梅々
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沖土サンプル
続いて沖土。
#2『暴風域』 沖土 18禁 P36*A5*2011年10月23日*400円
*体だけの関係だった二人。それが、土方が沖田の朝帰りに遭遇することによって変化が……?
18禁です。直接的描写はないですが、沖田×オリキャラの描写があります。
#2『暴風域』 沖土 18禁 P36*A5*2011年10月23日*400円
*体だけの関係だった二人。それが、土方が沖田の朝帰りに遭遇することによって変化が……?
18禁です。直接的描写はないですが、沖田×オリキャラの描写があります。
何となく意識は浮上しながら、睡眠と覚醒の波打ち際に漂っていると不快な音がした。障子が開いてそれから、オイと低い声が呼ぶ。少し掠れ気味なのが昨日のことを彷彿とさせて、ほんの少し眠気が遠退いた。布団の中なら鳴いてほしくとも鳴かず静かなのに、それ以外だとこうも煩い。今度は起こしに来る気も無いほどに酷くしてやろうかと企んでいたらゲシッと音がし腹が苦しくなった。見なくても分かる、いつものように踏みやがった。
アイマスクを上げ薄目で睨むと、鋭く睨み返される。普通の隊士なら悲鳴を上げ真っ青になり、脱兎の如く逃げ出すだろうが俺には効かない。
「起きろ」
「へいへい。どうせならちゅーでもしなせェ」
「寝言は寝て言え」
障子を全開にされ燦々とした朝日を一身に受ける。眩しさにチカチカ目が眩んで瞼を閉じうーっと伸びるとさっきよりは軽く、だけどまた蹴られた。足癖悪すぎだ。
渋々起き上がり胸元を掻く。俺が着替え終わるまで見張るつもりか土方さんは立ち去る気配はない。障子に背を預けたまま懐をまさぐる手付きは何だかいやらしい。煙草を探しているんだろうけれど、誘われてる気がして眠気が覚める。
「早く着替えろ」
「普通障子閉めるだろィ。ストリップでもしろと?」
「ばーか」
チッと舌打ちし、乱暴に障子を閉めたのはいいのだけれど、何でアンタも部屋にいるんだ。そこまで見張りたいのか。
面倒に思いながら立ち上がり着替えを出してから帯を解き、寝巻きを脱ぐ。その間中背に視線を感じてチラリ、土方さんを見るとふいと顔を逸らし俺の脱いだ単を畳み始めた。
時たまこうして、じぃっと見つめられることがある。不躾な視線だ、俺が気付いているのを知っているだろうに懲りずに鋭いのか熱いのか分からない視線を寄越し、目が合うと自然な動きで逸らされる。視線だけで何も言ってこない。怪しいにも程がある。それがちょうど、夜を共に過ごすようになってからだから何かしら関係はありそうなものだが、一向に分からないままだ。
上着を羽織り刀を腰に差す。アイマスクと携帯をポッケに仕舞うと土方さんが布団を仕舞い終え、押し入れの襖を閉めたところだった。無表情のままずかずか近付いてきて、結ばずに放置していたタイを結び始める。
毎朝のことだがあまりにも甲斐甲斐しいからふっと口元が緩む。
「あんだよ」
「いや別に」
綺麗にタイを整えてもらってから揃って部屋を出る。するとちょうど、縁側の角を曲がっていく近藤さんの後ろ姿が見えた。土方さんなんか放って条件反射で追いかける。といっても餓鬼の頃みたく駆け寄るわけではない。少し早歩きする程度だ。
「近藤さん」
「おっ、総悟おはよう!」
「おはようございやす」
声をかけると振り返りぐしゃりと頭を撫でられる。昔から変わらないその手付きが子ども扱いされているようで若干気に入らなかったりするが、落ち着くのも確かだ。並んで洗面所に立ち顔を洗う。俺はそれで終いだが、近藤さんは髭を整える。顎を撫でながら鏡と睨み合っている姿は男らしい。それに比べ、と同じように顎を撫でてみるがつるつるしていて髭の生える兆候もない。
成長期は人各々だというがそれにしても、貧弱な体つきは変わらないままだ。毎日欠かさず鍛えてはいるが近藤さんのように胸板が厚くなることはなく、二の腕も硬くはあるが逞しいには程遠い。土方さんに会ったのはちょうどあの人が今の俺ぐらいの年だった頃だが、その時には既に土方さんは今と同じような体型だった。着痩せしているが、腹筋は割れているし肩も厚い。大腿も硬かったなと、昨日の感触を思い出す。
あの人を組み敷ける程には成長したけれどそれだけだ。。
「よし、んじゃあ会議行くぞ」
「へい」
くしゃり、また髪をかき混ぜられる。その手はいつまでも大きいままだ。きっと、何年経とうともこの手は大きく暖かいままなのだ。越えられない。背の広さも、背負えるものも。だけどそれでいい。越えられないけれど目指したい。理想だから。
逆に、土方さんは越えたいと思う。頭の回転は無理だが身長だとか立場だとか。負けたくない、と昔から思っているのもまた変わらない。一つだけ、優越感に浸れることができたけれど。
アイマスクを上げ薄目で睨むと、鋭く睨み返される。普通の隊士なら悲鳴を上げ真っ青になり、脱兎の如く逃げ出すだろうが俺には効かない。
「起きろ」
「へいへい。どうせならちゅーでもしなせェ」
「寝言は寝て言え」
障子を全開にされ燦々とした朝日を一身に受ける。眩しさにチカチカ目が眩んで瞼を閉じうーっと伸びるとさっきよりは軽く、だけどまた蹴られた。足癖悪すぎだ。
渋々起き上がり胸元を掻く。俺が着替え終わるまで見張るつもりか土方さんは立ち去る気配はない。障子に背を預けたまま懐をまさぐる手付きは何だかいやらしい。煙草を探しているんだろうけれど、誘われてる気がして眠気が覚める。
「早く着替えろ」
「普通障子閉めるだろィ。ストリップでもしろと?」
「ばーか」
チッと舌打ちし、乱暴に障子を閉めたのはいいのだけれど、何でアンタも部屋にいるんだ。そこまで見張りたいのか。
面倒に思いながら立ち上がり着替えを出してから帯を解き、寝巻きを脱ぐ。その間中背に視線を感じてチラリ、土方さんを見るとふいと顔を逸らし俺の脱いだ単を畳み始めた。
時たまこうして、じぃっと見つめられることがある。不躾な視線だ、俺が気付いているのを知っているだろうに懲りずに鋭いのか熱いのか分からない視線を寄越し、目が合うと自然な動きで逸らされる。視線だけで何も言ってこない。怪しいにも程がある。それがちょうど、夜を共に過ごすようになってからだから何かしら関係はありそうなものだが、一向に分からないままだ。
上着を羽織り刀を腰に差す。アイマスクと携帯をポッケに仕舞うと土方さんが布団を仕舞い終え、押し入れの襖を閉めたところだった。無表情のままずかずか近付いてきて、結ばずに放置していたタイを結び始める。
毎朝のことだがあまりにも甲斐甲斐しいからふっと口元が緩む。
「あんだよ」
「いや別に」
綺麗にタイを整えてもらってから揃って部屋を出る。するとちょうど、縁側の角を曲がっていく近藤さんの後ろ姿が見えた。土方さんなんか放って条件反射で追いかける。といっても餓鬼の頃みたく駆け寄るわけではない。少し早歩きする程度だ。
「近藤さん」
「おっ、総悟おはよう!」
「おはようございやす」
声をかけると振り返りぐしゃりと頭を撫でられる。昔から変わらないその手付きが子ども扱いされているようで若干気に入らなかったりするが、落ち着くのも確かだ。並んで洗面所に立ち顔を洗う。俺はそれで終いだが、近藤さんは髭を整える。顎を撫でながら鏡と睨み合っている姿は男らしい。それに比べ、と同じように顎を撫でてみるがつるつるしていて髭の生える兆候もない。
成長期は人各々だというがそれにしても、貧弱な体つきは変わらないままだ。毎日欠かさず鍛えてはいるが近藤さんのように胸板が厚くなることはなく、二の腕も硬くはあるが逞しいには程遠い。土方さんに会ったのはちょうどあの人が今の俺ぐらいの年だった頃だが、その時には既に土方さんは今と同じような体型だった。着痩せしているが、腹筋は割れているし肩も厚い。大腿も硬かったなと、昨日の感触を思い出す。
あの人を組み敷ける程には成長したけれどそれだけだ。。
「よし、んじゃあ会議行くぞ」
「へい」
くしゃり、また髪をかき混ぜられる。その手はいつまでも大きいままだ。きっと、何年経とうともこの手は大きく暖かいままなのだ。越えられない。背の広さも、背負えるものも。だけどそれでいい。越えられないけれど目指したい。理想だから。
逆に、土方さんは越えたいと思う。頭の回転は無理だが身長だとか立場だとか。負けたくない、と昔から思っているのもまた変わらない。一つだけ、優越感に浸れることができたけれど。
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