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梅々

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とりあえずおきたん!

今日は久々に外に出て、この間頑張っていた個人誌を完成させました。ふー。

オールオリジナルの遊廓ネタに電柱擬人化に新選組もの。

そして、咳が悪化したのはホッチキスの所為かな。喉の痛みが不自然です。





それと。ついさっきまでやっていたホロコーストの番組は素晴らしかった。たった50分間で人間の残虐な面とそれを救う優しい面を学ぶことができました。

人を助けるため人を殺す武器を作る。なんたる矛盾。

色々と考えさせられましたが、私は第三者でしかないんですよね。











それでは、漸く始動したおきたん土沖です、続きます。
































大人の階段上る



君はまだ―――――











硝子の少年











朝一で呼び出された。

今日は非番だからゆっくり、なんて思っていたらいつものように、土方さんが起こしに来た。だからムスッとしながら顔を洗っていたら、俺の顔を見た山崎がひぃと青ざめた。文句があんなら言えっつうの馬鹿山崎。くたばれ。

誰か他の人が来たならもう少し爽やかな気分で起きられるだろうにと思い代理人を探す。

山崎だったら、きっと準備運動を兼ねてぼこぼこ。隊長格の奴らはないとして、残るは一番隊。神山が来たならきっと一瞬で眠気が覚めるだろうけれど心地好い朝なんてあいつとじゃあり得ない。おはようからおやすみ通り越しておはようまで見たくない面だ。近藤さんならそれはもう、音速で爽やかに起き上がれるだろうに、流石に多忙なのは知っているから。それに。



「おはよう!」



「おはようごぜぇやす、近藤さん」



局長室に来いと言われていたので身支度を整えて顔を出すと、近藤さんだけでなく予想通りさっき起こしにきた野郎がいた。むっつりとして煙草を吸っている。局長室は禁煙にすればいいのに。

こうして非番なのに呼び出されるということは大事な話なのだろうと、二人の真向かいに正座する。近藤さんの様子からして物騒な話ではないようだろうから、そこまで息を詰めてはいないけれど腹が鳴らないようにはしとかないと。



「で、なんなんですかィ?」



「え? あぁ、そうだな」



近藤さんが口ごもって助けを求めるように土方さんに視線を向ける。

それに一瞥をやって、土方さんは我関せずといった様子で煙草を吸う。いつもとは様子が違って、あれ?と首を傾げた。大体は、近藤さんが困っていたら土方さんが口を開くのに。今日はどうしてもそれをしたくないらしい。



「・・・明日、なんだけど」



「急な話ですね」



「あー、うん。本当そうだよね。で、明日」



「はい」



「・・・見合い、してくれないか」



「はい?」



眉をこれ以上ないという程に下げて、近藤さんは顔の前で手を合わせた。首を傾げたまま思考が固まる。

見合い。

最後に見合いさせられたのはいつか、思考を再起動させてみると一年ぐらい前だった気がする。先方に引かれて、それ以来見合い話なんて来ていなかったのに。

見合いなんてさせられても、俺は結婚なんざする気はない。

だから、見合い話のないことに安心していたのだけれど。



「土方さんにじゃなくて俺なんですかィ?」



「総悟に一目惚れしちまったらしくてよ」



「・・・近藤さんがしろっていうなら、しやすけど。結婚しやせんよ、俺は」



「それでもいいって。ごめんなぁ、総悟」



「近藤さんが謝るこたァありやせんよ」



一目惚れ、というのなら俺の性格については知らないのだろうか。

お世辞にもよいと言えない性格に拍車をかける口の悪さ。土方さんに顔は良いのになァと言わしめた俺を、好きになるなんてないのだろう。だって見合いというのだから相手はお偉方の娘に決まっていて、そんな身分の人が、こんなのを好きになるとは思えない。

ちらりと、視線を向けても土方さんは気付かない。始終視線は背けられたままで、いまどう思っているのかこれっぽっちも知ることができなくて。

どうせなんとも思っていないのだろう、昨日空が白むまで抱いた相手が見合いをすることになっても。



「んじゃあ、俺はこれで」



「あぁちょっと待て総悟」



「なんですかィ?」



「今日、一日早いけどお祝いするから。夕飯には間に合うようにな」



「・・・分かりやした」



ううん?と一瞬思って、そんな風にお祝いってなんの、と思った自分を恥じた。

明日は誕生日だった。

だから近藤さんはより申し訳なさそうだったんだと今更合点。今年は何を貰えるんだろうと、そんなことを考えながら退室する。

昔は誕生日が好きだった。一つ大人になって、一つ近藤さんや姉上に近づける日だったから。生意気な後輩も、誕生日だけは言うこと聞いてくれたし。

今も、変わらず好きだけれど。



「あ、沖田のにーちゃん!」



「よぉ、久しぶりだなァ」



何気無くぼんやりと、町中を歩いていたらわーっと餓鬼数人に囲まれた。煉獄関の事件の後もちょいちょい会っては遊んでいたけれど、久しぶりに見たら皆少しずつ成長していた。子どもの成長は早いというけれど、本当そうだ。なんて、大人の視座に立ってみる。

俺は成長したのだろうか。姉上が他界し伊東さんの事件もあり、色々とあったわけだけれど。俺は何一つ成長できていない、そんな気がする。小さい頃は大人になりたがっていた。今もまだその道中だけれど。

このまま、何も学ばないまま大人になんてなりたくない。



「にーちゃんさぁ、」



「ん?」



「明日誕生日なんでしょ?」



目をきらきらさせて皆が俺を見た。空き箱に座らされて、取り囲まれる。ふふーん、と誇らしげに笑うのを見て、同じことをした経験があると、まだ髪の長かった頃の後輩の顔を思い出す。あの頃は今より刺々しかった。お互いに。

誰から聞いたんで、と問うとお兄ちゃんと同じ服着たおじちゃんと返された。皆年上だからおじちゃんが誰か分からない。

ううん、と悩んでいるとくいくい袖を引かれた。



「だから、プレゼント!」



「へ?」



「皆で祝おうと思って!」



はい、と渡されたのはどっきりまんちょこのスペシャルラメ入りカード。それだけじゃなくて、手作りのお手玉やら、四ツ葉のクローバーやら手渡される。

昔姉上にあげた、プレゼントの数々を思い出す。綺麗な花を見つけては手折って渡して、巾着がほしいと聞けば、指に何度も針を刺しながらも縫ってあげて。姉上はいつも、ありがとうと笑顔で受け取ってくれた。



「・・・ありがとな」



「いつも遊んでくれるから、これくらい当然だよ!」



「いつもありがとう、お兄ちゃん」



「んじゃあお礼に、今日は団子奢ってやらァ」



「ほんと!?」



「やったぁ!」



嬉しそうに子どもたちがはしゃいで、それを見て思った。

俺はもう、子どもじゃないんだなと。

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