梅々
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はらへった
拍手ありがとうございます。
まだ戦利品読めてないです。授業殆どうとうとしたのでちょっと自己嫌悪。
でもちゃんと1~4限もバイトもこなしました。休日ダイヤなの失念しましたが、電車ガラガラで。
あと朝からろくに食べてなくて死にそうです。お昼お弁当ご飯ちゃんとつめなかったからなぁ。
では、ペーパーにしようかと血迷った大奥パロ。
流行り病
彼岸花がそこかしこに咲く、若干荒れた墓地を眺めながら紫煙を燻らせる。秋晴れの空を漂う煙は大してうまかないが、こう手持ち無沙汰とき、なんとなく時間を潰せるのが良い。何だかんだ、吸っていると落ち着きもする。
ぶらぶら歩くか、久々に総悟のところへでも行くかと、ふぅと煙を吹くと同時にジャリ、と背後から音がした。墓参りかと、振り返り見れば会いに行こうかと思っていた男の姿。
何故此処に、と息が詰まった。
「あぁ、いた」
「総悟」
珍しい色の髪を陽が照らし、きらきらと光を放ち眩しい。久々に姿を見たが相変わらずのようだ。姉と揃って色素が薄い。見た目だけは作り物のようだ。
武家の者だからかいつでも袴に足袋を身に付けている。性格的にはだらしがないが格好は、いつでもきちんとしている。姉の教えか。
「昨日近藤さんが来たんでさ。アンタのこと探してやしたぜ」
「……なんでお前、ここが分かったんだよ」
「そりゃあそこらの姉さん方に訊きゃ、種馬の居場所ぐらい分かるでしょうよ」
ふんと鼻で笑いながら総悟は左手を刀に置いた。
俺にないもの。俺が得られないもの。それを総悟は持っている。今でも妬ましくは思うが、昔ほどではなくて。女に比べ男の数が極端に少ない今、旗本といえど跡取りはほぼ女だ。総悟のところは、姉が病弱であるため、その婿が継いでいるが。
刀を提げたところでなにもすることはないのだ。その上病を貰わぬようにと、あまり町を歩かせてもらえないらしい。故に剣術の稽古ばかりしていたから勿体無いほどに腕がたつ。乱世ならば城の主にでもなれたろうに。
「……ミツバは元気か」
「元気でさァ。旦那さんのお勤め手伝うんだなんて言って張り切ってやすぜ」
「そうか」
瞼の裏に、総悟以上に会えていない彼女の姿が浮かぶ。線の細く華奢な、女。その儚げな容姿に反して意外と強情で、一度決めたことは覆さない。
お大尽、などと言われても所詮は百姓だ。身分を考えれば、叶うものではないと赤子でも分かる。
分かるというのに。
「アンタと姉上が結婚すりゃ良かったのになァ」
と残念そうに総悟は言うものだから何も言葉を返せない。できることなら、と思った時期もあった。しかし今は。
木枯らしが吹きカサカサと枯れ葉が舞った。さらさらと栗色の髪が風に弄ばれる。
叶わないことと知っていても声に出してしまうぐらいの可愛いげはあったのかと思うべきか。冗談じみた口調で無理難題をつきつけてくるくせに、今日は歌うようにさらりと言ったことにやりきれない気持ちを抱くべきか。詮無いことだというのに。
結局話題を変えるしか術はなかった。
「明日辺り、近藤さんところへ行く」
幸い俺はまだ疱瘡にはかかっていない。総悟も、近藤さんも。だがいつ罹患するか分からない。今日が今生の別れになる可能性もあるのだ。
目前にある白く滑らかな肌。それが病にかかる前に、触れてみたい。俺で汚したい。ずっと、そう思っていた。
「そうしてくだせェ。多分道場に帰ってこいって泣きついてきやすぜ」
足元にあった石ころを蹴飛ばしながらにやにやと総悟は笑う。全面的に餓鬼くさい仕草だと呆れていれば、本題を忘れるところでしたとぽんと手を叩く。
「なんだよ本題って」
「俺、家出ることにしたんでさ」
「それで、どこに行くんだ」
「……大奥に」
ふ、と笑う総悟の顔は言葉とはそぐわないまでに無邪気だった。それだけではない。こんな笑顔を向けられるのは初めてのことだ。大概は姉であるミツバや、幼い頃から彼が慕っている近藤さんへ向けられるもので、俺にそれが向けられたことなど今まで一度たりとも。
「別に、そんなところ行かなくてもいいだろう」
「今まで俺を売らずに育ててくれた姉上に恩返ししてぇんでさ。次男坊なんざいても邪魔だろィ。給金も出るってんだ、それで姉上の病が良くなるなら」
自分はどうなってもいいと、告げる顔が清々しくて腹が立つ。
俺は。俺のことはどうでもいいのか。滅多なことじゃ戻って来れねぇんだぞ。会えなくなるんだぞ。いいのかよ。
「……止してやれよ。おまえに会えねぇなんてミツバが悲しむだろ」
「でももう決めやした。姉上も、許してくれやしたし」
頑固なところもこの姉弟は似ているのだと思い出して顔をしかめる。近藤さんならなんとか言いくるめられるはずだ。だが、昨日近藤さんはその話を聞いて飛んでったのだろう。それじゃあもう誰にも止められやしない。
俺には行くななどと、言えない。
「……ねぇ土方さん」
「ん?」
「姉さんどもに引っ張りだこなアンタのヤり方、教えてくだせぇよ。俺もそういうことしなきゃいけねぇし」
いとけなく笑う、その顔に劣情を抱いた。冗談だろと返すこともできず、腕を掴んで抱き締めた。
将軍だろうと誰だろうと、コイツが誰かのものになるのなら。
「教えてやろうか」
囁いて、瞳を見開き顔をあげたその唇に噛みついた。
まだ戦利品読めてないです。授業殆どうとうとしたのでちょっと自己嫌悪。
でもちゃんと1~4限もバイトもこなしました。休日ダイヤなの失念しましたが、電車ガラガラで。
あと朝からろくに食べてなくて死にそうです。お昼お弁当ご飯ちゃんとつめなかったからなぁ。
では、ペーパーにしようかと血迷った大奥パロ。
流行り病
彼岸花がそこかしこに咲く、若干荒れた墓地を眺めながら紫煙を燻らせる。秋晴れの空を漂う煙は大してうまかないが、こう手持ち無沙汰とき、なんとなく時間を潰せるのが良い。何だかんだ、吸っていると落ち着きもする。
ぶらぶら歩くか、久々に総悟のところへでも行くかと、ふぅと煙を吹くと同時にジャリ、と背後から音がした。墓参りかと、振り返り見れば会いに行こうかと思っていた男の姿。
何故此処に、と息が詰まった。
「あぁ、いた」
「総悟」
珍しい色の髪を陽が照らし、きらきらと光を放ち眩しい。久々に姿を見たが相変わらずのようだ。姉と揃って色素が薄い。見た目だけは作り物のようだ。
武家の者だからかいつでも袴に足袋を身に付けている。性格的にはだらしがないが格好は、いつでもきちんとしている。姉の教えか。
「昨日近藤さんが来たんでさ。アンタのこと探してやしたぜ」
「……なんでお前、ここが分かったんだよ」
「そりゃあそこらの姉さん方に訊きゃ、種馬の居場所ぐらい分かるでしょうよ」
ふんと鼻で笑いながら総悟は左手を刀に置いた。
俺にないもの。俺が得られないもの。それを総悟は持っている。今でも妬ましくは思うが、昔ほどではなくて。女に比べ男の数が極端に少ない今、旗本といえど跡取りはほぼ女だ。総悟のところは、姉が病弱であるため、その婿が継いでいるが。
刀を提げたところでなにもすることはないのだ。その上病を貰わぬようにと、あまり町を歩かせてもらえないらしい。故に剣術の稽古ばかりしていたから勿体無いほどに腕がたつ。乱世ならば城の主にでもなれたろうに。
「……ミツバは元気か」
「元気でさァ。旦那さんのお勤め手伝うんだなんて言って張り切ってやすぜ」
「そうか」
瞼の裏に、総悟以上に会えていない彼女の姿が浮かぶ。線の細く華奢な、女。その儚げな容姿に反して意外と強情で、一度決めたことは覆さない。
お大尽、などと言われても所詮は百姓だ。身分を考えれば、叶うものではないと赤子でも分かる。
分かるというのに。
「アンタと姉上が結婚すりゃ良かったのになァ」
と残念そうに総悟は言うものだから何も言葉を返せない。できることなら、と思った時期もあった。しかし今は。
木枯らしが吹きカサカサと枯れ葉が舞った。さらさらと栗色の髪が風に弄ばれる。
叶わないことと知っていても声に出してしまうぐらいの可愛いげはあったのかと思うべきか。冗談じみた口調で無理難題をつきつけてくるくせに、今日は歌うようにさらりと言ったことにやりきれない気持ちを抱くべきか。詮無いことだというのに。
結局話題を変えるしか術はなかった。
「明日辺り、近藤さんところへ行く」
幸い俺はまだ疱瘡にはかかっていない。総悟も、近藤さんも。だがいつ罹患するか分からない。今日が今生の別れになる可能性もあるのだ。
目前にある白く滑らかな肌。それが病にかかる前に、触れてみたい。俺で汚したい。ずっと、そう思っていた。
「そうしてくだせェ。多分道場に帰ってこいって泣きついてきやすぜ」
足元にあった石ころを蹴飛ばしながらにやにやと総悟は笑う。全面的に餓鬼くさい仕草だと呆れていれば、本題を忘れるところでしたとぽんと手を叩く。
「なんだよ本題って」
「俺、家出ることにしたんでさ」
「それで、どこに行くんだ」
「……大奥に」
ふ、と笑う総悟の顔は言葉とはそぐわないまでに無邪気だった。それだけではない。こんな笑顔を向けられるのは初めてのことだ。大概は姉であるミツバや、幼い頃から彼が慕っている近藤さんへ向けられるもので、俺にそれが向けられたことなど今まで一度たりとも。
「別に、そんなところ行かなくてもいいだろう」
「今まで俺を売らずに育ててくれた姉上に恩返ししてぇんでさ。次男坊なんざいても邪魔だろィ。給金も出るってんだ、それで姉上の病が良くなるなら」
自分はどうなってもいいと、告げる顔が清々しくて腹が立つ。
俺は。俺のことはどうでもいいのか。滅多なことじゃ戻って来れねぇんだぞ。会えなくなるんだぞ。いいのかよ。
「……止してやれよ。おまえに会えねぇなんてミツバが悲しむだろ」
「でももう決めやした。姉上も、許してくれやしたし」
頑固なところもこの姉弟は似ているのだと思い出して顔をしかめる。近藤さんならなんとか言いくるめられるはずだ。だが、昨日近藤さんはその話を聞いて飛んでったのだろう。それじゃあもう誰にも止められやしない。
俺には行くななどと、言えない。
「……ねぇ土方さん」
「ん?」
「姉さんどもに引っ張りだこなアンタのヤり方、教えてくだせぇよ。俺もそういうことしなきゃいけねぇし」
いとけなく笑う、その顔に劣情を抱いた。冗談だろと返すこともできず、腕を掴んで抱き締めた。
将軍だろうと誰だろうと、コイツが誰かのものになるのなら。
「教えてやろうか」
囁いて、瞳を見開き顔をあげたその唇に噛みついた。
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