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梅々

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三日間を振りかえる

まずは一昨日の観光の話から。
昇仙峡いって紅葉と滝を見てきました。紅葉はまだ早かったかな。滝綺麗でした。で、お昼に一時間待たされて。しかもあまり美味ではなくて。身延山のロープウェーに乗れなかったです。遺憾の意。
次に武田神社行ってきましたー!私と三女で宝物殿へ。信玄公の奥さんの懐刀が備前清光作で、沖田さん!と思ったけど沖田さんの刀は加州清光だよね。清光清光。あと、あの風林火山の旗とか甲冑とか。そして上杉さんの毘沙門天の旗の「毘」の部分があったり。
武田神社は武田家屋敷跡にあり、太鼓橋渡ったら右近の橘と左近の桜があるんですよ……。雛人形以外で初めて見ました。
そして夜の忍野八海に行って水車を眺めて富士急眺めて山中湖眺めて静岡経由で帰ってきました。移動中は本当に寝てた。

昨日は文化祭行こうとしたら眼鏡忘れたのであきらめて銀魂新刊読んでました。のぶたす可愛いな、本当に可愛いな。信女×沖田が読みたい。はぁはぁはぁはぁ。ホストも良かったです。今はばらがき編で深いこといえないです。土方は綺麗だなぁ。あと白夜叉発言は真に受けてないのか、薄々気付いていたのか。うーん。

で。一昨日、続巷説百物語読み終えてしまいました。ぬーん。
続の方は巷説の合間を縫っていたり話が続いていたり繋がりがありましたよね。なのに百介と又市さんたちの繋がりは切れてしまった……。死神の情景の描写は恐ろしかったです。瞼の裏にはっきりと情景が浮かぶんですよ……すごい。そして、右近さんの人間味あふれた感じが良かった。というか悲しかったです。奥さんと子が……。船幽霊での右近さんとの変わりようが胸にきました。
死神はだんだんと音が消えていくようなイメージがありました。雨音の中百介が走っている音が静かな城下で聞こえるような。
そして、最後の話は死に場所を求めてる二人が悲しかった。そうするしかなかったのか。なかったんだろうな。だから又市さんは手を出さなかったんだろうな。喪服じゃないか黒とか……。
早く後巷説百物語が読みたい。タイミングが掴めなくて(読んだら他のことが手につかなくなる)持ち歩いているだけなこの二日間。ハードカバーは重たい。
でも帯見たら、翁があの人っぽかったので良かった。本当に良かった。


そして今日は文化祭の片付け行ってからの漫研カラオケしました。
オタカラ楽しいなー!皆もう合唱ばっかりだった!
皆がウォーアイニーとかバクチダンサーとか歌ってくれて萌えました。アッシュライクスノーはもう切ない。
また行きたいな!





それではぐだぐだうだうだしてる土方な小説。
本当に土方が未練がましいだけです、よ!





















柏木





 鍵を開けたばかりのドアを前にして一つ息をつく。そして、瞼を閉じる。我ながら女々しいことをしていると、分かってはいるのだけれど未だに止められずにいる。
 ドアノブを下げドアを開ける。

「ただいま」
『おかえりなせぇ』

 何回も繰り返したやりとりを頭の中で反復する。決して現実では返って来ない声を脳内再生したところで瞼を開き、真っ暗な玄関の明かりを付ける。当たり前だが玄関に彼の靴はなく、自分のサンダルが一足、置いてあるだけだ。靴を脱いでから付けたばかりの明かりを消し、暗い廊下を感覚を頼りに歩き、右手の壁にあるリビングの明かりのスイッチを手探りで付ける。チカチカと、片付いているといえば聞こえの良い、殺風景な部屋が照らされた。
 たった一月前までは、ここに総悟がいて。雑誌やら菓子の袋やら、ジュースのおまけ等が散乱していたが今は跡形もない。自分がそうしたくせにと、自嘲しながら鞄をソファーの上へ放る。
 勤め先は一緒だが部署が違い仕事内容も勤務年数も違うから、総悟の方が先に帰っていて。大抵俺が帰ると総悟は夕飯の支度をしていて、出迎えはしなかったが、いつもおかえりなせぇとあの独特な口調で言ってくれていた。手が空いていて機嫌のいいときは、風呂に入ってきたこともあった。そんなことされて、理性が働かなかったのも今では思い出だ。
 朝飯も弁当も総悟が作ってくれていた。どんなに夜、無理を強いても朝ちゃんと起きて、俺のと総悟の、全く同じ弁当を二つ。部署が離れているというのもあり一緒に食うことはできなかったが、誰かにばれることもなかったし、同じものを食べているのだと思うとそれだけでむず痒い気持ちになったりして楽しかった。
 今はただ、家には寝に帰るようなもので、台所も、煙草を吸い水を飲むためぐらいしか使わない。家にいるとどうしても、総悟の面影がちらついて仕方がないからだ。
 取引先の会長の娘に一目惚れされたらしく、あれよあれよと言う間にあとは俺が首を縦に振るだけ、という据え膳が用意されていた。相手は令嬢、しかも企画開発部エースの美人という肩書きに、此方の会社の安泰の約束。常識的に他人事として捉えれば、正に据え膳だった。だが俺は、そんな盛り付けのできあがった膳よりも癖のある奴を自分で盛り付けていくほうに魅力を感じる。可愛げのないあの馬鹿を、選びたかった。
 風呂は朝に浴びればいいと寝室へ向かう。スーツを脱ぎ寝間着に着替え冷えた布団の中に身を入れる。相変わらず冷たい。温もりを分かち合うことすらできず溜め息を漏らす。
 一度は断った見合いの話。だが、二度目三度目となると、諦めるしか道はなくなる。拒否権はないのだ。立場上の問題だとか社会的に考えると。感情で突っ走る、子どもではないのだから。ただでさえ真っ当でない道を、幸せになれるか分からないのに共に歩ませるのは酷だと思ったのもある。
 そうして俺は、総悟を手離して。毎日一緒に寝起きしていたのが週に数回見掛ける程度となった。見掛ける度に触れたくなる。あの柔らかな髪に、滑らかな肌に。
 他の誰かが触れているかもしれない、そう思うと嫉妬で胸が黒く染まる。今すぐにでも総悟をこの家へ連れてきて、誰も肌に触れていないか確認して、そのまま閉じ込めてしまいたい。ずっと二人でいられるように。片時も離れることがないように。
 自分勝手にも程がある。俺が手離したのに。
 好きでもない女となんか結婚したくはないが、だからといってずるずる総悟と続けるのも間違っている。だから、終わりにしたけれど忘れられやしない。
 せめて、総悟が誰の物にもならなければ、それでいい。それ以上は望まないから、頭の中で好き勝手するのは許してほしい。

「総悟……」

 今日もまた、幸せな夢の中へと逃げる。

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