梅々
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カテゴリー「日常」の記事一覧
花の金曜日
久々にバイト5時間入りました。ふぅ。
秘書検定受けてるので勉強しています。
五周年ネタも書いてます。
去年12月に書いた土沖。コピー本にしようと思って挫折したもの。続きます。
「じゃあ行ってきやーす」
「行ってらっしゃい、そうちゃん」
十四郎さんによろしくね、と笑顔で言う姉上にこくりと頷いて、俺は勝手口を出た。見上げてみるとまだ六時前なのに紺色の空で星がきらきら瞬きをしている。点点と雲が浮かんで、まるで夏祭りで食べた綿菓子を千切ったようだ。空に向かってはぁと息を吐くと、雲のように白い吐息が段々と薄れて夜空に溶けていく。そんなことをしていたら冷たい風がひゅうと吹いて、ぶるりと体が震えた。早く家の中へ入りたい。
姉上が手入れしている椿の垣根。家の周りをぐるりと囲むそれは玄関だけじゃなくて、ここ、勝手口の前でも50cmほど途切れている。そこからはお隣さんの勝手口が覗いていて、いつものようにノックをしてから入ると、おばさんが夕飯の支度をしていた。
「こんばんはでさ、おばさん」
「そうちゃんこんばんは。十四郎なら部屋にいるわよ」
にっこりと出迎えてくれたおばさんににっこりと笑ってお礼を言って、着替えセットの入った洗面器を持ったまま階段をかけあがる。お隣の土方さんの部屋は階段を上がった真っ正面にある。俺の部屋の真向かいで、ベランダからベランダへ、飛び移ろうと思えばできる距離だ。ベランダの壁が高くて昇るだけで大分疲れるけれど、大きくなったら楽に乗り越えられるんだろう。それまで、俺と土方さんが仲良しのままかは分からないけれど。
ノックしないで部屋を開ける。土方さんは勉強机に向かっていて、背中しか見えない。
「ひじかたさん」
「あ、そうご」
くるり、振り返った土方さんが俺を見てふっと笑った。土方さんは、こうやって俺を見るとき優しい顔をする。それがとてもうれしくて、好き。俺を見ただけで土方さんは笑顔になるんだから、とても幸せなことだ。
ドアの隙間から覗いていた俺にいつものように土方さんがおいでおいでと手を振る。だからととっ、と歩いて中に入り、土方さんの袖を引く。
「ふろ入りやすぜ」
「あいよ」
「テレビ見たいから早くしてくだせェ」
「ならもっと早く来いよな」
なんて文句を言いながら、土方さんはてきぱきと着替えを出して。一緒に洗面所へ向かって服を脱ぐ。
脱いだ服は適当に畳んで、土方さんのあとに続いて風呂場に入る。土方さん家の風呂場はリフォームしたばかりで、一番風呂でも床も壁も冷たくなくてぽかぽかしている。俺の家の風呂は暖房なんて優れたものはなくて、いつでもひんやりとしているから、入るときは姉上と二人一緒に入る。その方が節約にもなるし、楽しいし暖かいし。でも今日は姉上は風邪気味だから土方さんと。土方さんと入るのも楽しいから好きだ。
「頭洗ってやるよ」
「じゃあ俺もアンタ洗ってあげる」
「おまえ目に指入れてくるからヤだ」
「だって土方さん面白いんだもん」
自分よりも少し上の位置にある目を見てにんまり笑えば、やり返してやるからなと土方さんも笑う。そうしてから横腹に手を伸ばしてきて、こちょこちょとくすぐられる。あまりにくすぐったくて笑いたくないのに笑っちゃって、やり返してやろうと思っても体に力が入らなくて。くすぐってくる手から逃げようとしゃがむと、土方さんもしゃがんできて逃げられない。
「っも、やでさっ」
「どこが? 楽しそうじゃん、お前」
脇の下も擽られてびくんと体が跳ねた。その拍子によろっと体が後ろに倒れて、そのままこけそうになる。
「あっ」
このまま転んだら頭をぶつける。痛さを想像してぎゅっと目を瞑った。でも、それと同時に。ぐい、と腕を引かれて、後ろに倒れるはずだった体が前へ倒れて、おでこが何かに当たった。こてん、と柔らかい感覚に目を開けると、真ん前に土方さんの顔。土方さんの、青みがかった目に自分の顔が映ってる。
頭を包むように撫でられて、やっと床にぶつからないよう抱き締めてくれたんだと分かった。
「ごめん、ふざけすぎた」
「本当でさ」
かみつくみたいに言えば申し訳なさそうに眉を八の字に下げる。それを見てにんまり笑う。俺も一緒にふざけたんだから、そんな気にすることじゃないのに。しかも、ちゃんと土方さんは守ってくれた。ケガだってしてないのに。本当なら、俺がお礼を言うべきなのだ。土方さんは俺に甘い。それが弟扱いみたいで気に食わない。同い年なのに。
「体と頭洗ってくれたら許してやりまさァ」
「……何様だおまえ」
「そうご様ですぜ」
「ふざけんなよ」
言いながら土方さんはシャワーを出して頭にかけてくる。指先が荒々しく動いて、濡れて束になった髪があちこち滴を飛ばす。
土方さんは優しい。優しくて、好きだ。
秘書検定受けてるので勉強しています。
五周年ネタも書いてます。
去年12月に書いた土沖。コピー本にしようと思って挫折したもの。続きます。
「じゃあ行ってきやーす」
「行ってらっしゃい、そうちゃん」
十四郎さんによろしくね、と笑顔で言う姉上にこくりと頷いて、俺は勝手口を出た。見上げてみるとまだ六時前なのに紺色の空で星がきらきら瞬きをしている。点点と雲が浮かんで、まるで夏祭りで食べた綿菓子を千切ったようだ。空に向かってはぁと息を吐くと、雲のように白い吐息が段々と薄れて夜空に溶けていく。そんなことをしていたら冷たい風がひゅうと吹いて、ぶるりと体が震えた。早く家の中へ入りたい。
姉上が手入れしている椿の垣根。家の周りをぐるりと囲むそれは玄関だけじゃなくて、ここ、勝手口の前でも50cmほど途切れている。そこからはお隣さんの勝手口が覗いていて、いつものようにノックをしてから入ると、おばさんが夕飯の支度をしていた。
「こんばんはでさ、おばさん」
「そうちゃんこんばんは。十四郎なら部屋にいるわよ」
にっこりと出迎えてくれたおばさんににっこりと笑ってお礼を言って、着替えセットの入った洗面器を持ったまま階段をかけあがる。お隣の土方さんの部屋は階段を上がった真っ正面にある。俺の部屋の真向かいで、ベランダからベランダへ、飛び移ろうと思えばできる距離だ。ベランダの壁が高くて昇るだけで大分疲れるけれど、大きくなったら楽に乗り越えられるんだろう。それまで、俺と土方さんが仲良しのままかは分からないけれど。
ノックしないで部屋を開ける。土方さんは勉強机に向かっていて、背中しか見えない。
「ひじかたさん」
「あ、そうご」
くるり、振り返った土方さんが俺を見てふっと笑った。土方さんは、こうやって俺を見るとき優しい顔をする。それがとてもうれしくて、好き。俺を見ただけで土方さんは笑顔になるんだから、とても幸せなことだ。
ドアの隙間から覗いていた俺にいつものように土方さんがおいでおいでと手を振る。だからととっ、と歩いて中に入り、土方さんの袖を引く。
「ふろ入りやすぜ」
「あいよ」
「テレビ見たいから早くしてくだせェ」
「ならもっと早く来いよな」
なんて文句を言いながら、土方さんはてきぱきと着替えを出して。一緒に洗面所へ向かって服を脱ぐ。
脱いだ服は適当に畳んで、土方さんのあとに続いて風呂場に入る。土方さん家の風呂場はリフォームしたばかりで、一番風呂でも床も壁も冷たくなくてぽかぽかしている。俺の家の風呂は暖房なんて優れたものはなくて、いつでもひんやりとしているから、入るときは姉上と二人一緒に入る。その方が節約にもなるし、楽しいし暖かいし。でも今日は姉上は風邪気味だから土方さんと。土方さんと入るのも楽しいから好きだ。
「頭洗ってやるよ」
「じゃあ俺もアンタ洗ってあげる」
「おまえ目に指入れてくるからヤだ」
「だって土方さん面白いんだもん」
自分よりも少し上の位置にある目を見てにんまり笑えば、やり返してやるからなと土方さんも笑う。そうしてから横腹に手を伸ばしてきて、こちょこちょとくすぐられる。あまりにくすぐったくて笑いたくないのに笑っちゃって、やり返してやろうと思っても体に力が入らなくて。くすぐってくる手から逃げようとしゃがむと、土方さんもしゃがんできて逃げられない。
「っも、やでさっ」
「どこが? 楽しそうじゃん、お前」
脇の下も擽られてびくんと体が跳ねた。その拍子によろっと体が後ろに倒れて、そのままこけそうになる。
「あっ」
このまま転んだら頭をぶつける。痛さを想像してぎゅっと目を瞑った。でも、それと同時に。ぐい、と腕を引かれて、後ろに倒れるはずだった体が前へ倒れて、おでこが何かに当たった。こてん、と柔らかい感覚に目を開けると、真ん前に土方さんの顔。土方さんの、青みがかった目に自分の顔が映ってる。
頭を包むように撫でられて、やっと床にぶつからないよう抱き締めてくれたんだと分かった。
「ごめん、ふざけすぎた」
「本当でさ」
かみつくみたいに言えば申し訳なさそうに眉を八の字に下げる。それを見てにんまり笑う。俺も一緒にふざけたんだから、そんな気にすることじゃないのに。しかも、ちゃんと土方さんは守ってくれた。ケガだってしてないのに。本当なら、俺がお礼を言うべきなのだ。土方さんは俺に甘い。それが弟扱いみたいで気に食わない。同い年なのに。
「体と頭洗ってくれたら許してやりまさァ」
「……何様だおまえ」
「そうご様ですぜ」
「ふざけんなよ」
言いながら土方さんはシャワーを出して頭にかけてくる。指先が荒々しく動いて、濡れて束になった髪があちこち滴を飛ばす。
土方さんは優しい。優しくて、好きだ。
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ゆべし事件
金さん下衆いイケメンすぎてウルトラソウル!
たまかわいい。あのチャイナ服のスリットから覗くおみあしがたまらなかったです。ガーターストッキングというかあみたいつ。素晴らしい。あと銀時様!のいいかたね。
ひとりぼっちな銀さんの哀愁がたまらなかったです。寝盗られネタもっとみんなかきましょうよ。
金さん×たまもいい。カプ名ひどい。
その放送から遡ること二時間。
帰宅した私を待ち受けてい現実。
おやつに食べようと思っていた私の分のゆべしが親に食われていた。
賞味期限切れたから、じゃないでしょ。事前告知するでしょ!ありえない!
しかも!数年前にも一度私の分のゆべしが母に食べられまして。そのときは「いらないかと思って食べちゃった★」でしたふざけるなあああああゆべし食わせろぉぉぉぉぉ!
自分の悪行を棚にあげ私のやることにいちいちいちゃもんつけるのでいやになります。一日中寝てるような人に、ねぇ。
去年11月に書いて放置な銀沖。ぶつぎりです。
手放しかけた意識が、優しく名前を呼ばれただけで確かなものになった。閉じていた瞼を開くと、まだ余韻の残る表情をした旦那がいる。優しく頬を撫でる旦那の掌に自分のを重ねて浅く息を吐いた。
旦那の与えてくれる絶頂はいつも激しくて、こわれちまうんじゃないかと怖くなるぐらいだ。でもそれが病みつきになって、浅ましくも強請るようになった。うまい具合にしつけられている。
下からじっと見つめてくる旦那の視線に、体が反応してひくりと小さく震える。同時に後孔を締め付けてしまって、体内を貫いたままある旦那のが、とくりと脈を打った。
「……旦那」
「ん?」
「続き、いいですかィ?」
「いいよ、沖田くん」
そう言って笑う顔はいつも通りやる気がないのに。頬から離れ腰を撫でる手付きはねっとりと、熱を煽る。
暖房のついていない部屋で布団も薄いのにおれらは汗ばんでいた。
たまかわいい。あのチャイナ服のスリットから覗くおみあしがたまらなかったです。ガーターストッキングというかあみたいつ。素晴らしい。あと銀時様!のいいかたね。
ひとりぼっちな銀さんの哀愁がたまらなかったです。寝盗られネタもっとみんなかきましょうよ。
金さん×たまもいい。カプ名ひどい。
その放送から遡ること二時間。
帰宅した私を待ち受けてい現実。
おやつに食べようと思っていた私の分のゆべしが親に食われていた。
賞味期限切れたから、じゃないでしょ。事前告知するでしょ!ありえない!
しかも!数年前にも一度私の分のゆべしが母に食べられまして。そのときは「いらないかと思って食べちゃった★」でしたふざけるなあああああゆべし食わせろぉぉぉぉぉ!
自分の悪行を棚にあげ私のやることにいちいちいちゃもんつけるのでいやになります。一日中寝てるような人に、ねぇ。
去年11月に書いて放置な銀沖。ぶつぎりです。
手放しかけた意識が、優しく名前を呼ばれただけで確かなものになった。閉じていた瞼を開くと、まだ余韻の残る表情をした旦那がいる。優しく頬を撫でる旦那の掌に自分のを重ねて浅く息を吐いた。
旦那の与えてくれる絶頂はいつも激しくて、こわれちまうんじゃないかと怖くなるぐらいだ。でもそれが病みつきになって、浅ましくも強請るようになった。うまい具合にしつけられている。
下からじっと見つめてくる旦那の視線に、体が反応してひくりと小さく震える。同時に後孔を締め付けてしまって、体内を貫いたままある旦那のが、とくりと脈を打った。
「……旦那」
「ん?」
「続き、いいですかィ?」
「いいよ、沖田くん」
そう言って笑う顔はいつも通りやる気がないのに。頬から離れ腰を撫でる手付きはねっとりと、熱を煽る。
暖房のついていない部屋で布団も薄いのにおれらは汗ばんでいた。
ひめはじめでできたのかな
銀さんハピバ!
今日友人が銀沖はよく知らんが不倫っぽいっていわれてよくわかってる!となりました。
銀さんの本命はお登勢さんか新八かな。新刊ごちそうさまでした。
いつでも土方と沖田はいちゃつきますね。近藤さんは愛に生きますね。
ミツバ編思い出した。土方が毛玉を捨てられなかったのは身近にチンピラチワワがいるからか。
日本の名曲スペシャルよかった。
天城越えは土沖。
では銀沖こねた背後注意。
会いたいな、なんて気まぐれの言葉にほいほい俺は屯所を抜け出して、旦那の待つホテルへ向かった。それからゆうに一時間は経っている。一時間、なにしてたかなんて愚問だ。
「旦那は穴がありゃ何でもいいんですかィ?」
「そんなわけねぇだろ。蒟蒻よかやっぱり美人のねーちゃんの穴のがいいだろ。それも名器ね、名器。男の穴とかやだよ」
「じゃあなんで俺の穴に突っ込んでんの」
「それは性別なんてどうでもいいぐらい総悟君のが名器だからだよ」
「ふ、あ、っ!」
ずん、と中にあったものが動いて情けない声が漏れた。
それを聞いてふふっと笑いながら、ますます旦那は腰を動かしきもちいいところに当ててくる。
条件反射のように声が漏れる。どうも好きになれなくて手の甲を唇に押し付けるけれどやっぱり殺せない。
「は、あ、あっ、ああ、」
「目うるうるさせちゃって」
「ひ、あ、っそこやでさ……!」
「かわいいなぁ」
瞳を剣呑に光らせながら旦那は笑って、腰骨を掴んでずぼずぼと律動を激しくする。
目の前がくらっくらする突き上げに、たしか五回目の精を放つ。その最中もいやらしい音をさせながら旦那は揺さぶってきて、断続的に性器の先からぽたぽたと精液が垂れる。
「いくの早いなぁ」
「旦那が遅すぎるんです」
「そりゃ我慢してるからね。総悟君が中に出してって言うまでイってやんねー」
「いや、意味わかんないですぜ」
旦那は俺にたくさん要求するくせに、俺の望みは叶えてくれない。
好きだなんて、いってくれない。きっと思ってもいない。
だから、少しでも好かれたい俺は言うことをきいてしまう。
「……誕生日祝いでさ、好きにしてくだせぇ。そんで、中にいっぱいかけて」
「いやらしいな」
詰る言葉にすら感じるぐらいアンタにしつけられたのに。
いつになったらアンタのものになれるの。
今日友人が銀沖はよく知らんが不倫っぽいっていわれてよくわかってる!となりました。
銀さんの本命はお登勢さんか新八かな。新刊ごちそうさまでした。
いつでも土方と沖田はいちゃつきますね。近藤さんは愛に生きますね。
ミツバ編思い出した。土方が毛玉を捨てられなかったのは身近にチンピラチワワがいるからか。
日本の名曲スペシャルよかった。
天城越えは土沖。
では銀沖こねた背後注意。
会いたいな、なんて気まぐれの言葉にほいほい俺は屯所を抜け出して、旦那の待つホテルへ向かった。それからゆうに一時間は経っている。一時間、なにしてたかなんて愚問だ。
「旦那は穴がありゃ何でもいいんですかィ?」
「そんなわけねぇだろ。蒟蒻よかやっぱり美人のねーちゃんの穴のがいいだろ。それも名器ね、名器。男の穴とかやだよ」
「じゃあなんで俺の穴に突っ込んでんの」
「それは性別なんてどうでもいいぐらい総悟君のが名器だからだよ」
「ふ、あ、っ!」
ずん、と中にあったものが動いて情けない声が漏れた。
それを聞いてふふっと笑いながら、ますます旦那は腰を動かしきもちいいところに当ててくる。
条件反射のように声が漏れる。どうも好きになれなくて手の甲を唇に押し付けるけれどやっぱり殺せない。
「は、あ、あっ、ああ、」
「目うるうるさせちゃって」
「ひ、あ、っそこやでさ……!」
「かわいいなぁ」
瞳を剣呑に光らせながら旦那は笑って、腰骨を掴んでずぼずぼと律動を激しくする。
目の前がくらっくらする突き上げに、たしか五回目の精を放つ。その最中もいやらしい音をさせながら旦那は揺さぶってきて、断続的に性器の先からぽたぽたと精液が垂れる。
「いくの早いなぁ」
「旦那が遅すぎるんです」
「そりゃ我慢してるからね。総悟君が中に出してって言うまでイってやんねー」
「いや、意味わかんないですぜ」
旦那は俺にたくさん要求するくせに、俺の望みは叶えてくれない。
好きだなんて、いってくれない。きっと思ってもいない。
だから、少しでも好かれたい俺は言うことをきいてしまう。
「……誕生日祝いでさ、好きにしてくだせぇ。そんで、中にいっぱいかけて」
「いやらしいな」
詰る言葉にすら感じるぐらいアンタにしつけられたのに。
いつになったらアンタのものになれるの。
おわった
五連勤終わった!
明日は漫研で原稿やります。
あとスパークでの思い出が、全部一冊ずつください、リバ色強いのください、あとは買い物行ったら買いに来てくださった方だったとか、そごたんでのぶたすなさってましたよね!と買い物行ったらお声かけられたりとか。
嬉しい。
ではペーパーにしようとして頓挫したもの。土方と沖田。
武州にいた頃は、彼岸になると姉上と両親の墓へ行っていた。姉上とともに作ったおはぎを持ち、畦道を抜けて。幼い内は手を繋いで歩いていた道も、背が伸びれば隣に並ぶようになって。俺が一人でお参りした年もあったし反対に、姉上が一人でお参りした年もあった。最近はずっと、姉上一人だったけれど。
その道中、彼岸花が群生している場所があった。復路では必ず二人並んで腰かけて、おはぎを食べて帰った場所。
『葉見ず花見ずって言うの。葉と花が同時にあることはなくて』
触れるとかぶれるからと触らせてもらったことのない、真っ赤な花。綺麗だと、眺めていたのを覚えてる。
「おい」
心地好く、眠りの海の中に声が響く。その声に絡め取られるようにふわふわ浮上していく。
アイマスクを外しつつ一度力を込めてからゆっくり瞼を開くと、秋晴れの空を背に、天地が逆になった土方さんの顔があった。覗き込まれているのだと分かって、ぱちくりと瞬きをしながら目を擦る。
「擦んな、傷つくだろ」
「……んな、女じゃあるまいし」
そっと手を包まれてやんわり制止される。土方さんの手付きが優しくて、本当に女相手のような扱いに眉が寄る。不快だ。
せっかくいい夢を見ていたのにと手を振り払いながら起き上がる。すると一面に咲く彼岸花が目に入った。
そうだ、河原沿いの土手、いつも歩くところより先へ足を伸ばしてみたら此処を見つけて。懐かしさに腰を下ろして、気付いたら寝入っていたのだった。
葉見ず花見ず、確か姉上はそう言っていた。ひとつであるからこそ相手が見られない。
では別のものなのに相手を見ようとしない俺らは、なんなのか。
「今年は咲くの遅かったんだな」
「へぇ。彼岸に墓参り行ったでしょう。あそこの畦道にもこの花あるんでさァ。いま行きゃ咲いてんですかね」
親の顔は覚えてなくて、想像しようとすると墓石になってしまう。その墓の中に、姉上も入っちまって。再会できたのかとぼんやり詮無いことを考える。
俺もあそこに入れるのだろうか。
ぽつり、浮かんだ疑問は声に漏れていたらしい。怪訝な顔をされて気付いた。
「珍しいな」
「別にただふと思っただけなんで。気にしないでくだせェ」
「……総悟」
ふい、と反らしたばかりの顔を土方さんに向ければそつなく顎を掴まれた。そのまま慣れたように唇を寄せてくるけれど、俺はそんな気分にはなれなくて、間に手を挟めば掌に口付けられる。
「おい」
「間抜け面ですぜ」
この人が俺と寝るのは俺を哀れんでいるからだ。だから慰めるようなキスをする。それが気に食わない。俺は慰めてほしいから土方さんと寝るわけではないのに。
アンタが好きだ。
受け止められないだろうから言うつもりはないが、何度も、心の中では告げた。
それも知らないで子ども扱いしながらも俺にこういうことをする、土方さんが腹立たしい。情が湧けば誰でもいいのかと詰りたくなる。根っからの遊び人なのは知っているけれど。いっそ、他の誰も抱けないように、俺だけのものにしたくなる。
もう一回監禁してしまおうか。首輪をつけて、短い間だけでも、俺だけを意識させて。今度こそ見限られるかもしれないけれど。
「総悟」
迎えに来たくせに何で急いてないのか。思いながらゆっくりと振り返る。
優しい顔をしていた。
「ミツバと同じ墓には入れねぇよ、おまえは」
「なんででさァ」
「俺とおまえと近藤さんは、墓まで一緒だろ」
言ってぽんと、頭の上に手を置かれる。
仲間として、ずっと傍にいられる。それは幸せなことだけれど。
ちゃんと見て、気づいてよ。俺の気持ちに。
明日は漫研で原稿やります。
あとスパークでの思い出が、全部一冊ずつください、リバ色強いのください、あとは買い物行ったら買いに来てくださった方だったとか、そごたんでのぶたすなさってましたよね!と買い物行ったらお声かけられたりとか。
嬉しい。
ではペーパーにしようとして頓挫したもの。土方と沖田。
武州にいた頃は、彼岸になると姉上と両親の墓へ行っていた。姉上とともに作ったおはぎを持ち、畦道を抜けて。幼い内は手を繋いで歩いていた道も、背が伸びれば隣に並ぶようになって。俺が一人でお参りした年もあったし反対に、姉上が一人でお参りした年もあった。最近はずっと、姉上一人だったけれど。
その道中、彼岸花が群生している場所があった。復路では必ず二人並んで腰かけて、おはぎを食べて帰った場所。
『葉見ず花見ずって言うの。葉と花が同時にあることはなくて』
触れるとかぶれるからと触らせてもらったことのない、真っ赤な花。綺麗だと、眺めていたのを覚えてる。
「おい」
心地好く、眠りの海の中に声が響く。その声に絡め取られるようにふわふわ浮上していく。
アイマスクを外しつつ一度力を込めてからゆっくり瞼を開くと、秋晴れの空を背に、天地が逆になった土方さんの顔があった。覗き込まれているのだと分かって、ぱちくりと瞬きをしながら目を擦る。
「擦んな、傷つくだろ」
「……んな、女じゃあるまいし」
そっと手を包まれてやんわり制止される。土方さんの手付きが優しくて、本当に女相手のような扱いに眉が寄る。不快だ。
せっかくいい夢を見ていたのにと手を振り払いながら起き上がる。すると一面に咲く彼岸花が目に入った。
そうだ、河原沿いの土手、いつも歩くところより先へ足を伸ばしてみたら此処を見つけて。懐かしさに腰を下ろして、気付いたら寝入っていたのだった。
葉見ず花見ず、確か姉上はそう言っていた。ひとつであるからこそ相手が見られない。
では別のものなのに相手を見ようとしない俺らは、なんなのか。
「今年は咲くの遅かったんだな」
「へぇ。彼岸に墓参り行ったでしょう。あそこの畦道にもこの花あるんでさァ。いま行きゃ咲いてんですかね」
親の顔は覚えてなくて、想像しようとすると墓石になってしまう。その墓の中に、姉上も入っちまって。再会できたのかとぼんやり詮無いことを考える。
俺もあそこに入れるのだろうか。
ぽつり、浮かんだ疑問は声に漏れていたらしい。怪訝な顔をされて気付いた。
「珍しいな」
「別にただふと思っただけなんで。気にしないでくだせェ」
「……総悟」
ふい、と反らしたばかりの顔を土方さんに向ければそつなく顎を掴まれた。そのまま慣れたように唇を寄せてくるけれど、俺はそんな気分にはなれなくて、間に手を挟めば掌に口付けられる。
「おい」
「間抜け面ですぜ」
この人が俺と寝るのは俺を哀れんでいるからだ。だから慰めるようなキスをする。それが気に食わない。俺は慰めてほしいから土方さんと寝るわけではないのに。
アンタが好きだ。
受け止められないだろうから言うつもりはないが、何度も、心の中では告げた。
それも知らないで子ども扱いしながらも俺にこういうことをする、土方さんが腹立たしい。情が湧けば誰でもいいのかと詰りたくなる。根っからの遊び人なのは知っているけれど。いっそ、他の誰も抱けないように、俺だけのものにしたくなる。
もう一回監禁してしまおうか。首輪をつけて、短い間だけでも、俺だけを意識させて。今度こそ見限られるかもしれないけれど。
「総悟」
迎えに来たくせに何で急いてないのか。思いながらゆっくりと振り返る。
優しい顔をしていた。
「ミツバと同じ墓には入れねぇよ、おまえは」
「なんででさァ」
「俺とおまえと近藤さんは、墓まで一緒だろ」
言ってぽんと、頭の上に手を置かれる。
仲間として、ずっと傍にいられる。それは幸せなことだけれど。
ちゃんと見て、気づいてよ。俺の気持ちに。
はらへった
拍手ありがとうございます。
まだ戦利品読めてないです。授業殆どうとうとしたのでちょっと自己嫌悪。
でもちゃんと1~4限もバイトもこなしました。休日ダイヤなの失念しましたが、電車ガラガラで。
あと朝からろくに食べてなくて死にそうです。お昼お弁当ご飯ちゃんとつめなかったからなぁ。
では、ペーパーにしようかと血迷った大奥パロ。
流行り病
彼岸花がそこかしこに咲く、若干荒れた墓地を眺めながら紫煙を燻らせる。秋晴れの空を漂う煙は大してうまかないが、こう手持ち無沙汰とき、なんとなく時間を潰せるのが良い。何だかんだ、吸っていると落ち着きもする。
ぶらぶら歩くか、久々に総悟のところへでも行くかと、ふぅと煙を吹くと同時にジャリ、と背後から音がした。墓参りかと、振り返り見れば会いに行こうかと思っていた男の姿。
何故此処に、と息が詰まった。
「あぁ、いた」
「総悟」
珍しい色の髪を陽が照らし、きらきらと光を放ち眩しい。久々に姿を見たが相変わらずのようだ。姉と揃って色素が薄い。見た目だけは作り物のようだ。
武家の者だからかいつでも袴に足袋を身に付けている。性格的にはだらしがないが格好は、いつでもきちんとしている。姉の教えか。
「昨日近藤さんが来たんでさ。アンタのこと探してやしたぜ」
「……なんでお前、ここが分かったんだよ」
「そりゃあそこらの姉さん方に訊きゃ、種馬の居場所ぐらい分かるでしょうよ」
ふんと鼻で笑いながら総悟は左手を刀に置いた。
俺にないもの。俺が得られないもの。それを総悟は持っている。今でも妬ましくは思うが、昔ほどではなくて。女に比べ男の数が極端に少ない今、旗本といえど跡取りはほぼ女だ。総悟のところは、姉が病弱であるため、その婿が継いでいるが。
刀を提げたところでなにもすることはないのだ。その上病を貰わぬようにと、あまり町を歩かせてもらえないらしい。故に剣術の稽古ばかりしていたから勿体無いほどに腕がたつ。乱世ならば城の主にでもなれたろうに。
「……ミツバは元気か」
「元気でさァ。旦那さんのお勤め手伝うんだなんて言って張り切ってやすぜ」
「そうか」
瞼の裏に、総悟以上に会えていない彼女の姿が浮かぶ。線の細く華奢な、女。その儚げな容姿に反して意外と強情で、一度決めたことは覆さない。
お大尽、などと言われても所詮は百姓だ。身分を考えれば、叶うものではないと赤子でも分かる。
分かるというのに。
「アンタと姉上が結婚すりゃ良かったのになァ」
と残念そうに総悟は言うものだから何も言葉を返せない。できることなら、と思った時期もあった。しかし今は。
木枯らしが吹きカサカサと枯れ葉が舞った。さらさらと栗色の髪が風に弄ばれる。
叶わないことと知っていても声に出してしまうぐらいの可愛いげはあったのかと思うべきか。冗談じみた口調で無理難題をつきつけてくるくせに、今日は歌うようにさらりと言ったことにやりきれない気持ちを抱くべきか。詮無いことだというのに。
結局話題を変えるしか術はなかった。
「明日辺り、近藤さんところへ行く」
幸い俺はまだ疱瘡にはかかっていない。総悟も、近藤さんも。だがいつ罹患するか分からない。今日が今生の別れになる可能性もあるのだ。
目前にある白く滑らかな肌。それが病にかかる前に、触れてみたい。俺で汚したい。ずっと、そう思っていた。
「そうしてくだせェ。多分道場に帰ってこいって泣きついてきやすぜ」
足元にあった石ころを蹴飛ばしながらにやにやと総悟は笑う。全面的に餓鬼くさい仕草だと呆れていれば、本題を忘れるところでしたとぽんと手を叩く。
「なんだよ本題って」
「俺、家出ることにしたんでさ」
「それで、どこに行くんだ」
「……大奥に」
ふ、と笑う総悟の顔は言葉とはそぐわないまでに無邪気だった。それだけではない。こんな笑顔を向けられるのは初めてのことだ。大概は姉であるミツバや、幼い頃から彼が慕っている近藤さんへ向けられるもので、俺にそれが向けられたことなど今まで一度たりとも。
「別に、そんなところ行かなくてもいいだろう」
「今まで俺を売らずに育ててくれた姉上に恩返ししてぇんでさ。次男坊なんざいても邪魔だろィ。給金も出るってんだ、それで姉上の病が良くなるなら」
自分はどうなってもいいと、告げる顔が清々しくて腹が立つ。
俺は。俺のことはどうでもいいのか。滅多なことじゃ戻って来れねぇんだぞ。会えなくなるんだぞ。いいのかよ。
「……止してやれよ。おまえに会えねぇなんてミツバが悲しむだろ」
「でももう決めやした。姉上も、許してくれやしたし」
頑固なところもこの姉弟は似ているのだと思い出して顔をしかめる。近藤さんならなんとか言いくるめられるはずだ。だが、昨日近藤さんはその話を聞いて飛んでったのだろう。それじゃあもう誰にも止められやしない。
俺には行くななどと、言えない。
「……ねぇ土方さん」
「ん?」
「姉さんどもに引っ張りだこなアンタのヤり方、教えてくだせぇよ。俺もそういうことしなきゃいけねぇし」
いとけなく笑う、その顔に劣情を抱いた。冗談だろと返すこともできず、腕を掴んで抱き締めた。
将軍だろうと誰だろうと、コイツが誰かのものになるのなら。
「教えてやろうか」
囁いて、瞳を見開き顔をあげたその唇に噛みついた。
まだ戦利品読めてないです。授業殆どうとうとしたのでちょっと自己嫌悪。
でもちゃんと1~4限もバイトもこなしました。休日ダイヤなの失念しましたが、電車ガラガラで。
あと朝からろくに食べてなくて死にそうです。お昼お弁当ご飯ちゃんとつめなかったからなぁ。
では、ペーパーにしようかと血迷った大奥パロ。
流行り病
彼岸花がそこかしこに咲く、若干荒れた墓地を眺めながら紫煙を燻らせる。秋晴れの空を漂う煙は大してうまかないが、こう手持ち無沙汰とき、なんとなく時間を潰せるのが良い。何だかんだ、吸っていると落ち着きもする。
ぶらぶら歩くか、久々に総悟のところへでも行くかと、ふぅと煙を吹くと同時にジャリ、と背後から音がした。墓参りかと、振り返り見れば会いに行こうかと思っていた男の姿。
何故此処に、と息が詰まった。
「あぁ、いた」
「総悟」
珍しい色の髪を陽が照らし、きらきらと光を放ち眩しい。久々に姿を見たが相変わらずのようだ。姉と揃って色素が薄い。見た目だけは作り物のようだ。
武家の者だからかいつでも袴に足袋を身に付けている。性格的にはだらしがないが格好は、いつでもきちんとしている。姉の教えか。
「昨日近藤さんが来たんでさ。アンタのこと探してやしたぜ」
「……なんでお前、ここが分かったんだよ」
「そりゃあそこらの姉さん方に訊きゃ、種馬の居場所ぐらい分かるでしょうよ」
ふんと鼻で笑いながら総悟は左手を刀に置いた。
俺にないもの。俺が得られないもの。それを総悟は持っている。今でも妬ましくは思うが、昔ほどではなくて。女に比べ男の数が極端に少ない今、旗本といえど跡取りはほぼ女だ。総悟のところは、姉が病弱であるため、その婿が継いでいるが。
刀を提げたところでなにもすることはないのだ。その上病を貰わぬようにと、あまり町を歩かせてもらえないらしい。故に剣術の稽古ばかりしていたから勿体無いほどに腕がたつ。乱世ならば城の主にでもなれたろうに。
「……ミツバは元気か」
「元気でさァ。旦那さんのお勤め手伝うんだなんて言って張り切ってやすぜ」
「そうか」
瞼の裏に、総悟以上に会えていない彼女の姿が浮かぶ。線の細く華奢な、女。その儚げな容姿に反して意外と強情で、一度決めたことは覆さない。
お大尽、などと言われても所詮は百姓だ。身分を考えれば、叶うものではないと赤子でも分かる。
分かるというのに。
「アンタと姉上が結婚すりゃ良かったのになァ」
と残念そうに総悟は言うものだから何も言葉を返せない。できることなら、と思った時期もあった。しかし今は。
木枯らしが吹きカサカサと枯れ葉が舞った。さらさらと栗色の髪が風に弄ばれる。
叶わないことと知っていても声に出してしまうぐらいの可愛いげはあったのかと思うべきか。冗談じみた口調で無理難題をつきつけてくるくせに、今日は歌うようにさらりと言ったことにやりきれない気持ちを抱くべきか。詮無いことだというのに。
結局話題を変えるしか術はなかった。
「明日辺り、近藤さんところへ行く」
幸い俺はまだ疱瘡にはかかっていない。総悟も、近藤さんも。だがいつ罹患するか分からない。今日が今生の別れになる可能性もあるのだ。
目前にある白く滑らかな肌。それが病にかかる前に、触れてみたい。俺で汚したい。ずっと、そう思っていた。
「そうしてくだせェ。多分道場に帰ってこいって泣きついてきやすぜ」
足元にあった石ころを蹴飛ばしながらにやにやと総悟は笑う。全面的に餓鬼くさい仕草だと呆れていれば、本題を忘れるところでしたとぽんと手を叩く。
「なんだよ本題って」
「俺、家出ることにしたんでさ」
「それで、どこに行くんだ」
「……大奥に」
ふ、と笑う総悟の顔は言葉とはそぐわないまでに無邪気だった。それだけではない。こんな笑顔を向けられるのは初めてのことだ。大概は姉であるミツバや、幼い頃から彼が慕っている近藤さんへ向けられるもので、俺にそれが向けられたことなど今まで一度たりとも。
「別に、そんなところ行かなくてもいいだろう」
「今まで俺を売らずに育ててくれた姉上に恩返ししてぇんでさ。次男坊なんざいても邪魔だろィ。給金も出るってんだ、それで姉上の病が良くなるなら」
自分はどうなってもいいと、告げる顔が清々しくて腹が立つ。
俺は。俺のことはどうでもいいのか。滅多なことじゃ戻って来れねぇんだぞ。会えなくなるんだぞ。いいのかよ。
「……止してやれよ。おまえに会えねぇなんてミツバが悲しむだろ」
「でももう決めやした。姉上も、許してくれやしたし」
頑固なところもこの姉弟は似ているのだと思い出して顔をしかめる。近藤さんならなんとか言いくるめられるはずだ。だが、昨日近藤さんはその話を聞いて飛んでったのだろう。それじゃあもう誰にも止められやしない。
俺には行くななどと、言えない。
「……ねぇ土方さん」
「ん?」
「姉さんどもに引っ張りだこなアンタのヤり方、教えてくだせぇよ。俺もそういうことしなきゃいけねぇし」
いとけなく笑う、その顔に劣情を抱いた。冗談だろと返すこともできず、腕を掴んで抱き締めた。
将軍だろうと誰だろうと、コイツが誰かのものになるのなら。
「教えてやろうか」
囁いて、瞳を見開き顔をあげたその唇に噛みついた。