梅々
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獣道
お祝いは濡れ場で書く、というのを覆そうかな、なんて。文化祭(準備・当日・後夜祭)三部作あたりで手をうたないですか?的な。
あ~パソコンやりたい。沖田の背中に刺青したらさぞ綺麗だろうな~とかこないだ考えてました。土方が筆で描くってのもいい。蓮みたいな凛とした花がいいな~。
疲労がキテます。明日片付けすればに連休!
それではありきたりっぽいネタで百人一首です。
あ~パソコンやりたい。沖田の背中に刺青したらさぞ綺麗だろうな~とかこないだ考えてました。土方が筆で描くってのもいい。蓮みたいな凛とした花がいいな~。
疲労がキテます。明日片付けすればに連休!
それではありきたりっぽいネタで百人一首です。
人に絶対なんてないんだよ
ひとつの嘘
『さようなら・・・』
『何故? 私達はいつまでも一緒だと言ったじゃない! あの気持ちは嘘だったの?』
『嘘じゃなかった。でも、今は―――』
そこで言葉を切り、どこか土方に似た風貌の男は女に背を向けその場から立ち去っていく。泣き崩れる、女に微塵の感情の揺らぎも見せずに。
先週は『愛している』と女に囁き激しいキスをしていた。それなのに、たった一週で(ドラマでは一年幸せな日々が続いたそうだが)壊れた。
やっぱこんなもんだよな、と激辛煎餅を食しつつ思う。
カラ、と障子が開き似ている、と思った人物が現れる。そして何の工夫もなく、いつもと同じ言葉を言う。
「総悟。今晩、」
「分かりやした」
だからこの関係だって、そんなもん。
そう言えば。
江戸へ出てきてから何度か告白されたことがあった。
大体が土方さんや山崎との見廻りの最中。呼び掛けられて足を止めればお決まりの一言。煩わしい、と思わなくはないが、ひとが行為を持ってくれることは喜ばしいことなのよ、と教わったから態度には出さない。
そーゆー日の夜は必ず、土方の部屋に呼ばれる。それ以外でも呼ばれるけれど、必ずそういう日は呼ばれるのだ。
独占欲めいた愚かしい感情だ。その日の土方は恐ろしく不機嫌になる。
愚か、としか言えない。
「・・・・・・考え事たァ余裕だな・・・?」
「アンタがトロいんでさァ・・・。早く終わらしてくだせぇよ、眠い」
「っとに色気ねぇ・・・」
このまま話していたら、きっとラクに寝れる。そんな風にまた、欠伸をしつつ思考を結ぼうとしたら快感が意識を現実に引き戻した。
ズ、ズズ、と体を穿つ速さは次第に早くなっていく。
この行為は気持ちが良いから好き。すごく良いから相性は悪くないとは思うけれど。
それだけだ。
「あっ、ああ・・・んぁ、っふ」
「そう、ご・・・ッ」
ポロポロと意思に反して涙が流れて、霞む視界に快楽にか眉を寄せる土方の姿が写る。どんな表情をしても、整った顔。近藤さんはいつも、羨んでいる。その顔に愛情を感じたわけではないけれど、そっと手を這わし、頬を撫でる。
驚いた表情をした土方さんが見物だった。
嬉しそうに、甘い甘いキスを俺にして、低く腰に響く声でそうご、とより律動を激しくしつつ、呼んだ。体は煽られる、だけど心臓は体につられて鼓動を速めるだけで。
届かない。
どんな甘い言葉だろうと、優しい愛撫だろうと。何人、何十人の女が落ちただろう土方に、俺は堕ちることはない。
「そうご・・・・・・ッ」
「ひじかた、さ・・・・・・」
目の前が真っ白に弾けて、体の中に熱いものが注がれると同時に背をしならせ絶頂を迎えた。
気持ち良かった、とは思うけれど、すればする程辛くなる。
隣にうつ伏せで横になり煙草に火を点ける土方の顔はどこか辛そうで。
前々から思っていた、そんなに辛いのなら俺を抱くのを止めればいい、と。その言葉を飲み込みかけてポン、と音に出してみた。
「辛いんでしょ、アンタ」
「は? 何言って・・・」
「なら、止めやしょうや」
「ッ―――」
アンタが、俺を抱く理由を知っている。
姉上のことを思って、というのが一番の理由だろう、だって俺は男だし。男だから後始末とか楽だし金払う心配もないし、そんなとこ。
それ以外、俺に対する感情は一切ない。多少罪悪感とかあるかもしれないけれど、それぐらいだ。
「色気もねぇし、やった後そんな顔するぐらいなら、潔く金払って女買ってくりゃあいい。姉上も怒りやせんよ、それぐらい」
「違う。総悟、俺は・・・」
火を点けるタイミングを逃した煙草がポロリと畳の上に落ちて、転がっている。
必死な表情をしていても、これから土方が言うかもしれない言葉を信じる気にはなれない。
だから、俺はそれを言わせない。
「土方さん、アンタは姉上を好きなんでさァ。勘違いしちゃダメですぜ」
「だから俺はお前がっ・・・、」
「勘違い」
諭すように目を真っ直ぐ見据えて、土方に言う。
そう、勘違い。
恋愛感情なんて不確かなものなのだ。信じてはならない。信じて、思ったことと現実が違えば、人はすぐに恋を終わらせる。
「アンタは俺を都合の良い道具として使っているだけだ。アンタが、もしも俺を好きだと言うのなら、姉上を愛していたアンタが本物で今のアンタは偽者でさァ。そんな偽者、俺は許せない」
「総悟・・・」
「姉上じゃなくて俺を選ぶ人なんて、いちゃいけねぇんです」
「・・・」
目を反らし、何も言わなくなった土方を横目に見て、布団の周りに散らかっている自分の衣服を身に付ける。
その間も押し黙ったま、土方は顔を上げない。
「それじゃあ、土方さん」
「・・・」
パタン、と障子を閉じる。振り向きもせずに自分の部屋へと向かう。
どんなに絶対だと言っても、人は簡単にそれを裏切る。
だから俺は信じない。
#90
見せばやな 雄島のあまの 袖だにも
濡れにぞ濡れし 色はかはらず
ひとつの嘘
『さようなら・・・』
『何故? 私達はいつまでも一緒だと言ったじゃない! あの気持ちは嘘だったの?』
『嘘じゃなかった。でも、今は―――』
そこで言葉を切り、どこか土方に似た風貌の男は女に背を向けその場から立ち去っていく。泣き崩れる、女に微塵の感情の揺らぎも見せずに。
先週は『愛している』と女に囁き激しいキスをしていた。それなのに、たった一週で(ドラマでは一年幸せな日々が続いたそうだが)壊れた。
やっぱこんなもんだよな、と激辛煎餅を食しつつ思う。
カラ、と障子が開き似ている、と思った人物が現れる。そして何の工夫もなく、いつもと同じ言葉を言う。
「総悟。今晩、」
「分かりやした」
だからこの関係だって、そんなもん。
そう言えば。
江戸へ出てきてから何度か告白されたことがあった。
大体が土方さんや山崎との見廻りの最中。呼び掛けられて足を止めればお決まりの一言。煩わしい、と思わなくはないが、ひとが行為を持ってくれることは喜ばしいことなのよ、と教わったから態度には出さない。
そーゆー日の夜は必ず、土方の部屋に呼ばれる。それ以外でも呼ばれるけれど、必ずそういう日は呼ばれるのだ。
独占欲めいた愚かしい感情だ。その日の土方は恐ろしく不機嫌になる。
愚か、としか言えない。
「・・・・・・考え事たァ余裕だな・・・?」
「アンタがトロいんでさァ・・・。早く終わらしてくだせぇよ、眠い」
「っとに色気ねぇ・・・」
このまま話していたら、きっとラクに寝れる。そんな風にまた、欠伸をしつつ思考を結ぼうとしたら快感が意識を現実に引き戻した。
ズ、ズズ、と体を穿つ速さは次第に早くなっていく。
この行為は気持ちが良いから好き。すごく良いから相性は悪くないとは思うけれど。
それだけだ。
「あっ、ああ・・・んぁ、っふ」
「そう、ご・・・ッ」
ポロポロと意思に反して涙が流れて、霞む視界に快楽にか眉を寄せる土方の姿が写る。どんな表情をしても、整った顔。近藤さんはいつも、羨んでいる。その顔に愛情を感じたわけではないけれど、そっと手を這わし、頬を撫でる。
驚いた表情をした土方さんが見物だった。
嬉しそうに、甘い甘いキスを俺にして、低く腰に響く声でそうご、とより律動を激しくしつつ、呼んだ。体は煽られる、だけど心臓は体につられて鼓動を速めるだけで。
届かない。
どんな甘い言葉だろうと、優しい愛撫だろうと。何人、何十人の女が落ちただろう土方に、俺は堕ちることはない。
「そうご・・・・・・ッ」
「ひじかた、さ・・・・・・」
目の前が真っ白に弾けて、体の中に熱いものが注がれると同時に背をしならせ絶頂を迎えた。
気持ち良かった、とは思うけれど、すればする程辛くなる。
隣にうつ伏せで横になり煙草に火を点ける土方の顔はどこか辛そうで。
前々から思っていた、そんなに辛いのなら俺を抱くのを止めればいい、と。その言葉を飲み込みかけてポン、と音に出してみた。
「辛いんでしょ、アンタ」
「は? 何言って・・・」
「なら、止めやしょうや」
「ッ―――」
アンタが、俺を抱く理由を知っている。
姉上のことを思って、というのが一番の理由だろう、だって俺は男だし。男だから後始末とか楽だし金払う心配もないし、そんなとこ。
それ以外、俺に対する感情は一切ない。多少罪悪感とかあるかもしれないけれど、それぐらいだ。
「色気もねぇし、やった後そんな顔するぐらいなら、潔く金払って女買ってくりゃあいい。姉上も怒りやせんよ、それぐらい」
「違う。総悟、俺は・・・」
火を点けるタイミングを逃した煙草がポロリと畳の上に落ちて、転がっている。
必死な表情をしていても、これから土方が言うかもしれない言葉を信じる気にはなれない。
だから、俺はそれを言わせない。
「土方さん、アンタは姉上を好きなんでさァ。勘違いしちゃダメですぜ」
「だから俺はお前がっ・・・、」
「勘違い」
諭すように目を真っ直ぐ見据えて、土方に言う。
そう、勘違い。
恋愛感情なんて不確かなものなのだ。信じてはならない。信じて、思ったことと現実が違えば、人はすぐに恋を終わらせる。
「アンタは俺を都合の良い道具として使っているだけだ。アンタが、もしも俺を好きだと言うのなら、姉上を愛していたアンタが本物で今のアンタは偽者でさァ。そんな偽者、俺は許せない」
「総悟・・・」
「姉上じゃなくて俺を選ぶ人なんて、いちゃいけねぇんです」
「・・・」
目を反らし、何も言わなくなった土方を横目に見て、布団の周りに散らかっている自分の衣服を身に付ける。
その間も押し黙ったま、土方は顔を上げない。
「それじゃあ、土方さん」
「・・・」
パタン、と障子を閉じる。振り向きもせずに自分の部屋へと向かう。
どんなに絶対だと言っても、人は簡単にそれを裏切る。
だから俺は信じない。
#90
見せばやな 雄島のあまの 袖だにも
濡れにぞ濡れし 色はかはらず
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