梅々
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嬉しいな。
昨日の銀魂、土方と沖田がチークダンス踊ってるようにしか見えなかった(笑)
絶対、「これ何ていうプレイ?」の時女神に嫉妬したと思う。ミツバ編後の二人がこんなに仲良しで私は嬉しいです。漫画とは違う順序だし。
それでは随分前に書いたから時期のずれてる百人一首。
絶対、「これ何ていうプレイ?」の時女神に嫉妬したと思う。ミツバ編後の二人がこんなに仲良しで私は嬉しいです。漫画とは違う順序だし。
それでは随分前に書いたから時期のずれてる百人一首。
滝の音は 絶えて久しく なりぬれど
名こそ流れて なほ聞こえけれ
秋雨時
目が覚めたら暑苦しかった。残暑とは名ばかりで未だ暑い今、きちんと布団を被っていて、溜め息と一緒に布団の上に座り込む。
部屋の中が蒼く、暗く、ブラインドを上げてみると物凄い雨だった。ザァザァ、風に煽られた雨がコンクリートに叩きつけられる。
こんな酷い天気だから、あんな夢見たのか。
次第に痛くなってきた頭を抑え、薬を取りに立ち上がった。汗ばんで、シャツが肌に隙間なく張り付いていて、気持ちが悪い。
水道水をコップに入れ、薬を飲んでいると、何故か今朝みた夢を思い出した。
不快感が、増す。
今更夢に現れてきて。そりゃあ夢は俺の頭が作り出したものだけど、そこに我が物顔で出てくるなんて・・・。
楽しそうに笑ってた。俺も─────あの人も。二度と会うことも、話すこともないだろう、あの人と。何が一番腹立つかって、あの人の隣で自分が楽しそうに笑っていたことだ。分かってるはずなのに、もう二度と会うことないって。
「すぐ帰ってくるから」
夢であの人はそう言った。
信じちゃいけない。それは嘘だから。そう言ってあの人が旅立ってからどのくらい時が経った? じいさんになってから帰ってきたとしても、それは違う。
それなのに。
うん、って頷いてしまった。久々に見たあの顔に、触れた温もりに、絆されたんだ、絶対。
夢のことは忘れよう。シャワーでも浴びれば、気分もすっきりするはずだし。
よし、と意気込み立ち上がり、風呂場へと向かう。
あの人は成功したらしい。
一人になってから数ヶ月後に偶然見た新聞の片隅に日本人初の快挙がどうのこうのという記事があった。写真も、名前も無かったけれど、その記事は確かにあの人が成した功績を誇らしげに載せていた。
─────夢を、手にしたんだ。
俺という枷を外して、捨てて。
今日はいつにも増して何もやる気が起きない。こんな日が休日でよかったと思う。
濡れた髪を乾かす気さえも起きなくて、タオルを肩にかけたまま、ソファに寄りかかる。
必要最低限な物以外何もないと言っても過言ではない殺風景なこの部屋。一応テレビとMDプレイヤーはあるけれどそれ以外娯楽に関する物は何もない。
極端な性格のは生まれもったものだ。
興味あるものに対しては徹底的に接するけれど、興味ないものには部屋に置いておくだけで鬱陶しい。
・・・別に、あの人に興味があったとか好いていたとかではない。ずっと傍にいてその存在は不変だと信じていた最高の暇潰しだった、それだけで。
俺の手から飛び立つなんて、予想だにしていなかった。
あの人が消えて、俺の両手に残ったのは有り余る程の孤独。二人一緒だったときは俺があの人を縛っていたけれど、今は俺があの人に縛られている。
笑える話だ。町中に蔓延っている失恋ソングと大差ない。
結局は深みに嵌り過ぎて自滅したのだ。変化することを疑わなかった、それだけで。人間とは変わりゆく生き物なのに。自惚れていたのだ。過信しすぎていたのだ。
馬鹿みたい。
それで傷付いてちゃ、様ァない。今更自覚しても無意味なのは変わりがないけれど。
ピンポーン、とチャイムの音が頭を少し覚醒させた。
居留守すべきか、開けるべきか。どうせ新聞の勧誘とか下らないものだろう。今日は皆、忙しいと言っていたし。それならば、面と向かって断った方が良いものなのだろう。出掛ける用があるとでも言えば早々に帰ってくれるだろう。
溜め息と共にドアを開ける。
「はい・・・」
「・・・よう、ただいま」
「え・・・っ」
其処に立っていたのは新聞の勧誘でもセールスマンでもなくて。
遠い地にいて二度と会うはずのないと思っていた人だった。
強く抱き締められて、今朝の夢が蘇る。
これも夢なのかもしれない。
それでも、この温もりに再び触れられたのだからもう何も望まない。
何もいらない。
#55
名こそ流れて なほ聞こえけれ
秋雨時
目が覚めたら暑苦しかった。残暑とは名ばかりで未だ暑い今、きちんと布団を被っていて、溜め息と一緒に布団の上に座り込む。
部屋の中が蒼く、暗く、ブラインドを上げてみると物凄い雨だった。ザァザァ、風に煽られた雨がコンクリートに叩きつけられる。
こんな酷い天気だから、あんな夢見たのか。
次第に痛くなってきた頭を抑え、薬を取りに立ち上がった。汗ばんで、シャツが肌に隙間なく張り付いていて、気持ちが悪い。
水道水をコップに入れ、薬を飲んでいると、何故か今朝みた夢を思い出した。
不快感が、増す。
今更夢に現れてきて。そりゃあ夢は俺の頭が作り出したものだけど、そこに我が物顔で出てくるなんて・・・。
楽しそうに笑ってた。俺も─────あの人も。二度と会うことも、話すこともないだろう、あの人と。何が一番腹立つかって、あの人の隣で自分が楽しそうに笑っていたことだ。分かってるはずなのに、もう二度と会うことないって。
「すぐ帰ってくるから」
夢であの人はそう言った。
信じちゃいけない。それは嘘だから。そう言ってあの人が旅立ってからどのくらい時が経った? じいさんになってから帰ってきたとしても、それは違う。
それなのに。
うん、って頷いてしまった。久々に見たあの顔に、触れた温もりに、絆されたんだ、絶対。
夢のことは忘れよう。シャワーでも浴びれば、気分もすっきりするはずだし。
よし、と意気込み立ち上がり、風呂場へと向かう。
あの人は成功したらしい。
一人になってから数ヶ月後に偶然見た新聞の片隅に日本人初の快挙がどうのこうのという記事があった。写真も、名前も無かったけれど、その記事は確かにあの人が成した功績を誇らしげに載せていた。
─────夢を、手にしたんだ。
俺という枷を外して、捨てて。
今日はいつにも増して何もやる気が起きない。こんな日が休日でよかったと思う。
濡れた髪を乾かす気さえも起きなくて、タオルを肩にかけたまま、ソファに寄りかかる。
必要最低限な物以外何もないと言っても過言ではない殺風景なこの部屋。一応テレビとMDプレイヤーはあるけれどそれ以外娯楽に関する物は何もない。
極端な性格のは生まれもったものだ。
興味あるものに対しては徹底的に接するけれど、興味ないものには部屋に置いておくだけで鬱陶しい。
・・・別に、あの人に興味があったとか好いていたとかではない。ずっと傍にいてその存在は不変だと信じていた最高の暇潰しだった、それだけで。
俺の手から飛び立つなんて、予想だにしていなかった。
あの人が消えて、俺の両手に残ったのは有り余る程の孤独。二人一緒だったときは俺があの人を縛っていたけれど、今は俺があの人に縛られている。
笑える話だ。町中に蔓延っている失恋ソングと大差ない。
結局は深みに嵌り過ぎて自滅したのだ。変化することを疑わなかった、それだけで。人間とは変わりゆく生き物なのに。自惚れていたのだ。過信しすぎていたのだ。
馬鹿みたい。
それで傷付いてちゃ、様ァない。今更自覚しても無意味なのは変わりがないけれど。
ピンポーン、とチャイムの音が頭を少し覚醒させた。
居留守すべきか、開けるべきか。どうせ新聞の勧誘とか下らないものだろう。今日は皆、忙しいと言っていたし。それならば、面と向かって断った方が良いものなのだろう。出掛ける用があるとでも言えば早々に帰ってくれるだろう。
溜め息と共にドアを開ける。
「はい・・・」
「・・・よう、ただいま」
「え・・・っ」
其処に立っていたのは新聞の勧誘でもセールスマンでもなくて。
遠い地にいて二度と会うはずのないと思っていた人だった。
強く抱き締められて、今朝の夢が蘇る。
これも夢なのかもしれない。
それでも、この温もりに再び触れられたのだからもう何も望まない。
何もいらない。
#55
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