なぜこうなった

今日はずっと勉強して合間に小説打って、ポスター書いただけなので書くことがないww
昨日一昨日の影響でひきこもってました。

卒業ネタはぼちぼち学業の合間に進めたのですが、うん。





つい勢いで書いたらネタから小説に昇格した土沖風味の土方と沖田。
沖土でももういけそう←

思えばよく動くその口は、いつだって真っ直ぐな言葉ばかり吐いた。





美辞麗句





血と硝煙の混ざった鼻がいかれそうな臭いの中、疲労を訴える体を引き摺ってゆっくりと歩を進める。間取りは確りと脳内に叩き込んである。一番隊の、分担も勿論。死体が転がる廊下を、悪いとは思いながら時折それを踏みながら目的の人物を探す。
曲がり角の先から殺気を感じて、それが肌に馴染んだものだったから、総悟、と呼び掛ける。
するとゆっくり振り返った総悟はたった今まで放っていた殺気はどこへやら、いつも通りの様子で振り返った。様子はいつも通りでこの場には似つかわしくなくとも、頬には珍しく返り血がこびりついている。
拭けよ、と思いつつも言っても聞かないのは知っているので、近付いていって総悟のスカーフを首元から抜き取り、ゴシゴシ頬を擦る。俺の方が返り血の量は半端無く多いが、一応気付いた場所は拭いているからコイツよりかはマシ、なはず。

「土方さん、いてぇ」

「終わったから帰んぞ」

「分かりやしたから、止めて下せェ」

ペッと手を払われてムッとするが、血は少ししか落ちていないばかりか摩擦のせいで痛々しく赤くなっていたので何も言えない。
今日も小さな犠牲で一つの組織を壊滅させた。その犠牲はかすり傷だとか切り傷だとか捻挫だとかそんなもので、百人近くの人間を皆殺しにしたのだから犠牲とは呼べない。犠牲はツケで、後々支払う羽目になるというのは分かっている。
それでもこんな風に何もないフリをして、少なくとも全うな人間から見たら人でなしだろう。

「今回は、何人でしたっけ」

「百六人。誰一人生きちゃいねぇよ」

「あぁこれでまた、」

恨まれる人数が増えた。
それは食べようとしていた里芋が箸から滑り落ちたことを残念がるような、そんな口調で言うもんだからげんなりする。

「んなこと言うなよ」

「どんなに綺麗事並べ立てたって俺らはひとごろし。だったらどんな風にどんなことを言ったって変わりないでしょう」

やけに澄んだ蘇芳色が真っ直ぐと俺を見て言うもんだから困る。
たまに、この子どもは悟りきったようなことを宣う。何もかもを見透かしたような瞳で言うものだから何も言えなくなるのはいつものことだ。大人のくせに子どもに諭されてどうする。

「・・・それでも、飾り立てた方がいいこともあんだろ」

「んじゃあ、俺の為だけにこの世から来世へ旅立ってくだせぇ、今すぐに」

「それつまり死ねってことだろ！　飾り立てても傷つくんだよ馬鹿野郎っ！」

「気持ち悪いから傷つくとか言わないでくだせェ。あんたみたいな図太いのが傷つくはずないでしょ」

目を細めて嫌なものを見る目付きで此方を見てくる総悟に青筋が立つ。
何故いつもこう揶揄してくるのか、答えは分かりきっているがいつも自問自答してしまう。どうせ俺は嫌われ者だ、分かってはいる。

「副長ー、隊長ー！　撤収しますよ」

「んー」

山崎が屋敷の玄関から声をかける。言い合いが聞こえたのか、やれやれという顔をしている、山崎のくせに。
あいつ後で叩いとかなきゃな。脳内で情景を浮かべていると、総悟に名を呼ばれた。
そして、ニッと笑って言う。

「俺らの関係は飾り立てる必要がなくていいですよねィ」

「・・・」

溝を感じてた、と言っていたのは何処のどいつだ。
なんて矛盾を問うことはなくて寧ろ、そんな風に思うようになったのだと知って嬉しく思った俺は、にやけそうになるのを堪えるのに必死で。
隣の総悟が恥ずかしそうにしているのに気付かなかった。