梅々
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苦笑だらけの新年さ
今日、更新二回目です(*^^*)
この努力を、自分を、新年早々誉めたい。
真っ昼間から土沖トークをしてましたからね、メールで友人と。今年がどんな年か大体わかりますね。
それでは沖土で新年ネタ。
最近CMでやってる、お札一枚で家が建つってヤツ見て思いついた。
この努力を、自分を、新年早々誉めたい。
真っ昼間から土沖トークをしてましたからね、メールで友人と。今年がどんな年か大体わかりますね。
それでは沖土で新年ネタ。
最近CMでやってる、お札一枚で家が建つってヤツ見て思いついた。
契りきな かたみに袖を しぼりつつ
末の松山 波越さじとは
15cmの恋愛事情
コンコン、と窓を叩く音のすぐ後に、ガラガラと窓が開いた。そこから覗いたのは当たり前だが、隣の家の向かい部屋の住人、沖田だった。
「土方さん」
「ンだよ」
開いていたテキストを閉じ、椅子ごと振り返ると、身を乗り出し土方の家の窓枠に頬杖をつき沖田は白い息を吐いていた。
隣の部屋から聞こえる、騒がしいテレビの音ではたと思い出した。
そうか。今日は大晦日だ。
だから夜が更けても近隣の家は騒がしいのか。今日はずっと家に居たから何の日だか分からなかった。
「ココア飲みてぇでさァ」
「てめぇの家で飲めばいいだろ」
「それが、俺ン家にはココアの粉がねぇんでさァ」
「・・・・・・・・・・・・上がれよ」
土方がそう言うであろうことはわかっていただろうに、沖田は律儀にその言葉を聞き終えてから部屋の中に入ってきた。
よくよく見ると、手にお年玉を入れるような和風の封筒を持っていた。
沖田はお年玉をくれる歳でも性格でもない。ならば、何が入っているのだろう。
「早く煎れてきなせぇよ」
「・・・ちゃんと窓閉めとけよ」
肩越しに気の抜けるような返事を聞き、台所へと向かう。
俺の家だと言うのに、沖田専用のマグカップがある、という事実に俺以外のこの家の住人は何の違和感も疑問も感じていない。それ程土方家と沖田家が親密なのだけど、流石に違和感ぐらいは感じて欲しい。俺の部屋に沖田がいても、ごく普通に家の掃除手伝わせたり風呂の準備が出来たから何なら一緒に入っちまえだの言わないで、一応よその家の人間なのだから“客”として扱うべきだ。
人の事、言えないかもしれないが。
二人分のココアを持ち部屋に戻ると、さっき沖田の部屋でつけていただろう番組が、土方の部屋のテレビでもついていた。
「ちゃんと砂糖二杯入れやした?」
「ったりめぇだろ。入れなきゃ文句言うだろ、お前」
「勿論言いまさァ」
部屋の中央に置いてあるテーブルにカップを置き、机へ向かおうとするとシャツの裾を掴まれた。
滑りそうになり慌てて振り返ると、思いの外真剣な顔をしていて拍子抜けした。
「転ぶトコだったんだけど?」
「こんな年の暮れまで、勉強しなくったっていいじゃねぇですかィ」
「あのな、受験生だろ? 俺ら」
「あ~・・・じゃあ、いいでさァ」
パッと指先が離れ、温いカップを両手で包み沖田は膝に顎を乗せ丸まった。
その背中が、いつも憎まれ口を叩いている奴とは別人のように弱々しく寂しそうに見えた。
いくら何でも、冷たくしすぎか。
それに、今日(といってもあと数時間だが)明日勉強しなくても落ちはしないだろうし。
「総悟」
「もういいでさァ。あんたなんか一生勉強してりゃあいいんです。俺はもうあんたなんか知んねー」
「今日明日は勉強しねぇから」
「あんた程嘘が上手な人はいやせんよ」
沖田はうつむき気味に、いじけたようにカップを回す。きっと、口をヘの字にし、ふてくされた表情をしているだろう。
子どもの頃も、いじけた時はそうしていたから。
ポンポンと頭をあやすように叩き、隣に腰を下ろす。
「・・・嘘じゃねぇよ」
「これから三日まで、勉強しねぇで俺の傍にいるって約束できやす?」
「余裕でしてやるよ」
「それじゃあ、」
顔を上げてにっこりと微笑み、沖田はカップをテーブルに置いた。
そのまま土方に抱きつき、後ろへ押し倒す。
「これ、あげやす」
そう言い土方の眼前に出されたのは先程土方が気にかけた封筒だった。
受けとり、恐る恐る中身を見る。
『誘い受け券』
そう書かれた紙切れが、四五枚。
「・・・・・・・・・何スかコレ」
「だから、あんた口にだしてヤってって言えないだろうから、そーゆー気分の時はこれを出してくれれば俺がその気じゃなかろうと可愛がってやりやすよ、って券」
「こんなモンいらねぇ・・・っ!」
「・・・・・・あんたに使って欲しくて作ったんですけどねィ」
演技だとわかっているのだけど、悲壮感漂う表情に罪悪感が生まれる。
確かに、そういう気分になっても誘うなんざ出来ねぇけど。使う方が言うよりも恥ずかしい気がする。
・・・どうせなら、こういう、時間の問題でって感じな時に使ったほうがいいのではないか?
「・・・じゃあ、今一枚使う」
「・・・なんかYes・No枕みてぇ」
自分でも同じことを思ったけれど、指摘されると急に恥ずかしくなる。
「これからも、末永くよろしくお願いしまさァ」
「・・・嫌だけどな」
離れられないだろう。
ずっと。
#42
末の松山 波越さじとは
15cmの恋愛事情
コンコン、と窓を叩く音のすぐ後に、ガラガラと窓が開いた。そこから覗いたのは当たり前だが、隣の家の向かい部屋の住人、沖田だった。
「土方さん」
「ンだよ」
開いていたテキストを閉じ、椅子ごと振り返ると、身を乗り出し土方の家の窓枠に頬杖をつき沖田は白い息を吐いていた。
隣の部屋から聞こえる、騒がしいテレビの音ではたと思い出した。
そうか。今日は大晦日だ。
だから夜が更けても近隣の家は騒がしいのか。今日はずっと家に居たから何の日だか分からなかった。
「ココア飲みてぇでさァ」
「てめぇの家で飲めばいいだろ」
「それが、俺ン家にはココアの粉がねぇんでさァ」
「・・・・・・・・・・・・上がれよ」
土方がそう言うであろうことはわかっていただろうに、沖田は律儀にその言葉を聞き終えてから部屋の中に入ってきた。
よくよく見ると、手にお年玉を入れるような和風の封筒を持っていた。
沖田はお年玉をくれる歳でも性格でもない。ならば、何が入っているのだろう。
「早く煎れてきなせぇよ」
「・・・ちゃんと窓閉めとけよ」
肩越しに気の抜けるような返事を聞き、台所へと向かう。
俺の家だと言うのに、沖田専用のマグカップがある、という事実に俺以外のこの家の住人は何の違和感も疑問も感じていない。それ程土方家と沖田家が親密なのだけど、流石に違和感ぐらいは感じて欲しい。俺の部屋に沖田がいても、ごく普通に家の掃除手伝わせたり風呂の準備が出来たから何なら一緒に入っちまえだの言わないで、一応よその家の人間なのだから“客”として扱うべきだ。
人の事、言えないかもしれないが。
二人分のココアを持ち部屋に戻ると、さっき沖田の部屋でつけていただろう番組が、土方の部屋のテレビでもついていた。
「ちゃんと砂糖二杯入れやした?」
「ったりめぇだろ。入れなきゃ文句言うだろ、お前」
「勿論言いまさァ」
部屋の中央に置いてあるテーブルにカップを置き、机へ向かおうとするとシャツの裾を掴まれた。
滑りそうになり慌てて振り返ると、思いの外真剣な顔をしていて拍子抜けした。
「転ぶトコだったんだけど?」
「こんな年の暮れまで、勉強しなくったっていいじゃねぇですかィ」
「あのな、受験生だろ? 俺ら」
「あ~・・・じゃあ、いいでさァ」
パッと指先が離れ、温いカップを両手で包み沖田は膝に顎を乗せ丸まった。
その背中が、いつも憎まれ口を叩いている奴とは別人のように弱々しく寂しそうに見えた。
いくら何でも、冷たくしすぎか。
それに、今日(といってもあと数時間だが)明日勉強しなくても落ちはしないだろうし。
「総悟」
「もういいでさァ。あんたなんか一生勉強してりゃあいいんです。俺はもうあんたなんか知んねー」
「今日明日は勉強しねぇから」
「あんた程嘘が上手な人はいやせんよ」
沖田はうつむき気味に、いじけたようにカップを回す。きっと、口をヘの字にし、ふてくされた表情をしているだろう。
子どもの頃も、いじけた時はそうしていたから。
ポンポンと頭をあやすように叩き、隣に腰を下ろす。
「・・・嘘じゃねぇよ」
「これから三日まで、勉強しねぇで俺の傍にいるって約束できやす?」
「余裕でしてやるよ」
「それじゃあ、」
顔を上げてにっこりと微笑み、沖田はカップをテーブルに置いた。
そのまま土方に抱きつき、後ろへ押し倒す。
「これ、あげやす」
そう言い土方の眼前に出されたのは先程土方が気にかけた封筒だった。
受けとり、恐る恐る中身を見る。
『誘い受け券』
そう書かれた紙切れが、四五枚。
「・・・・・・・・・何スかコレ」
「だから、あんた口にだしてヤってって言えないだろうから、そーゆー気分の時はこれを出してくれれば俺がその気じゃなかろうと可愛がってやりやすよ、って券」
「こんなモンいらねぇ・・・っ!」
「・・・・・・あんたに使って欲しくて作ったんですけどねィ」
演技だとわかっているのだけど、悲壮感漂う表情に罪悪感が生まれる。
確かに、そういう気分になっても誘うなんざ出来ねぇけど。使う方が言うよりも恥ずかしい気がする。
・・・どうせなら、こういう、時間の問題でって感じな時に使ったほうがいいのではないか?
「・・・じゃあ、今一枚使う」
「・・・なんかYes・No枕みてぇ」
自分でも同じことを思ったけれど、指摘されると急に恥ずかしくなる。
「これからも、末永くよろしくお願いしまさァ」
「・・・嫌だけどな」
離れられないだろう。
ずっと。
#42
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