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梅々

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めりくり

たくさんの拍手ありがとうございます!!
古いのは読み返せないです。

そしてメリクリです。
バイトでサンタさんのかっこしてきました。

そして慌てん坊のサンタクロースからの恋人はサンタクロースネタ。銀沖。









その人と出会ったのはずっと昔のことだ。
姉上が入院してしまい、情けないことに心細くて一人泣いていた、十一月の夜のこと。その人はがちゃりと俺の部屋のドアを開けた。
赤い帽子に赤い服、白いふわふわの髪に白くて大きな袋。
サンタさんだ、と幼気な俺は喜ぼうとして
、けれどまだその日ではないことに首を傾げた。
なのでとりあえず、本当にサンタなのかを確かめた。
「サンタさん?」
「他に何に見えんの」
冷たくそう返して、あーあとかなんとかぼやきながらそのうさんくさいサンタは、白い袋を漁りだした。
「なんで泣いてたの」
その場つなぎか話しかけられて、漸く自分が泣きやんでいたことに気づいた。
未だ頬に残る涙を手の甲で拭って、すんと鼻を啜る。
「姉上が、入院してるから」
「死ぬの?」
「死なない!」
ひどい言葉にむっとして噛みつくように返せば、自称サンタは俺を見てふっと笑った。
「なら泣くんじゃねぇよ」
思えばこのとき、俺は恋に落ちていたのだ。たとえ間違えて十一月に来ちゃったような、そんなサンタでも。俺にとってはただ一人の好きな人になった。


「じゃあ行ってくる」
自称サンタなだけではなく本当に職業がサンタなこの銀髪天然パーマは名を銀時という。俺はその名を呼んだことがないけれど。俺にはもうサンタは来なくなってしまったけど、この人は相変わらずこの時期になると赤い服を身にまとい子どもたちにプレゼントを渡し歩く。
「行ってらっしゃい、旦那」
それを玄関で見送る立場になったのは一昨年のことで、告白した俺をいやそうな目で見ながらも、受け入れてくれた。
そして、以前よりはあたりが柔らかくなったのでいやいや受け入れたとかではないはず。
「沖田君、それだけ?」
「……旦那だって俺にプレゼントくれねぇじゃねぇですか」
拗ねたように言うものだから俺も、拗ねたふりをして返す。
すると、仕方ないなぁとでも言うように笑う。
「帰るまで待ってなよ」
「じゃあ旦那も」
それじゃ趣旨変わるだろって言いながら、俺の腰をぐっと抱き寄せて唇を奪う。
思いの外甘いなぁと顔を緩ませながら俺からも、唇を寄せる。
「がんばってきてくだせぇ、サンタさん」

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