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梅々

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定位置

マウスパッドの3Z土沖というか沖田はリーサルウエポンだと思うというかリーサルウエポンって何だろう。
まぁ破壊力は巨神兵並な感じであの沖田君。
首筋本当激しいから絶対みなさいと昨日のカラオケの帰り、今日アニメイト行く予定だった子に言いました。金があったら行きたかった。
彼女も被害にあったらしい。
あの首筋を公式に売るなんてと真面目に思う。そんでマウスパッドの土方はジロジロ見んなって感じの顔してるし。

今日羞恥心が学ラン着るんだね。私はいま布団にいるから見れません。





それでは久々のオートマタ!
これがやりたくて書いたんです。














―――――交信中、交信中。そのまま待機せよ。

―――なぁに、総悟君

―――おれは、いつまでここにいればいいんで? 早く、旦那のそばに帰りたい

―――なんで? そこは居心地いいでしょ

―――よくない。だから、早く、旦那

―――迷惑かけたくないんだろ。
それならさ、逸そ多串君と“  ”しちゃえば?





脳内薔薇色症候群





総悟、と語尾にクエスチョンマークをつけて呼ばれ、総悟はハッと瞼を開けた。日は疾うに沈んだらしい、窓から光はさしこまず、部屋の中は真っ暗だった。
昨日神楽に会って、彼女が届けた手紙には外出許可を出す、と記されてあったのだが、いざ行こうと階段を降りようとしてフラリときたのだ。人間で言う目眩、人形ではなんというのかは定かではないが整備不良であろう。
抱き上げられて寝室へと運ばれ、腹部を開いて電子回路だの何だのをいじくり回された。襲いくる何かに従い瞼を閉じれば、目が覚めたのはこんな時間で。途中で、旦那と通信したけれど丸一日意識を飛ばしていたのか、と総悟は残念に思った。
貴重な日々だというのに、勿体ない。

「具合はもう平気か?」

「ぐあい? ああ、なんか変な感じするけど大丈夫でさァ。さんぽしよ、さんぽ」

クイ、と服の袖を掴むと土方は溜め息をついて小さく笑った。
土方の笑い方はいつも少し違う、と総悟はそれを見て思った。その微妙な変化には些細な感情が含まれていることを総悟が知ることは未だ出来ないけれど。
行こう、と差しのべられた手を掴み総悟はベッドから降りる。そのまま促されて階段を降り、玄関にて靴を履く。
衣服やその他日常で必要なものは土方が買い揃えていた。迷惑かもしれない、と心配したがどうやら苦ではないどころか楽しいらしい、沢山の紙袋を手に帰ってきた土方は機嫌が良さそうだった。

「土方さん?」

外に出ず、此方を見たまま何か考え出した土方に首を傾げると着ていたパーカーのフードを被せられる。目立つから、と言って土方は背を向けてドアを開ける。
外の世界を直接見たのは初めてで、思わずうわぁ、と声が出る。此処へ来るときは未だ目覚めていなかったから、見えるもの全てに興味が沸く。
暗い上に、点々とある白いもの。たくさんの家に、知らないものが数えきれない程。
すごいなぁ、と言葉がポロリと溢れだした。

「総悟、早く」

「へい」





とてて、と歩み寄りつつもキョロキョロと辺りを見渡してしまう。そんな総悟の様子が愛らしくて堪らない。
小さな子どものように目をきらきらと輝かせて総悟は、此れは何、在れは何、其れは何と繰り返す。
煩わしいと、ちっとも思わない。寧ろ、沢山の事を教えてやりたいと思う。
弟のようだ、何歳も歳の離れた。弟や妹がいたら自分はこんな気持ちを彼らに抱いたのだろうか。きっと、抱かなかったのだろうと思う。

「あれはー? 土方さん、あれー」

伸ばした人指し指の先を見ると空に浮かんだ雲だった。雲だ、そう言うと高性能な機械は自動的にそのものの名称、形状、そして表記方までもを正確に記録し、雲かぁ、とそんな体内の作動を思わせない口ぶりで総悟は呟いた。
頭の良い、悪いは蓄積したデータを如何に利用出来るかにかかっている。
どんなに高性能な頭脳があっても、コイツには使いこなせないと思う。

「これは? さっきの花とは違いまさァ。ちっせぇ、白いのがめっさついてる」

「梅だ、梅。他にも赤い花とかあって、紅梅白梅って呼ばれたりしてる。・・・俺は梅が花の中で一番好きだ」

「あ~、確かにわかる気がしまさァ。アンタかわいいの好きだもんねィ」

「そういうわけじゃねぇよ」

ニヤニヤ、と機械人形のくせに腹立つ笑い方をしやがって。言いはせずペシンと頭を叩く。硬くないことは疾うに知っている、人間のような皮膚がなんだか悲しい。
何のために坂田は総悟を作ったのか。
いつか知る、とRPGの老人のような科白を残したアイツは何かからの逃亡生活の最中。何も聞けやしない。

「土方さん、なに考えてんで」

「・・・別に」

「嘘ばっか」

ベシ、と頭を叩き返され少しムッとする。コイツは餓鬼なんだ、と分かってはいてもやり返そうと手は動く。それをひらりと避けて、総悟は真顔でひとつひとつの言葉を噛み締めるように言った。

「俺といんの、つらい?」

「・・・辛くねぇよ」

気を使ってはいたのかと。思うより強くとても可哀想に思った。
夜道だ、どうせ誰もいないと総悟を引き寄せて抱き締める。大人しくされるがまま、此方に顔を向ける。
何も感情のない無表情。先程はあんなに、イキイキとした表情をしていたのに。

「迷惑なら、俺は消えやすぜ?」

「・・・そんな心配すんな。人形なんだから」

よしよし、と頭を撫でてやる。
守ってやる、と半強引にだが約束させられたのだ、それを違えることはないし途中で放り出すような真似もしたくはない。
安穏としていて欲しいのだ。何も心配せずに、穏やかな日々を送って欲しい。そう
アンタがそういうのなら。と総悟は腕の中からすり抜けて、また辺りをキョロキョロと見回し始めた。
花を見つめたまま、総悟は明日の天気を言うような口調で呟いた。

「でも、アンタがいなくなったら俺は一人ぼっちになるんですねィ」

「・・・居なくなんかなんねぇよ」

「いつかアンタはいなくなりまさァ。だって、ヒトはいつか死ぬけど俺はしなない。アンタの知り得ない未来を、望まなかろうが俺はひとりで視ることになる」

普段幼稚なくせに何故今はこんなにも冷酷な現実を淡々と言えるのだろう。幼い故の残酷さか?
人間の情緒不安定な状態と機械の情緒不安定では種類が違う、手に負えない。

「ひとりじゃねぇだろ、坂田とかいんじゃねぇか」

「傍に行ったら旦那たちはもっとキケンになりまさァ。俺は、ひとりでいたほうがいいんだから」

冷えてきやしたね、呟いて総悟は道を引き返す。
後について無防備な白魚のような、という枕詞が似合う指を握る。温度はヒトの平熱とさして変わらない。体内装置が働きでもしたのだろうか、逸そ人間のような感覚が無ければ、こんなにも切なくはならないのに。
握った指先は、熱を失うことも高い熱を知らせることもない。それなのに、寒さや暑さを感知できる。

「守ってやるから、俺が死ぬまで。だからそういうこと考えんな」

「・・・嘘ついたらアンタの肉も骨も食いやすよ?」

「エグいな・・・。でも、まぁ俺が死んだら坂田ン所行けよ」

ピタリ、と足を止め、総悟は首を傾げる。
何かまた、屁理屈を並べるのだろうかと辛抱強く言葉を待つ。
今更ながら、大きな目だ。赤い宝石をそのまま埋め込んだような済んだ目を覗き込み、頬をそっと撫でる。

「―――そうなる前に、心中しやしょう? 土方さん」

「―――」

「あれ? そんな変な意味ですかねィ?」

沈黙に更に首を傾げ、総悟は言葉を誤ったかと未だ詰まっていない頭をフル回転させ悩む。
心中、なんて。誰が教えたんだ坂田か、絶対アイツだ間違いない。
それもいいかも、なんて一瞬でも考えた、俺は。

「・・・とりあえず、帰るか。先ずそうしよう。今の話はナシな」

「・・・へい」

無意識で言うからこその威力。
質が悪い、それ以外になんと言えばいいのだ。

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