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梅々

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春の嵐

拍手ありがとうございます!
遊郭ネタ好きなので参考に本買ったのに最近読めていない。勿体ない。
今日はすごい嵐でした。バイトはヘルプだし風で電車遅れてるし散々でした。




土沖小ネタ。軽く5年後。















桜の枝を弄る、総悟の長い髪に触れながらそれはどうしたのかと聞けば素っ気なく拾ったのだと返された。春の嵐の過ぎ去った、濡れたアスファルトの上に落ちていたのだと。
可憐に咲いた花もあれば、開きかけのものもこれから咲くはずだった芽もある。
もったいねぇな、と僅かに思うがそれも思考の俎上からは消えて、目の前の白い首筋に唇を寄せる。
は、と甘く息を吐きはしたが、まだその気ではないらしい総悟は枝をくるくると回している。
懐から手を入れ、纏う緋色を乱していく。現れた白い肌は匂い立つように艶やかだ。これは拾いものではなく俺が手折った花だ。
殊更ゆっくりと、愛撫を続ければじれたように名を呼ばれた。
「土方さん」
「なんだ?」
「わかってるでしょう」
枝を握ったままの腕が背に回される。そのまま意図的にか濡れた瞳が媚びて見せて、もったい付けるようにゆるりと、唇を寄せられた。
何も知らない子どもだったのに。俺が、男をその気にさせる術を教え込んだ。それを物の見事に吸収して育ったこいつには、元々才能があったのかもしれない。
「アンタが純真に咲くはずだった俺を手折ったんでさ。ちゃんと責任とってくだせぇよ」
「……本当、恐ろしい餓鬼だよ。おまえは」
「誉め言葉ですねィ」


**

「んん、っは、あ、ひじ、かたさ、」
「ん、」
太腿の裏側をぐいと押し、より深く番うと切なげに眉を寄せ、総悟は背に爪を立ててきた。序でにこんなになってまでも手放さなかった枝が背に軽く刺さる。
「いてぇよ」
「このまま、刺し殺してやりやしょうか」
欲に潤んだ目を向け、何も持っていない手で俺をかき抱きながら、笑みを浮かべる。
「そうしたいなら、してみろよ」
「っあぁ! ん、あ、っちょ、ひきょう、でさっ!」
律動にあわせて長い髪が揺れる。錦糸のようなそれの美しさもさるものながら、頬を上気させ喘ぐ表情も、相変わらず綺麗だ。いつものすました顔とは打って変わった、色欲にとろけた顔。別人のようだ。
「はぁ、っあ、あ、ん……!」
必死になって俺にしがみついて、腰を揺らし、漸く総悟は枝を手放した。

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