梅々
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銀沖サンプル
最後に銀沖サンプルです。銀沖プチオンリーに参加します!!
#3『雨恋』 銀沖 18禁 P24*A5*2011年10月23日*300円
*暇つぶしに、と銀時の提案した恋人ごっこに付き合う沖田がぐーるぐる。甘めです。
18禁なのでご注意を!
#3『雨恋』 銀沖 18禁 P24*A5*2011年10月23日*300円
*暇つぶしに、と銀時の提案した恋人ごっこに付き合う沖田がぐーるぐる。甘めです。
18禁なのでご注意を!
昨日の天気予報の通り、朝起きたら雨が降っていた。ならば起きなければと雨音を聞きながら俺にしては早起きをする。昨日の内に出しておいた袴に着替え、刀を腰に差してから障子を開けた。景色は雨に包まれ全面的に灰色がかっているが酷い雨ではなさそうだ。さぁぁぁと耳に届く雨音が落ち着く。
身支度を整えて時計を見ると八時半だった。約束の時間よりは早いけれどどうせ屯所にいても暇なだけだ。下駄を突っ掛け傘を手に、雨の町へと踏み出した。
旦那がおかしな提案をしてきたのは一昨日のことだ。見廻りの最中に、コンビニへ買い物に行く途中だった旦那とばったり会い、時間が時間だったから飲もうという話になって。屋台でおでんを突っつきながら世間話をしていた。最近非番でもやることがないとか、いつも暇そうだけどとか、下らないことを話していたら旦那が閃いたと呟いた。
恋人同士になってみない、と。
改めて考えれば酔っ払いの戯れ言だけれど、ノリノリで約束してしまった以上反故にはできない。しかも、その条件が面白かった。雨の日だけなのだ。雨の日だけ、恋人同士のふりをする。とりあえず会う約束はしといて、その日に雨が降れば恋人として、晴れたら友達として暇を潰そうと。あのくるくるパーマには不思議な思考がつまっているのかもしれない。
水溜まりを避けながら歩いて、飛び越えられそうなものはぴょんと飛び越える。そんな風に歩いていれば目的地に到着した。何度か利用したことのある階段を登り、引き戸をノックしてから傘を閉じた。くるくる回し滴を払っていれば足音が段々と近づいてくる。
カチャカチャと鍵を開け、からりと引き戸が開いた。
「おはようございやす」
「お、早いね。上がって上がって」
いつもより少し眠たげな顔をした旦那がにへらと笑う。お邪魔します、と室内に入れば引き戸を閉めてくれた。どうぞと促されソファーに腰掛けると旦那は台所へと消えていった。今日はメガネもチャイナもいないらしい。
改めて部屋を見回す。達筆で「糖分」と書かれたわけのわからない額や、少し傷んだこのソファーにそれだけ見れば応接室らしい、机と椅子。改めてまとまりのない部屋。それが、旦那らしくもあるけれど。
「あいよ」
「ありがとうごぜぇやす」
マグを二つ持って戻ってきた旦那が、葡萄が描かれた方を渡してきた。中を覗いてみるとココアみたいだけど一口飲んでみると懐かしい、ミロの味がする。向かいに腰掛けた旦那も一口飲んでから苺のマグをテーブルに置いた。色からして中身はいちごみるくらしい。
たまに、遊びに来たことはあったけれど目的もなくのんびりするのは初めてで、少し落ち着かない。ソファーに深く腰掛け直して、背凭れに寄り掛かる。
「ってか何で付き合うことになったんですかィ」
「面白そうだったから」
「そんな理由なんで?」
「新八と神楽によ、銀ちゃん爛れた恋愛しかしたことなさそうアルーとか言われちゃったからこの際だから勉強をね、しようかと」
「ならチャイナ相手でも良かったんじゃねぇですか?」
「どうせならまっさらな相手としたいじゃない」
俺はまっさらか?
問おうとすればそれを阻止するようににんまりと笑われて聞けなくなる。ぐびぐびいちごみるくを煽ってから旦那がつけたテレビをなんとなく見れば、何とか星の天人が幼女を拐ったとか、秋刀魚が大量だとか、どうでもいいニュースばかりだ。
身支度を整えて時計を見ると八時半だった。約束の時間よりは早いけれどどうせ屯所にいても暇なだけだ。下駄を突っ掛け傘を手に、雨の町へと踏み出した。
旦那がおかしな提案をしてきたのは一昨日のことだ。見廻りの最中に、コンビニへ買い物に行く途中だった旦那とばったり会い、時間が時間だったから飲もうという話になって。屋台でおでんを突っつきながら世間話をしていた。最近非番でもやることがないとか、いつも暇そうだけどとか、下らないことを話していたら旦那が閃いたと呟いた。
恋人同士になってみない、と。
改めて考えれば酔っ払いの戯れ言だけれど、ノリノリで約束してしまった以上反故にはできない。しかも、その条件が面白かった。雨の日だけなのだ。雨の日だけ、恋人同士のふりをする。とりあえず会う約束はしといて、その日に雨が降れば恋人として、晴れたら友達として暇を潰そうと。あのくるくるパーマには不思議な思考がつまっているのかもしれない。
水溜まりを避けながら歩いて、飛び越えられそうなものはぴょんと飛び越える。そんな風に歩いていれば目的地に到着した。何度か利用したことのある階段を登り、引き戸をノックしてから傘を閉じた。くるくる回し滴を払っていれば足音が段々と近づいてくる。
カチャカチャと鍵を開け、からりと引き戸が開いた。
「おはようございやす」
「お、早いね。上がって上がって」
いつもより少し眠たげな顔をした旦那がにへらと笑う。お邪魔します、と室内に入れば引き戸を閉めてくれた。どうぞと促されソファーに腰掛けると旦那は台所へと消えていった。今日はメガネもチャイナもいないらしい。
改めて部屋を見回す。達筆で「糖分」と書かれたわけのわからない額や、少し傷んだこのソファーにそれだけ見れば応接室らしい、机と椅子。改めてまとまりのない部屋。それが、旦那らしくもあるけれど。
「あいよ」
「ありがとうごぜぇやす」
マグを二つ持って戻ってきた旦那が、葡萄が描かれた方を渡してきた。中を覗いてみるとココアみたいだけど一口飲んでみると懐かしい、ミロの味がする。向かいに腰掛けた旦那も一口飲んでから苺のマグをテーブルに置いた。色からして中身はいちごみるくらしい。
たまに、遊びに来たことはあったけれど目的もなくのんびりするのは初めてで、少し落ち着かない。ソファーに深く腰掛け直して、背凭れに寄り掛かる。
「ってか何で付き合うことになったんですかィ」
「面白そうだったから」
「そんな理由なんで?」
「新八と神楽によ、銀ちゃん爛れた恋愛しかしたことなさそうアルーとか言われちゃったからこの際だから勉強をね、しようかと」
「ならチャイナ相手でも良かったんじゃねぇですか?」
「どうせならまっさらな相手としたいじゃない」
俺はまっさらか?
問おうとすればそれを阻止するようににんまりと笑われて聞けなくなる。ぐびぐびいちごみるくを煽ってから旦那がつけたテレビをなんとなく見れば、何とか星の天人が幼女を拐ったとか、秋刀魚が大量だとか、どうでもいいニュースばかりだ。
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