて、どうしたものか。
なんてかっこつけて考えている場合じゃない。落ち着いてるつもりだが、やはり動揺はしてるからこんな気取った風な感じに思考回路がなってるんだろう。それに、これで動揺しなきゃおかしいし。
とにかく、この事態をどうするか、それだけを考えよう。これからのことがかかっているのだから。
そう、これからの関係が。

「土方さん・・・」

自分の上で泣きそうな顔をしている総悟を見上げ、悩む。
こんなにコイツが酔ったのは、初めて酒を呑んだとき以来だ。まぁ、一升瓶四本をほぼ全部一人で呑んでたらこうなるか、普通に。
・・・それだけじゃない気がするけれど。
とりあえず退けと軽く肩を押し、上体を起こすとしがみつくように抱きつかれた。
「っ・・・!?」
「嫌、ですかィ?・・・そう、ですよねィ。男ですもんね・・・。俺が女だったら良かったのに」
「おい、」
何てこと言ってんだ。
もし総悟が女だったら、此処に居ることは無かったかもしれない。剣術は強くても、刀を取られたらただの少女に戻るわけで、真撰組に恨みがある奴らに何されるか分からない。そんな状況にコイツを置けない。置ける訳がない。
今でさえ、俺や近藤さんが見た目だけはいいコイツのことだ、そうなる可能性はあると心配しているのだから。
男だから、こんな近くにコイツはいるわけで。
「・・・変なこと言ってんじゃねぇよ。男だから此処に居んだろ、お前は」
「女でも此処にいやした」
はっきりと言い切ったその理由は近藤さんを守るためだということであって、この今の会話の論点とは多少違う。
酔っ払い相手に筋の通った話をしようと試みる俺が悪いのだが。

首筋や頬、袷から見える胸元が柔く色付いていて妙に色を放っている。朱に染まった目元が、欲を訴える。頬に触れようと腕を伸ばしし、躊躇う。
大事に、それはもう近藤さんのことを言えないぐらいに大事にしてきた。見廻りの時に奢れと言われれば渋々、といった態度をとっていたがそれでも、嫌だった訳ではないし、過度な悪戯をされてもそりゃあ頭にくるが、本気で腹が立った事は一度もない。甘やかしてるということになるがそれはつまり“大事”だからであって、他意なんざ無いと思っていた。
「・・・抱いて、くだせぇよ」
半端な距離にある俺の手を取り、唇で指先を愛撫する。拙い愛撫にこういう経験は無いんだと安堵するとともに熱が生まれる。

手を出してはいけない。

こいつは俺を好きな訳ではないのだから。

「止めろ、総悟」
「嫌でさァ」
総悟は瞼を閉じ唇を薄く開け、指先を啣えた。生暖かい舌に爪先を撫でられ、咽がなる。

我慢を出来る程大人ではない。それが出来るのならマヨか煙草か、どちらかを止めている。体に悪いとは分かっているのだから。

「・・・分かったから、指離せ」
「・・・ん」
ちゅっ、と指を離し、総悟は熱を込めた視線を寄越す。


すまねぇ、近藤さん。

大事に大事にしてきた、それこそ本物の弟のように。それなのに、いつの間にか方向がずれていたらしい。
健全な気持ちは、邪なものになっていた。

傷付けるかもしれない。それでも、もう、止まらない。

「・・・どうなるか分かんねぇからな」
「ひどくしてくれて、いいでさァ」
強く抱き締めると、嬉しそうに総悟は顔を上げ、首の後ろに腕を回してくる。
そっと口付け、何度も角度を変え柔い唇の感触を楽しむ。酸素を求め薄く開いた隙間から舌を差し込む。
「っは・・・ん・・・」
弱々しい表情が欲をそそる。懸命に舌を絡めようとする姿が愛しい。
ザルな人間でも、限界を超える程呑めばこんな風に素直になるのなら、常に酔っていて欲しい。
・・・四六時中色香を振り撒かれては困るけど。
「ふっ・・・ひじかたさ・・・ぁ」
余裕なさそうに、執拗にキスを求め、総悟はそれだけで感じているように小さく喘ぐ。腹部に押し付けられたモノは硬く、酔っているからか、はたまた元からかどちらか分からないが、感じやすいらしく、体を愛撫するたび震える。
焦れったそうに甘く名前を呼ばれ、渋々唇を離した。
素面ならば、言ってはくれないだろう。だが、今の総悟なら。
「どうして欲しい?」
「えっ・・・」
困惑した顔に、つい頬が緩む。首筋から下へ指を這わせていくと切ない吐息を溢し、指先を掴まれた。
「酷くしてくれていいんで・・・はやく・・・」
「・・・分かった」
そっと膝から下ろし、布団を敷こうと立ち上がる。

有り得ないぐらい、心臓がどきどきしている。こんな風に緊張するのは初めての時以来かもしれない。

それ程までに好きなのか。
そんなはずはない。ただ、こいつに面影を重ねているだけだ。
─────残酷な程、似ているから。

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