梅々
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キャンディライン
ルートヴィッヒ革命という漫画をまたもやよんだけど、やっぱり由貴香織里さん大好きです。ルーイ王子かっこよすぎ。ハイドのイメージです。ドラマCDじゃ杉田さんなんだよね、聞きたいな。
グリム童話を元にした話なので興味ある人はよんでみるべし。絵も綺麗で憧れます。
あとG線上の猫はBL嫌いな人にもよんでほしい・・・。硝子より繊細です、あれは。
では、久々の沖楽。
スランプかな。
グリム童話を元にした話なので興味ある人はよんでみるべし。絵も綺麗で憧れます。
あとG線上の猫はBL嫌いな人にもよんでほしい・・・。硝子より繊細です、あれは。
では、久々の沖楽。
スランプかな。
その瞳に私を映したい。
ママにはないしょ
すうすうと眠るのを上からじぃっと眺めていると、ううん、と唸って目の前で眠っているやつは寝返りを打った。眉根が寄っている。悪夢でも見ているんだろうか。太陽に反射する髪は清々しくて綺麗なのに、苦悶の表情。
仏心がひょっこり顔を覗かせて、大丈夫かと前髪に覆われた額に触れる。
がしっ。
「っ・・・!」
「姉上」
「―――」
「・・・あれ、チャイ・・・ナ?」
掴まれた手は意識が戻ると同時に離された。
男にしては白い色をした瞼が、赤い瞳を露にする。
目覚めたばかりで半ば虚ろなそれが、私の姿を映し、きょとんと数回瞬きしてううんと少し伸びる。
私も覗き込むようにしゃがんでいたのを止めて、沖田が寝転んでいたベンチに座る。数十センチの感覚を開けて、座る。
「・・・なに、寝込み襲おうとしたんで? いやん」
「いやんじゃねーヨ。魘されてたから、仏心が」
「・・・うそ、」
ぱちくりと此方を見る瞳が本当に驚いていたから私までもが驚いた。おやおや、本人的には吉夢だったらしい。
なのに、何故魘されていたの?
陽はまだまだ高いままで、傘から手を離せなくて、空いているのは片手だけ。
両手空いてれば抱き締められるのに。無理なことが残念なのか幸運なのか。今の私には分からない。
考え事をしている沖田の視線を、此方に向けることも。
「アイマスクはどうしたアルカ」
「洗濯中でさァ。予備も汚しちまって。おまえはなに、散歩?」
「まぁ、そんなとこヨ」
それで偶然この公園で昼寝している姿を見掛けたから、こうして今に至る。
銀時からその話を聞いたのは一昨年のことだった。どこも怪我をしていないのに、痛そうな顔をしていたとき。神楽は大切なものあるか、きかれて即頷くと優しい微笑を浮かべてそうだよなと呟いた。
『大切なものには、それがエゴだとしてもあるべき姿であるべき場所に、あってほしいよな・・・』
意味深な言葉。それに私も当てはまって。
似ているのか、つまり私と沖田は。
「あー・・・暑い・・・」
「こんなんでばててたら夏はやってけないネ。このマダオが!」
「俺じゃなくて土方さんでさ、マダオは」
「どっちもどっちアル」
あのマヨラーこと土方も、多分関係者。二人が見廻りしているのを見掛けて、だけどどこか違和感を感じたのをまだぼんやりと覚えている。傷を舐め合うのが嫌いだというその矜恃は、誇り高い証拠なのだろうか。
いまではすっかり元通りだけれど。
羨ましい、傍にいられることが。私も沖田の傍にいたい。だけど、無理なのは分かっているから。
傍にいたって、沖田の一番に私はなれない。
「まだ辛いアルカ」
「・・・ひみつでィ」
「無理するのはよくないヨ」
「・・・優しいフリすんじゃねぇや」
言葉の割に声は優しく揺れていて、そっちこそと返したくなった。
そう、優しいのはおまえ。私じゃない。私はただの我が儘に過ぎないから。
名前を呼んで胸が苦しくなるような、そんなに大切な人が近藤以外にもいたのだと、初めて知って、嫉妬を少しだけしている。
醜いだなんて、今更だ。
「そんなに姉ちゃん好きだったカ」
「・・・・・・ああ。ずっと、好きでさ。これからも」
「ふーん・・・」
そんな断言されたら、私にはどうしようもない。同情したって意味ないし、私には、本当に何も。
そうと分かったら此処にいる意味なんかなく、立ち上がる。
「チャイナ・・・」
「あばヨ。私は帰るネ」
立ち去ろうとするけれども、くいっと袖を引かれた。
徐に振り返る、その目には私だけが映っている。
「まだいろよ、酢昆布買ってやるから」
「・・・別に、そんなのいらないアル」
ただ、求めてくれるなら。
ママにはないしょ
すうすうと眠るのを上からじぃっと眺めていると、ううん、と唸って目の前で眠っているやつは寝返りを打った。眉根が寄っている。悪夢でも見ているんだろうか。太陽に反射する髪は清々しくて綺麗なのに、苦悶の表情。
仏心がひょっこり顔を覗かせて、大丈夫かと前髪に覆われた額に触れる。
がしっ。
「っ・・・!」
「姉上」
「―――」
「・・・あれ、チャイ・・・ナ?」
掴まれた手は意識が戻ると同時に離された。
男にしては白い色をした瞼が、赤い瞳を露にする。
目覚めたばかりで半ば虚ろなそれが、私の姿を映し、きょとんと数回瞬きしてううんと少し伸びる。
私も覗き込むようにしゃがんでいたのを止めて、沖田が寝転んでいたベンチに座る。数十センチの感覚を開けて、座る。
「・・・なに、寝込み襲おうとしたんで? いやん」
「いやんじゃねーヨ。魘されてたから、仏心が」
「・・・うそ、」
ぱちくりと此方を見る瞳が本当に驚いていたから私までもが驚いた。おやおや、本人的には吉夢だったらしい。
なのに、何故魘されていたの?
陽はまだまだ高いままで、傘から手を離せなくて、空いているのは片手だけ。
両手空いてれば抱き締められるのに。無理なことが残念なのか幸運なのか。今の私には分からない。
考え事をしている沖田の視線を、此方に向けることも。
「アイマスクはどうしたアルカ」
「洗濯中でさァ。予備も汚しちまって。おまえはなに、散歩?」
「まぁ、そんなとこヨ」
それで偶然この公園で昼寝している姿を見掛けたから、こうして今に至る。
銀時からその話を聞いたのは一昨年のことだった。どこも怪我をしていないのに、痛そうな顔をしていたとき。神楽は大切なものあるか、きかれて即頷くと優しい微笑を浮かべてそうだよなと呟いた。
『大切なものには、それがエゴだとしてもあるべき姿であるべき場所に、あってほしいよな・・・』
意味深な言葉。それに私も当てはまって。
似ているのか、つまり私と沖田は。
「あー・・・暑い・・・」
「こんなんでばててたら夏はやってけないネ。このマダオが!」
「俺じゃなくて土方さんでさ、マダオは」
「どっちもどっちアル」
あのマヨラーこと土方も、多分関係者。二人が見廻りしているのを見掛けて、だけどどこか違和感を感じたのをまだぼんやりと覚えている。傷を舐め合うのが嫌いだというその矜恃は、誇り高い証拠なのだろうか。
いまではすっかり元通りだけれど。
羨ましい、傍にいられることが。私も沖田の傍にいたい。だけど、無理なのは分かっているから。
傍にいたって、沖田の一番に私はなれない。
「まだ辛いアルカ」
「・・・ひみつでィ」
「無理するのはよくないヨ」
「・・・優しいフリすんじゃねぇや」
言葉の割に声は優しく揺れていて、そっちこそと返したくなった。
そう、優しいのはおまえ。私じゃない。私はただの我が儘に過ぎないから。
名前を呼んで胸が苦しくなるような、そんなに大切な人が近藤以外にもいたのだと、初めて知って、嫉妬を少しだけしている。
醜いだなんて、今更だ。
「そんなに姉ちゃん好きだったカ」
「・・・・・・ああ。ずっと、好きでさ。これからも」
「ふーん・・・」
そんな断言されたら、私にはどうしようもない。同情したって意味ないし、私には、本当に何も。
そうと分かったら此処にいる意味なんかなく、立ち上がる。
「チャイナ・・・」
「あばヨ。私は帰るネ」
立ち去ろうとするけれども、くいっと袖を引かれた。
徐に振り返る、その目には私だけが映っている。
「まだいろよ、酢昆布買ってやるから」
「・・・別に、そんなのいらないアル」
ただ、求めてくれるなら。
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