梅々
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みすてりー
いまケイゾクを一気に七話まで見ています。皆キャラがいい。のだめみたいです、主役二人が。夫婦漫才みたい。
ネタが二つできてもう一個、忘れました。うむ・・・。
ケーキうまかった。明日の朝食はケーキだぜ!
では、今日の分のろっこめ。
あとよんこ!
ネタが二つできてもう一個、忘れました。うむ・・・。
ケーキうまかった。明日の朝食はケーキだぜ!
では、今日の分のろっこめ。
あとよんこ!
6.優しい雨
「あ」
「・・・よお」
しとしと、しとしと。
降り止まぬ雨の下、俺と同じ濡れ鼠。の、女。
赤いチャイナドレス、真っ白い幼稚な足、面だけ見りゃあ可愛い宇宙人。色とりどりの傘が犇めく中、雨に打たれるのは俺らだけ。
黒い隊服が雨に打たれより純粋に色濃くなる。目の前の赤も同様に、色が変わっていく。擦れ違う人達の視線が冷たい。
「やる気アルカ」
「ばかじゃねぇの、ガキ」
「おまえだって変わらないネ、尻が青いガキのくせして」
「それこそてめーだろィ、チャイナ」
足元の橋はこれだけの人が上を歩いてもびくともしない。何年ものか知らないが、俺よりは年季のあるもにのに違いはないのに。
俺だって、これしきのことで動じない人間になりたかったのに。女々しいだとかガキだとか、言われても仕方のない。
「・・・ひどいツラしてるアル。フラれたカ」
「まさかァ。てめぇのほうがひでぇ」
図星にギョッとする。女と言うものはたまに鋭くて困る。迷惑極まりない。ポーカーフェイスで誤魔化して、橋の真ん中でびちゃびちゃになっているから視線が冷たいのだと気付いて、来た道を引き返す。
ととと、足音がついてきて振り向かずとも変わり者がついてきていることを教える。公園じゃ拍車をかけるだけ。人通りの少ない路地、軒下で立ち止まる。
表通りとは対照的に閑散としている裏通り。人影は無く空色の所為で寂れた雰囲気さえある。
隣で同じように空を見ていた似非チャイナがちらりと俺を見遣る。
「・・・おまえ、今日は本当におかしいアル」
「はいはい。うるせぇからどっか行け」
「・・・ニコチン中毒に似てきたネ、老化ヨ」
「マジでか」
そりゃあ最悪だ。呟きは切実に悲愴感を表していてより惨めな気持ちになった。
今頃あの人は閨の中だろう。昨日俺にしたようなことを、知らない女にもするのか。睦言交わして笑い合う、なんて俺はなかったけれど。
なんで俺は男に生まれたのか。もし逆の性を授かっていたのなら、もう少し高望みしたって叶っていたかもしれないに。
羨ましい、なんて思う俺は浅ましい。
「・・・女も知らない餓鬼アル」
「だぁからお前もそうでィ」
「なら、さ」
唐突な標準語。言いたいことが分かって、でも本人はそれを冗談のつもりで言っているのかも、とか思いつつ横を見る。色気も何もない、子ども。どうせなら素敵なお姉さんに奪われたかったのに、こんなちんちくりんにやるのか、俺のファーストキス。
・・・ああ違う、疾うに色恋沙汰のハジメテは全てあの野郎に奪われていた。
「後悔すんじゃねぇよ、酢昆布娘」
「おまえは光栄に思うべきヨ」
ふふん、と笑う唇にそっと唇を押し付ける。乱暴にして下手だとか言われるのだけは避けたい。だから優しく。
数秒間くっつけて離すと一瞬、年相応に神楽はにんまりと笑った。
「どうアル、歌舞伎町の女王の唇は」
「あー、まぁ、気分転換にはなりやした」
「・・・死ね」
ドカッと脛を蹴られてじぃん、と痛みに足が戦慄いた。
「あ」
「・・・よお」
しとしと、しとしと。
降り止まぬ雨の下、俺と同じ濡れ鼠。の、女。
赤いチャイナドレス、真っ白い幼稚な足、面だけ見りゃあ可愛い宇宙人。色とりどりの傘が犇めく中、雨に打たれるのは俺らだけ。
黒い隊服が雨に打たれより純粋に色濃くなる。目の前の赤も同様に、色が変わっていく。擦れ違う人達の視線が冷たい。
「やる気アルカ」
「ばかじゃねぇの、ガキ」
「おまえだって変わらないネ、尻が青いガキのくせして」
「それこそてめーだろィ、チャイナ」
足元の橋はこれだけの人が上を歩いてもびくともしない。何年ものか知らないが、俺よりは年季のあるもにのに違いはないのに。
俺だって、これしきのことで動じない人間になりたかったのに。女々しいだとかガキだとか、言われても仕方のない。
「・・・ひどいツラしてるアル。フラれたカ」
「まさかァ。てめぇのほうがひでぇ」
図星にギョッとする。女と言うものはたまに鋭くて困る。迷惑極まりない。ポーカーフェイスで誤魔化して、橋の真ん中でびちゃびちゃになっているから視線が冷たいのだと気付いて、来た道を引き返す。
ととと、足音がついてきて振り向かずとも変わり者がついてきていることを教える。公園じゃ拍車をかけるだけ。人通りの少ない路地、軒下で立ち止まる。
表通りとは対照的に閑散としている裏通り。人影は無く空色の所為で寂れた雰囲気さえある。
隣で同じように空を見ていた似非チャイナがちらりと俺を見遣る。
「・・・おまえ、今日は本当におかしいアル」
「はいはい。うるせぇからどっか行け」
「・・・ニコチン中毒に似てきたネ、老化ヨ」
「マジでか」
そりゃあ最悪だ。呟きは切実に悲愴感を表していてより惨めな気持ちになった。
今頃あの人は閨の中だろう。昨日俺にしたようなことを、知らない女にもするのか。睦言交わして笑い合う、なんて俺はなかったけれど。
なんで俺は男に生まれたのか。もし逆の性を授かっていたのなら、もう少し高望みしたって叶っていたかもしれないに。
羨ましい、なんて思う俺は浅ましい。
「・・・女も知らない餓鬼アル」
「だぁからお前もそうでィ」
「なら、さ」
唐突な標準語。言いたいことが分かって、でも本人はそれを冗談のつもりで言っているのかも、とか思いつつ横を見る。色気も何もない、子ども。どうせなら素敵なお姉さんに奪われたかったのに、こんなちんちくりんにやるのか、俺のファーストキス。
・・・ああ違う、疾うに色恋沙汰のハジメテは全てあの野郎に奪われていた。
「後悔すんじゃねぇよ、酢昆布娘」
「おまえは光栄に思うべきヨ」
ふふん、と笑う唇にそっと唇を押し付ける。乱暴にして下手だとか言われるのだけは避けたい。だから優しく。
数秒間くっつけて離すと一瞬、年相応に神楽はにんまりと笑った。
「どうアル、歌舞伎町の女王の唇は」
「あー、まぁ、気分転換にはなりやした」
「・・・死ね」
ドカッと脛を蹴られてじぃん、と痛みに足が戦慄いた。
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