梅々
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地球はまわる
明日代休でカラオケだぜ☆
集合時間の一時間前に家を出ます。大変だー。でもまぁ楽しみです。
今日は格別に寒かったんで帰り道で肉まん買って歩き食べしました。
肉まん親善大使になれそうな気がした。
それでは多分まだアップしてないはずの、百人一首でオリジナル。
集合時間の一時間前に家を出ます。大変だー。でもまぁ楽しみです。
今日は格別に寒かったんで帰り道で肉まん買って歩き食べしました。
肉まん親善大使になれそうな気がした。
それでは多分まだアップしてないはずの、百人一首でオリジナル。
ひらり ひらりと舞う紅葉
思いはせる 時の彼方
微笑みむける貴方の姿を
思い画いては
吾想うは貴方だけ と
今更 如何にもならぬ誓いを
胸に刻んで 貴方に乞うる
花奏
サァァァァ・・・・・・と竹林をざわめかせた風が頬を撫でて、大空へと去ってゆく。空っぽの空は自由奔放な風の邪魔をしない。遮るもののない自由な世界を音もなく風は駆ける。
閉じていた瞼を開くと視界には空一面の青が眩しく映る。綺麗な淡い色は汚れた世界を知ったこの目には毒のようだ。
その中を、ハラハラと舞う紅葉。
―――――彼女が倒れたのも、去年の丁度今頃だった。
数年前に上洛した俺の元へ、彼女は遊びに来ていた。文通はしていたけれど何年振りかの、とにかく久々の再会に二人して喜んだのも束の間。
俺が幼い頃から病弱だったあの人は病に臥した。
季節の変わり目や急に温度が変動した日なんかはよく風邪をひいた彼女を看病した。そしてそれが移ってしまったりも。
けれどもう。そうやって看病しあったり、況してや会話をすることでさえ叶わない。
ハラリ、はらはら。
空から降る紅葉は血の色の様。
彼女から流れ出たあの血液に、染められたかのような深紅。
瞼を閉じれば、手の届く位置にいるのに、触れることは叶わない。手を伸ばしたって霞めもせず、曖昧な微笑を残して消えてしまう。
逢いたい、なんて我儘だ。
逢いにいきたい、なんて云ったら貴方はきっと、否、絶対怒ってしまうだろうけど。
(それでも俺は―――――)
ブワァァァ、と怒り狂った化のような風に視界が紅く染まる。
目眩がして瞼を閉じる、葉の擦れる音、風の音だけが漆黒の世界を満たす。
不意に聴こえた声と云う名の音に心が揺らぐ。
黒の世界から紅の世界へ、そしてその紅の隙間から覗く、藤色。
「 」
呼び声を紅葉が阻む。
風に舞う髪をかき上げる、その仕草に見入る。
そこに、いる。
恋焦がれていた彼女が、目前に。
―――――これは目を開けたまま紡ぐ夢か?
そぅっ、と手を伸ばす。
『だめよ』
けれど声に制止され、伸ばしかけた手は所在なく空に漂い、諦めて手を下ろす。
『もう私のことは忘れて。貴方は貴方の人生を歩んで』
突き放すような言葉だけど困りきったような、悲しい色を浮かべた彼女に、そんな顔をさせたくないのに、と思う。
笑っていて欲しいと思うのに俺がそんな顔をさせている。
「忘れられるわけがない。貴方は俺の全てなのだから」
ふわり。
優しい風が頬を撫で、視界を再び紅が覆う。紅葉の隙間から見えた彼女は柔く微笑んでいたように見えたけれど、風が止むと忽然と消えていた。
「 」
呼ぶ声はまた風に拐われて、貴方の元へ届いたかさっぱりわからない。
夢か、幻か。
喩え刹那でも貴方に会えた、それだけで。
#24
このたびは 幣も取りあへず 手向山
紅葉の錦 神のまにまに
思いはせる 時の彼方
微笑みむける貴方の姿を
思い画いては
吾想うは貴方だけ と
今更 如何にもならぬ誓いを
胸に刻んで 貴方に乞うる
花奏
サァァァァ・・・・・・と竹林をざわめかせた風が頬を撫でて、大空へと去ってゆく。空っぽの空は自由奔放な風の邪魔をしない。遮るもののない自由な世界を音もなく風は駆ける。
閉じていた瞼を開くと視界には空一面の青が眩しく映る。綺麗な淡い色は汚れた世界を知ったこの目には毒のようだ。
その中を、ハラハラと舞う紅葉。
―――――彼女が倒れたのも、去年の丁度今頃だった。
数年前に上洛した俺の元へ、彼女は遊びに来ていた。文通はしていたけれど何年振りかの、とにかく久々の再会に二人して喜んだのも束の間。
俺が幼い頃から病弱だったあの人は病に臥した。
季節の変わり目や急に温度が変動した日なんかはよく風邪をひいた彼女を看病した。そしてそれが移ってしまったりも。
けれどもう。そうやって看病しあったり、況してや会話をすることでさえ叶わない。
ハラリ、はらはら。
空から降る紅葉は血の色の様。
彼女から流れ出たあの血液に、染められたかのような深紅。
瞼を閉じれば、手の届く位置にいるのに、触れることは叶わない。手を伸ばしたって霞めもせず、曖昧な微笑を残して消えてしまう。
逢いたい、なんて我儘だ。
逢いにいきたい、なんて云ったら貴方はきっと、否、絶対怒ってしまうだろうけど。
(それでも俺は―――――)
ブワァァァ、と怒り狂った化のような風に視界が紅く染まる。
目眩がして瞼を閉じる、葉の擦れる音、風の音だけが漆黒の世界を満たす。
不意に聴こえた声と云う名の音に心が揺らぐ。
黒の世界から紅の世界へ、そしてその紅の隙間から覗く、藤色。
「 」
呼び声を紅葉が阻む。
風に舞う髪をかき上げる、その仕草に見入る。
そこに、いる。
恋焦がれていた彼女が、目前に。
―――――これは目を開けたまま紡ぐ夢か?
そぅっ、と手を伸ばす。
『だめよ』
けれど声に制止され、伸ばしかけた手は所在なく空に漂い、諦めて手を下ろす。
『もう私のことは忘れて。貴方は貴方の人生を歩んで』
突き放すような言葉だけど困りきったような、悲しい色を浮かべた彼女に、そんな顔をさせたくないのに、と思う。
笑っていて欲しいと思うのに俺がそんな顔をさせている。
「忘れられるわけがない。貴方は俺の全てなのだから」
ふわり。
優しい風が頬を撫で、視界を再び紅が覆う。紅葉の隙間から見えた彼女は柔く微笑んでいたように見えたけれど、風が止むと忽然と消えていた。
「 」
呼ぶ声はまた風に拐われて、貴方の元へ届いたかさっぱりわからない。
夢か、幻か。
喩え刹那でも貴方に会えた、それだけで。
#24
このたびは 幣も取りあへず 手向山
紅葉の錦 神のまにまに
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