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梅々

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空気読まれました。

夕方にこそこそ土沖小説読んでて、シチューはいろんなものが入ってるから体に良い的なことが書いてあってほうほうと思ったら夕食がシチューでした。びっくり。
さっき計ったら七度五分まで熱がさがっていたのでそのテンションでシチュー食べながら「ポティトゥ↑」とか言っていたら腹痛になりました。自重します。



さて、今日の妄想小ネタ、なんこ書けるかな?






アンタは、そう。
誰にだって優しいから。

「・・・あのさぁ、沖田くんなんでそんな暗いわけ? フツーさ、恋人いる身でしょ、君。ノロケとかなら分かるけど暗いのはなぁ」

「旦那は、恋人同士がすることってなんだと思いやすか?」

「デートに、手を繋いだり、抱き締めたり、キスにあーんに、やらしいこととか?」

土方さんに告白して、拒絶されることなく受け入れられて喜んでいた俺が嘘みたい。
だって、土方さんは、俺にキスとかやらしいこととかしてくれるけど、それ以外は何一つとない。確かに、同性だからという柵の所為でもあるのだろう。けれど、愛してるの言葉一つも聞いたことなければ、甘い空気を味わったことすらない。
セフレなのか恋人なのか、分からなくなった。

「・・・なに悩んでるか知らないけどさ、いっちょあいつに、ヤキモチ妬かしてみる?」

「へ?」


というお話で土方がやきもきすればいいよ!





「あ、本当に寝込んでらァ」

「・・・うっせ」

暗い部屋から聞こえた声は力無く、おやまぁこれは鬼の攪乱だと目を丸くした。
朝の会議に姿を見せず、心配した山崎が見に来れば熱に魘されていたという。ざまぁみろ、顔を見たら言う気だった言葉はあまりにも辛そうな恋人の姿に言えなくなった。

「・・・でてけ。うつんぞ」

「ねぇ、土方さん」

「あ?」

「俺が看病したげやしょうか」

横たわる顔の横に手をついて、真上から苦しむ顔を見下ろす。マスクのせいで顔の半分は見れないけれど、寄せられた眉が如何にも辛そうだ。
俺は病人には寛大であるからにして、土方さん相手でも仏心は出る。

「移るって」

「構いやせん」

「失礼しまー・・・。隊長、マスクしなきゃ移りますよ、その人インフルエンザなんですから」

俺の体勢に怪訝な顔をしつつも山崎が投げて寄越したマスクをする。インフルエンザか、なるほど、そりゃ誰一人として見舞いに来ないわけだ。見舞品は廊下に並べてあったけど。

「山崎、このは俺が面倒みっから」

「でも、」

「俺が外で暴れて書類増やすのと大人しくこの人見てんの、どっちが土方のためになる?」

「・・・お願いします」

「よろしい」

山崎の持ってきた桶からタオルを絞って出す俺を見て土方さんが心配そうな顔をしたけど、気付かないふりをすることにした。





「愛してまさァ・・・」

「なにおまえ。いきなり何があった」

「だから、愛してんです、あんたのこと!」

頬を膨らませプイッと他所を向く仕草も、首の後ろに手を回してさっきまでしていたように体をすりつけていた動作も可愛らしい。
が、普段の総悟を嫌と云うほど知っている身からしては、恐ろしくて堪らない。喩えそれが、顔には合った仕草だとしても。

「愛してる、愛してんでさ・・・」

「分かったから、急になんだよ?」

しかも夜中の三時にいきなり部屋に押し掛けて人を起こしてまで言う言葉じゃない。ありがたい、ありがたいが明日の朝の方が素直に受け取れた。いや、もう今日か。

「アンタを殺るのは俺ですから」

「分かってるよ」

「だから誰にも、殺られねぇで・・・」

「・・・夢でも、見たのか」

問うと躊躇うように瞬巡してからこくりと頷いた。
昔から、総悟は悪夢には滅法弱かった。少しでも怖い夢を見れば誰彼無く抱きついて、落ち着くまでそばにいてもらっていた。それは、俺も例外ではなく。一緒に寝てやろうか、言えばこくりと総悟は頷いて、朝までしがみつかれたのは良い思い出だ。

「死なねぇよ。おまえを残して」

「・・・そんなん知ってまさァ」

「一緒に寝てやろうか」

「あんたがそうしたいってぇなら」

仕方ねぇやつ、と口には出しながらも嬉しいので、寝入るまで背を撫でてやろうと思った。
おまえが落ち着くまで。


実は自分が土方を残して死ぬ夢を見たんだけど土方にそれはなんかいえなかった沖田。





整った顔の中で最も存在感があるのは瞳だろう、そう土方は思っている。その色は差し置いて、澄んだ具合に力の強さ。誰をも魅力してしまう、そんな瞳なのだ。
そして、魅力されたのは土方とて変わらず。あどけない表情で眠る沖田は知らぬであろう、土方がどれほど沖田を想っているか。
先に想いを明かしたのは沖田だった。土方はその沖田の言葉をきき、嬉しさのあまり失神するかと思った。実際、熱が少し出た程度だったが。恥ずかしそうに俯き消え入りそうな声で好きなんです、そう言ったときの沖田はとても綺麗で込み上げる嬉しさを隠すのに精一杯だった。
だから未だに、愛しているの言葉もかけてやったことがないし、甘い一時を過ごしたこともない。下手にいちゃついて誰かに露見するのは嫌なのだ。
だから、沖田の体を知り、寝顔を見られる、それだけでいい。
いまは。


これが①に続く模様です。

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