梅々
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試験始めました
- 2013/07/23 (Tue) |
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単位がやばいです。
勉強せねば!
各社の夏の小説フェアにほいほいされそうです。本が読みたい!
続きからなんちゃって映画ネタ高沖です。
若干のネタバレとかなりの妄想・捏造。
勉強せねば!
各社の夏の小説フェアにほいほいされそうです。本が読みたい!
続きからなんちゃって映画ネタ高沖です。
若干のネタバレとかなりの妄想・捏造。
お邪魔しやす、言いながら玄関の引き戸を開けた。奥から出てきた女が「うわ!おまえッスか」と舌打ち混じりに言うから、煩わしいと思いながら持ってきた土産を寄越せば大人しくなる。
下駄を脱ぎ屋敷の奥へずんずん進み、目当ての部屋へ至る。深呼吸をしてから声をかけることなく襖を開けた。
男は、障子の桟に腰掛けて三味線を鳴かしていた。手持ち無沙汰なのか旋律を奏でるのではなく弦を弾いて音を生んでいる。
「……沖田か」
「お久しぶりでさァ」
ちらり、と此方を見て再び外へ視線を戻した。
一年ぶりだ。一年あわない間に、ずいぶん変わってしまった。真っ黒く艶やかだった髪は色が抜け落ちて白くなってしまっている。まるで旦那みたい、なんてやな冗談。
じっと部屋へ入ることもなく見つめていたのが不快だったのか、男は此方を向いた。
その鋭い眼光に、男に引き寄せられるようにふらふら近寄る。
畳に膝をついて至近距離から見つめる。変わらない、きれいな顔。
見返す瞳は優しさを帯びて、ゆるやかに口角もあがっている。
「綺麗になったな」
「格好良くなったって言ってくれやせんか」
「なれねぇだろ」
言いながら結った髪を撫でられる。そうして、髪を結った紐を解くなめらかな手つきも相変わらずだ。肩より少し長いぐらいまで伸びた髪がちらばって、外から入る風を感じる。
「もう離れろ。移るぞ」
「んなのアンタの傍にいなくてもなるもんはなりまさぁ」
「違いねぇ」
だから遠慮もいらねぇかと宣って、高杉は俺をきつく抱きしめた。かたん、と今まで男の腕の中にいた、三味線が落ちた音がする。
「おまえ、いまは攘夷の人間なんだって?」
「へぇ。だから今なら、おてんとさんの下を手ェ繋いで歩いたって、いいんですぜ」
「そうか」
それももう無理だけど。
俺が薬を持ってきたって高杉は飲まないし、飲んでも白詛は治らない。いまのこの人は俺よりも遙かに弱い。牙を失った上に病を患う獣だ。
壊すものがなくなったからって、こんな訳の分からないものにかかりやがって。
「おまえの匂い嗅ぐと腹が減る」
「……泊まってってやりやすから、気の済むまで食べなせぇ」
「俺の気が済むまで、お前を閉じこめてやろうか」
「あの女に怒られまさァ」
俺だって、できるなら死ぬまでずっと傍にいて看取ってやりたいけど。俺の優先順位はいつだってあの人だから。
それを知ってる高杉は、俺をどうこうできやしない。それが悲しい。
好きにして、いいのに。
下駄を脱ぎ屋敷の奥へずんずん進み、目当ての部屋へ至る。深呼吸をしてから声をかけることなく襖を開けた。
男は、障子の桟に腰掛けて三味線を鳴かしていた。手持ち無沙汰なのか旋律を奏でるのではなく弦を弾いて音を生んでいる。
「……沖田か」
「お久しぶりでさァ」
ちらり、と此方を見て再び外へ視線を戻した。
一年ぶりだ。一年あわない間に、ずいぶん変わってしまった。真っ黒く艶やかだった髪は色が抜け落ちて白くなってしまっている。まるで旦那みたい、なんてやな冗談。
じっと部屋へ入ることもなく見つめていたのが不快だったのか、男は此方を向いた。
その鋭い眼光に、男に引き寄せられるようにふらふら近寄る。
畳に膝をついて至近距離から見つめる。変わらない、きれいな顔。
見返す瞳は優しさを帯びて、ゆるやかに口角もあがっている。
「綺麗になったな」
「格好良くなったって言ってくれやせんか」
「なれねぇだろ」
言いながら結った髪を撫でられる。そうして、髪を結った紐を解くなめらかな手つきも相変わらずだ。肩より少し長いぐらいまで伸びた髪がちらばって、外から入る風を感じる。
「もう離れろ。移るぞ」
「んなのアンタの傍にいなくてもなるもんはなりまさぁ」
「違いねぇ」
だから遠慮もいらねぇかと宣って、高杉は俺をきつく抱きしめた。かたん、と今まで男の腕の中にいた、三味線が落ちた音がする。
「おまえ、いまは攘夷の人間なんだって?」
「へぇ。だから今なら、おてんとさんの下を手ェ繋いで歩いたって、いいんですぜ」
「そうか」
それももう無理だけど。
俺が薬を持ってきたって高杉は飲まないし、飲んでも白詛は治らない。いまのこの人は俺よりも遙かに弱い。牙を失った上に病を患う獣だ。
壊すものがなくなったからって、こんな訳の分からないものにかかりやがって。
「おまえの匂い嗅ぐと腹が減る」
「……泊まってってやりやすから、気の済むまで食べなせぇ」
「俺の気が済むまで、お前を閉じこめてやろうか」
「あの女に怒られまさァ」
俺だって、できるなら死ぬまでずっと傍にいて看取ってやりたいけど。俺の優先順位はいつだってあの人だから。
それを知ってる高杉は、俺をどうこうできやしない。それが悲しい。
好きにして、いいのに。
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