梅々
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明鏡止水
終わった終わった。いや~。楽しかった。ケーキうまかった。何が?って秘密ですよ~。バザーでいろいろ安く買えたし、皆にスケブ描いて貰ったし、スーパーボール掬いもしたし。カレーにおにぎり、じゃがばた食ったし。これで大体わかりますよね。文〇祭。
愚かな事に新たに連載始めてしまう。土沖ミツバ編後。私って時代遅れ。
愚かな事に新たに連載始めてしまう。土沖ミツバ編後。私って時代遅れ。
耳に心地よく響き続ける、罵りの言葉。怒りも、同情も生まれてこない。だってそれは、ほんとうのことだから。
もっと、もっと俺を責めて欲しい。
二度と立ち上がれないぐらい、打ちのめして欲しいんだ。
氷のように冷たい温もりに抱かれて
空は暗く湿っていて頬に少しだけ雨が触れたような気もする。冷たさが気持ち良く感じた。
雨は好きだけど、嫌いだ。
姉上は雨が好きだった。しとしと降るのを縁側から見ている姉上は儚くて朧で消えてしまいそうだった。
連れて行かないで。
何度もそう願った。雨は何にもしないのに、俺は餓鬼だったから。連れて行かれるのだと、思い込んだ。
今でも、未だ少しそう思っているけれど。
「総悟」
過去に想いを馳せていると背後から名を呼ばれた。
俺の世界に入ってこれる声なんて少なくて、姉上も灰になってしまった今、この地上に二、三人ぐらいしかいないだろう。
一人、また一人と俺の大切な人達が減っていく。死神みたいだ、俺が。・・・実際、似たようなものなんだけど。
「総悟」
あ、そうだ。呼ばれてたんだった。過去に浸っていた頭を切り換えて振り返ると、予想通り悲しそうな顔をした近藤さんがいた。
その斜め後ろに、これまた予想通りに無表情な土方さんも。
今、どんな気持ちでいるのだろう。意味は若干違うけど、大切な・・・愛しい存在を無くした、俺と同じで違うこの人は。
「・・・今、戻りまさァ」
すれちがいざまに何か言おうとした近藤さんの背後、無表情で土方さんは俺を見た。
慰めて欲しい訳じゃない。
この哀しみを、喪失感を分かち合いたい訳でも、ない。
全て、より虚しくなるだけだから。
斎場へ戻るといきなり、目の前に男がやって来た。見たこともない人が、俺に殺気を向けている。
怒りに身を奮わせながら、男は怒鳴ってきた。
「おまえがっ・・・!おまえが代わりに死ねば良かったんだ!!」
「・・・!!」
知らない人にそう言われ驚く俺の胸ぐらを掴み、尚続ける。
「おまえの所為で死んだんだ!!おまえの代わりに天に裁かれたんだっ!!」
「ちょっと、アンタ・・・。止めなさいな」
女房らしき人が後ろから声を掛けるが、罵倒は未だ続く。そもそも、女の人も止める気は無さそうだけど。
「うるせぇっ!!俺ァ此処にいる奴らの気持ちを代弁してやってるだけだ!!」
俺らを見ていた人達が、一斉に気まずそうにそっぽを向く。この男の言う通り、心の奥では皆、俺のことを責めているらしい。
そんなこと、分かっている。俺は責められるべきなんだと。
「ほら、俺の言った通りだろ!?全てコイツの所為だ!!お前なんか居なけりゃ・・・産まれてこなければよかったんだ!!」
頭の中、木霊する。子どもの頃毎日のように言われ続けていた、言葉が。
―――――俺、は・・・誰にも必要とされてない?
「・・・っオイ!!てめぇっ」
ガタン、と障子が開き、土足のまま土方さんが室内に入ってくる。肩を抱かれ、胸ぐらを掴む男の手を捻り上げる。それが折れる直前まで捻り、手を離した。
「っうわぁぁぁぁあ!!」
「次コイツに何か言ってみろ。俺が代わりにその喧嘩買ってやるよ」
「・・・その必要はありやせんよ。俺に売られた喧嘩だろィ?俺が買う」
肩に掛けられた手を払い、土方さんと向き合うように立つ。
哀れむような目。なんでそんな、あんたなんかに哀れまなければいけないんだ?見下されてるみたいだ、気分悪い。庇護されるような、下の立場じゃない。
―――――それよりも、その目が、さっき言われた言葉を肯定しているようで。
(俺は、必要ない?そんなに非力?)
「・・・総悟?トシ?どうした?」
開け放されている障子と汚れた畳を交互に見て、不思議そうに首を傾げ、眉を寄せた近藤さんに微笑みかける。
(知られたくない、知らないでいて欲しい)
「何でもねぇでさ。・・・用は済んだしもう帰りやしょう。土方さんも、何土足で来てんですかィ」
「・・・うっせ」
後ろから頭を小突かれそのまま近藤さんの脇をすり抜け、俺を促すように土方さんは歩く。ドカドカといつもより派手な足音をたてるその少し前を半ば転びそうになりながら歩を進める。
土方さんの歩幅に俺の歩幅が合うはずがない。何故なら俺と土方さんの体格は違うのだから。
俺が靴を履いている間も不自然な具合に頭に手を当てられたままで。
「・・・いい加減離しなせぇ」
「うっせぇな」
反抗期か、と思う程それしか言わない。
(怒ってるな)
長年側に居るからただ単に分かりやすいだけか。それならば良いけど多分、違う。
再び歩き出したら少しだけ歩幅を合わせてくれたが、未だに怒ってるのが空気を介し伝わってくる。近藤さんも気付いているだろう。後で理由を聞いたりするだろう。
土方さんはその時言うのだろうか?
怒った、わけを。
もっと、もっと俺を責めて欲しい。
二度と立ち上がれないぐらい、打ちのめして欲しいんだ。
氷のように冷たい温もりに抱かれて
空は暗く湿っていて頬に少しだけ雨が触れたような気もする。冷たさが気持ち良く感じた。
雨は好きだけど、嫌いだ。
姉上は雨が好きだった。しとしと降るのを縁側から見ている姉上は儚くて朧で消えてしまいそうだった。
連れて行かないで。
何度もそう願った。雨は何にもしないのに、俺は餓鬼だったから。連れて行かれるのだと、思い込んだ。
今でも、未だ少しそう思っているけれど。
「総悟」
過去に想いを馳せていると背後から名を呼ばれた。
俺の世界に入ってこれる声なんて少なくて、姉上も灰になってしまった今、この地上に二、三人ぐらいしかいないだろう。
一人、また一人と俺の大切な人達が減っていく。死神みたいだ、俺が。・・・実際、似たようなものなんだけど。
「総悟」
あ、そうだ。呼ばれてたんだった。過去に浸っていた頭を切り換えて振り返ると、予想通り悲しそうな顔をした近藤さんがいた。
その斜め後ろに、これまた予想通りに無表情な土方さんも。
今、どんな気持ちでいるのだろう。意味は若干違うけど、大切な・・・愛しい存在を無くした、俺と同じで違うこの人は。
「・・・今、戻りまさァ」
すれちがいざまに何か言おうとした近藤さんの背後、無表情で土方さんは俺を見た。
慰めて欲しい訳じゃない。
この哀しみを、喪失感を分かち合いたい訳でも、ない。
全て、より虚しくなるだけだから。
斎場へ戻るといきなり、目の前に男がやって来た。見たこともない人が、俺に殺気を向けている。
怒りに身を奮わせながら、男は怒鳴ってきた。
「おまえがっ・・・!おまえが代わりに死ねば良かったんだ!!」
「・・・!!」
知らない人にそう言われ驚く俺の胸ぐらを掴み、尚続ける。
「おまえの所為で死んだんだ!!おまえの代わりに天に裁かれたんだっ!!」
「ちょっと、アンタ・・・。止めなさいな」
女房らしき人が後ろから声を掛けるが、罵倒は未だ続く。そもそも、女の人も止める気は無さそうだけど。
「うるせぇっ!!俺ァ此処にいる奴らの気持ちを代弁してやってるだけだ!!」
俺らを見ていた人達が、一斉に気まずそうにそっぽを向く。この男の言う通り、心の奥では皆、俺のことを責めているらしい。
そんなこと、分かっている。俺は責められるべきなんだと。
「ほら、俺の言った通りだろ!?全てコイツの所為だ!!お前なんか居なけりゃ・・・産まれてこなければよかったんだ!!」
頭の中、木霊する。子どもの頃毎日のように言われ続けていた、言葉が。
―――――俺、は・・・誰にも必要とされてない?
「・・・っオイ!!てめぇっ」
ガタン、と障子が開き、土足のまま土方さんが室内に入ってくる。肩を抱かれ、胸ぐらを掴む男の手を捻り上げる。それが折れる直前まで捻り、手を離した。
「っうわぁぁぁぁあ!!」
「次コイツに何か言ってみろ。俺が代わりにその喧嘩買ってやるよ」
「・・・その必要はありやせんよ。俺に売られた喧嘩だろィ?俺が買う」
肩に掛けられた手を払い、土方さんと向き合うように立つ。
哀れむような目。なんでそんな、あんたなんかに哀れまなければいけないんだ?見下されてるみたいだ、気分悪い。庇護されるような、下の立場じゃない。
―――――それよりも、その目が、さっき言われた言葉を肯定しているようで。
(俺は、必要ない?そんなに非力?)
「・・・総悟?トシ?どうした?」
開け放されている障子と汚れた畳を交互に見て、不思議そうに首を傾げ、眉を寄せた近藤さんに微笑みかける。
(知られたくない、知らないでいて欲しい)
「何でもねぇでさ。・・・用は済んだしもう帰りやしょう。土方さんも、何土足で来てんですかィ」
「・・・うっせ」
後ろから頭を小突かれそのまま近藤さんの脇をすり抜け、俺を促すように土方さんは歩く。ドカドカといつもより派手な足音をたてるその少し前を半ば転びそうになりながら歩を進める。
土方さんの歩幅に俺の歩幅が合うはずがない。何故なら俺と土方さんの体格は違うのだから。
俺が靴を履いている間も不自然な具合に頭に手を当てられたままで。
「・・・いい加減離しなせぇ」
「うっせぇな」
反抗期か、と思う程それしか言わない。
(怒ってるな)
長年側に居るからただ単に分かりやすいだけか。それならば良いけど多分、違う。
再び歩き出したら少しだけ歩幅を合わせてくれたが、未だに怒ってるのが空気を介し伝わってくる。近藤さんも気付いているだろう。後で理由を聞いたりするだろう。
土方さんはその時言うのだろうか?
怒った、わけを。
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