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梅々

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トイレにいっといれー

昼前まで漫画下書やって、昼ぐらいからパソコン触って、Youtubeでデスノでホットペッパーとか土沖とか見てたら着信音である雪のツバサが流れた。
だれだろ、と思ったら、
「あ、もしもし? いまどこ?」
そうだ、三年ぶりに友達と会う約束してたんだ。あらあら。ってか初めて約束を忘れたよ。
んで急いで支度したはいいけど電話より30分後までバスは来ないわ、しかも10分遅れるし渋滞に巻き込まれるわで結局、当初の予定よか2時間遅れました。
激しく自己嫌悪。
でまあ内容的には予想していた通り宗教の勧誘で知らない女性がおまけにいました。1時間半ぐらい断りつつもきいていたのは友達だからだし遅れたからであって、彼方さんからしたら熱心に聞いてたように見えてたらいいな。私の神は土沖かな・・・?とか考えつつ聞いてたけど。
帰りにアニメイト寄ったんですがセバスチャンフェアですねー漫画ほしー。





それでは百人一首で昨日の続きチック。まぁ続きじゃない、っちゃ続きじゃない。三月頃の話にしたかった。















落ちる鳩を捕まえるように





偽装恋愛





嫉妬、羨望、独占欲。
そんなものくそくらえ。俺には関係のないものなのだから。
だってそんなものあったって、手には入らないと分かっているのだし人間として間違った感情なのだし。
そう、近頃よくつるむ担任に話したら、唸り声をあげわざとらしく腕を組んだ。そんなことしても全然賢く見えないのが不思議だ。

「間違ってはないんじゃね? ほら、先生だって沖田くんのこと好きだし」

「・・・そんな嘘言われてもなァ」

「嘘じゃねぇっての。大人をも少し信じなさい」

駄目な大人代表にそう説教を食らっている自分が少し、情けなくなった。やる時はやる、きめる時はきめる。そんなとこは嫌いじゃないけれど、普段との落差が激しい、激しすぎる。
こうなりたいがこうはなりたくない。史上最高の反面教師だと思う。
あ~あ。何もかもが面倒だ。そう呟くと、だから止めりゃあいいのに、とデコピンを食らった。暴力だ。教育委員会に訴えられるネタだ。

「先生の言う通りにしな?楽になるから」

「・・・気が向いたらしまさァ」

「総悟っ」

バン、と国語準備室のドアが勢いよく開き、肩で息をした土方さんが現れる。
今日は何かしただろうか? ただ、土方さんがどっか行った間に、教科書に落書きしただけだ。
―――――多分、俺が土方さんに何か仕掛けなくても、彼はこうして此処へ来ただろう。最近頓に、先生と二人でいると土方さんが邪魔をしてくる。予習したのか、だの宿題写させてやるだの。煩わしくって堪らない。

「今日も来たのー? 多串君たら野暮だねぇ」

「うっせぇ! 用事済ませてる間にそいつが俺の教科書に落書きしやがったんだよ!」

「あ~なに、用事って告白?」

だから此処来た時機嫌悪かったのね、と先生は此方を見る。何も言わずにいるとそっかそっかーと呟きながら立ち上がった。

「君達本当、若いねぇ。よし、これから俺はジャンプ読むから邪魔しないこと」

「何がよし、だよ。・・・総悟、行くぞ」

所有物扱いされるのはもう慣れた。うざったいことこの上ないけれど、一々つっかかるのも面倒だ。部屋を出る背中に続いて、ドアを閉める時に振り返ると、明日も来いよ、とまるで秘密基地に誘うかのように言われる。
微笑を返しドアを閉めるといきなり、土方さんに腕を掴まれ教室とは逆方向に連れていかれた。
南校舎は特別教室が固まっているから殆ど人がいない。しかも朝だから皆教室とかにいるわけで。だからこの異様な光景を気にとめるのは、俺だけ。

「痛いでさァっ・・・! 離しやがれ土方ッ」

「そこまで痛くねぇだろ。我慢しな」

横暴だ、そう思いつつついて行けば、風紀委員が半占領している第二会議室の鍵を開け、俺を連れて室内へ入る。突き放すように腕を解放し、また鍵を閉め扉を背にして土方さんは腕を組む。
この手の場面、先生の持っているAVにあったな・・・なんて呑気なことを考えていたら唇を奪われた。

「んっ・・・! んぅ、んん・・・・・・」

「アイツと二人っきりになるな、つってんだろいつもいつも!」

「・・・っはぁ、なんで・・・ダメなんですかィ・・・?」

荒れた息を正常へと戻しながら睨みつけて言うと土方さんは戸惑ったように口をつぐんだ。
理由も無いのに俺の行動を制限するのはおかしい。
所有物じゃ無いのにアンタのもの扱いするのはおかしい。
全て、理不尽だ。

「アンタと俺はただのセフレだろィ? だったら俺に指図すんじゃねぇや、気分悪ィ」

「・・・・・・」

「・・・そう、思うけど俺がアンタの傍になんでいるか、アンタ知らねぇだろィ」

ああこのままじゃ、口から呪いの二文字が溢れてしまう。それだけは避けたいのに。
俺の肩を掴んで動かない、土方さんの眸を見ていると言葉がポロポロ溢れてくる。
今、言ったら。卒業まで気まずいままで、会話さえできなくなるだろう。絶対、そうだ。
だから何も言いたくない。
何も。

「・・・なんで、俺の傍にいるんだ?」

それなのに。俺の心を探るように射抜く目が、一寸足りとも俺から、俺の目から視線を反らさない。
催眠術にかかったよう。

「俺がね、アンタのことを好きだから」

「―――・・・」

途端に顔中に広がった表情に、強烈な後悔が押し寄せてきた。

やっぱ、先生。
アンタの言うことは信用できねぇや。

何度も俺の体に触れた唇が、拒絶の言葉を吐く前に。土方さんを突き飛ばし、きっと宣言通り漫画を読んでいるであろう、あの人の元へ駆け出した。





#30
有り明けの つれなく見えし 別れより
暁ばかり 憂しきものはなし

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