梅々
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とりあえず案山子には近寄れない
ほんこわ怖かったぁ。はぁ。
今日は一週間前から考えては憂鬱になるようなことがあったのですが、無事クリアしました。
なんだろ、一人になった途端とてつもない幸せを感じて同時に、それまで我慢していたものが爆発してストレスが。気疲れも激しいし。一度苦手になると悪いところばかりが目についてしまう。せめて嫌いにならないようには努力している。けれど会った途端いますぐ帰りたくなるような人いませんか。こんなに合わない人初めてで情緒不安定です。
近藤さんみたいにいいとこを探そうとすると、「誠実そうないい人」という言葉しか思い浮ばなくて、とても申し訳なく思いました。謙虚さを知って頂きたいな。その方には。引き際を知らないとうまく生きてゆけないよ。
ああもう誰か。
なんか久々にブラックな内容でしたね←
つまりは自分が八方美人のいいかっこしぃだから宜しくない。
では夏の中編八話目かな?
ちょいと長めです。
今日は一週間前から考えては憂鬱になるようなことがあったのですが、無事クリアしました。
なんだろ、一人になった途端とてつもない幸せを感じて同時に、それまで我慢していたものが爆発してストレスが。気疲れも激しいし。一度苦手になると悪いところばかりが目についてしまう。せめて嫌いにならないようには努力している。けれど会った途端いますぐ帰りたくなるような人いませんか。こんなに合わない人初めてで情緒不安定です。
近藤さんみたいにいいとこを探そうとすると、「誠実そうないい人」という言葉しか思い浮ばなくて、とても申し訳なく思いました。謙虚さを知って頂きたいな。その方には。引き際を知らないとうまく生きてゆけないよ。
ああもう誰か。
なんか久々にブラックな内容でしたね←
つまりは自分が八方美人のいいかっこしぃだから宜しくない。
では夏の中編八話目かな?
ちょいと長めです。
ばかだからな、おまえも俺も。
かげろうゆらゆら夏のざわめき
ばっかじゃねぇの、呟かれた言葉は本当のことかもしれなくて沖田は、いつものように言い返すことができなかった。それは、喉の痛みの所為でもあったけれど。
八度七分、風邪ですね。山崎が事務的に言った言葉に溜め息を止められなくて、はぁぁ、と淀んだ空気が風邪菌と共に充満する。山崎はお大事にしてくださいねと言うとそそくさと部屋を出ていった。そこまでして移りたくないか、腹立たしい。
そんな朝のことを思い返していると目の前の男にペシンと額を叩かれて、風邪を引いているのにと文句を言いたくなった。
「残念だな、祭り行けなくて」
「死ねこのやろう。・・・あの人に、言っといてくだせぇ」
祭りの話をしたら一緒に行こうと誘われた。だから、駄目元で近藤さんに相談したら呆気なくいいよ、と言われて。総悟にもいい人が出来たのかぁ、と幸せそうな笑顔つきで。
だから少しの間かもしれないけれど一緒にいられると言ったらあの人は今まで見たこともないぐらい嬉しそうに笑っていた。
なのに、風邪だなんて。
「自分で行けよ」
「皮肉ですかィ。覚えてろ土方狂い死ね」
「・・・冗談だ。行ってきてやる」
優しく頭を撫でられて、滅多にないことに眉を寄せる。けれど、その温もりが案外煩わしいものではなくて、なすがままされていると心地好かった。
気付けば蜩が喚いていて、外も大分暗くなっていた。
体の方も薬が効いたのかだるいのも治っていて、試しに上体を起こすと、朝はしていた目眩が今はしていない。
無茶は承知だ、でも。
*
どんちゃんどんちゃん、ぴーひょろろ。
五月蝿いったらありゃしない。と紫煙を吐いている隣で近藤は悠長にたこ焼きを頬張っている。それでいいのか、今日は(というか今年は)沖田がいないんだぞ。
紺の浴衣が溶け込みそうな空の下、祭り特有のオレンジに赤にと暖色系の明かりに提灯、音に匂いが騒がしい。耳をすませても蝉の声が聞こえないほどだ、人間ってこんなにも五月蝿い生き物だったのか。祭りを楽しむ雑踏に見慣れた茶髪を探しても見当たらない。
脳内で祭りイコール総悟と結びつけるのもどうだろうかとか思うけれど、探してしまうのは毎年繰り返してきたことだから体に染み付いてしまっているのだ、しょうがないとしか言い様がない。
「お、始まった!」
今度は焼きそばをもそもそ食べながら近藤が空を見つめ嬉しそうに言った。
この花を、見たかったのだろうなと土方は久々に沖田を哀れむ。
中性的な顔立ちを夜の煌めきの下に照らして、年頃に合う白い笑みを浮かべる姿を思い返して、複雑に入り乱れた感情までもが溢れてきた。これはもう、制御できない。
「ちょっと、煙草買ってくる」
「よし! あとは俺に任せてのんびりしてこい!」
口の周りをべたべたにして左手で敬礼する様を見て任せられないと心の底から思うが、大丈夫だという確信が今年は合って、じゃあ頼むとだけ言ってそこを離れる。
気紛れ、と言って片付けるには重い。それを分かっていて林檎飴は溶けるだろうし、と考えている自分自身に呆れる。
好いているだなんて。
溶けるにしろ、好きなものをやるべきだと林檎飴の屋台に足が自然と向かっていた。
「これ二本、」
「そうかい、大きい方でいいかな?」
「うん」
前に並んでいる人はどこかの誰かが好きそうな狐の面をつけ、少しハスキーがかった高い声で屋台の親父と楽しそうに話していた。
浴衣の赤が目に眩しい。朝顔の青や紫の柄が幼い。今時はごちゃごちゃした柄が流行っているのに珍しい、そんなこと思いながら見ていると買い物を終えた前の人が振り向いた。
「う、そ・・・」
「・・・総悟」
浴衣と風邪の所為で、しかも林檎飴を両手に持っているからいつものように俊敏に逃げ去ることができない沖田の腕を土方は易々と掴んだ。
店の前にいる理由はもうない、このままいると営業妨害だと端へ寄る。勿論、沖田の腕を掴んだまま。
離して、と言った声が成る程、風邪故に変わっていて、似ている程度できづけなかった自分を恥じる必要はないと知る。
「何してんだこんなとこで、ってかその格好」
「・・・時雨さんが、」
土方らが夕方出る前より熱はひいているらしかった。掴んだ腕の温度は平熱。
明日ぶり返すのが目に見えているのはそうか、俺だけか。土方は深い溜め息をつく。
何を言ってもいまさらで、土方は塀に腰掛け沖田の手から一本、林檎飴を奪う。
「なにしやがんで」
「花火見たいなら俺のそばにいろ」
「・・・」
ドドォン、と咲く大輪の花を見上げながらいうと、渋々沖田は隣に座った。諦めたのを見届けて、掴んでいた腕を離す。
甘ったるい菓子をかじりながら空を眺める様は浴衣に合うほど幼く、土方はその顔に見惚れている自覚なく、ただ花火の音だけを聞いていた。
かげろうゆらゆら夏のざわめき
ばっかじゃねぇの、呟かれた言葉は本当のことかもしれなくて沖田は、いつものように言い返すことができなかった。それは、喉の痛みの所為でもあったけれど。
八度七分、風邪ですね。山崎が事務的に言った言葉に溜め息を止められなくて、はぁぁ、と淀んだ空気が風邪菌と共に充満する。山崎はお大事にしてくださいねと言うとそそくさと部屋を出ていった。そこまでして移りたくないか、腹立たしい。
そんな朝のことを思い返していると目の前の男にペシンと額を叩かれて、風邪を引いているのにと文句を言いたくなった。
「残念だな、祭り行けなくて」
「死ねこのやろう。・・・あの人に、言っといてくだせぇ」
祭りの話をしたら一緒に行こうと誘われた。だから、駄目元で近藤さんに相談したら呆気なくいいよ、と言われて。総悟にもいい人が出来たのかぁ、と幸せそうな笑顔つきで。
だから少しの間かもしれないけれど一緒にいられると言ったらあの人は今まで見たこともないぐらい嬉しそうに笑っていた。
なのに、風邪だなんて。
「自分で行けよ」
「皮肉ですかィ。覚えてろ土方狂い死ね」
「・・・冗談だ。行ってきてやる」
優しく頭を撫でられて、滅多にないことに眉を寄せる。けれど、その温もりが案外煩わしいものではなくて、なすがままされていると心地好かった。
気付けば蜩が喚いていて、外も大分暗くなっていた。
体の方も薬が効いたのかだるいのも治っていて、試しに上体を起こすと、朝はしていた目眩が今はしていない。
無茶は承知だ、でも。
*
どんちゃんどんちゃん、ぴーひょろろ。
五月蝿いったらありゃしない。と紫煙を吐いている隣で近藤は悠長にたこ焼きを頬張っている。それでいいのか、今日は(というか今年は)沖田がいないんだぞ。
紺の浴衣が溶け込みそうな空の下、祭り特有のオレンジに赤にと暖色系の明かりに提灯、音に匂いが騒がしい。耳をすませても蝉の声が聞こえないほどだ、人間ってこんなにも五月蝿い生き物だったのか。祭りを楽しむ雑踏に見慣れた茶髪を探しても見当たらない。
脳内で祭りイコール総悟と結びつけるのもどうだろうかとか思うけれど、探してしまうのは毎年繰り返してきたことだから体に染み付いてしまっているのだ、しょうがないとしか言い様がない。
「お、始まった!」
今度は焼きそばをもそもそ食べながら近藤が空を見つめ嬉しそうに言った。
この花を、見たかったのだろうなと土方は久々に沖田を哀れむ。
中性的な顔立ちを夜の煌めきの下に照らして、年頃に合う白い笑みを浮かべる姿を思い返して、複雑に入り乱れた感情までもが溢れてきた。これはもう、制御できない。
「ちょっと、煙草買ってくる」
「よし! あとは俺に任せてのんびりしてこい!」
口の周りをべたべたにして左手で敬礼する様を見て任せられないと心の底から思うが、大丈夫だという確信が今年は合って、じゃあ頼むとだけ言ってそこを離れる。
気紛れ、と言って片付けるには重い。それを分かっていて林檎飴は溶けるだろうし、と考えている自分自身に呆れる。
好いているだなんて。
溶けるにしろ、好きなものをやるべきだと林檎飴の屋台に足が自然と向かっていた。
「これ二本、」
「そうかい、大きい方でいいかな?」
「うん」
前に並んでいる人はどこかの誰かが好きそうな狐の面をつけ、少しハスキーがかった高い声で屋台の親父と楽しそうに話していた。
浴衣の赤が目に眩しい。朝顔の青や紫の柄が幼い。今時はごちゃごちゃした柄が流行っているのに珍しい、そんなこと思いながら見ていると買い物を終えた前の人が振り向いた。
「う、そ・・・」
「・・・総悟」
浴衣と風邪の所為で、しかも林檎飴を両手に持っているからいつものように俊敏に逃げ去ることができない沖田の腕を土方は易々と掴んだ。
店の前にいる理由はもうない、このままいると営業妨害だと端へ寄る。勿論、沖田の腕を掴んだまま。
離して、と言った声が成る程、風邪故に変わっていて、似ている程度できづけなかった自分を恥じる必要はないと知る。
「何してんだこんなとこで、ってかその格好」
「・・・時雨さんが、」
土方らが夕方出る前より熱はひいているらしかった。掴んだ腕の温度は平熱。
明日ぶり返すのが目に見えているのはそうか、俺だけか。土方は深い溜め息をつく。
何を言ってもいまさらで、土方は塀に腰掛け沖田の手から一本、林檎飴を奪う。
「なにしやがんで」
「花火見たいなら俺のそばにいろ」
「・・・」
ドドォン、と咲く大輪の花を見上げながらいうと、渋々沖田は隣に座った。諦めたのを見届けて、掴んでいた腕を離す。
甘ったるい菓子をかじりながら空を眺める様は浴衣に合うほど幼く、土方はその顔に見惚れている自覚なく、ただ花火の音だけを聞いていた。
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