梅々
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猪鹿蝶
祖母と花札をやっておりました。勝率は六割程度。今日は不調。それも此れも腹痛の所為だ。
久々に銀魂ゲームをやりました。
そして、切なくなった。
攻撃銀玉の激辛煎餅、威力が弱いので殆ど使わなかったんだけど気まぐれで使ってみたんです。土方で。
そしたらコメントが、
「ミツバが好きだったな………」
的なので、沖田は、
「…………………」
で。
不意打ちだろ、卑怯なっ(;o;)
絶対もう使えない………。
それでは百人一首。土方病ネタ。
久々に銀魂ゲームをやりました。
そして、切なくなった。
攻撃銀玉の激辛煎餅、威力が弱いので殆ど使わなかったんだけど気まぐれで使ってみたんです。土方で。
そしたらコメントが、
「ミツバが好きだったな………」
的なので、沖田は、
「…………………」
で。
不意打ちだろ、卑怯なっ(;o;)
絶対もう使えない………。
それでは百人一首。土方病ネタ。
有馬山 猪名の笹原 風吹けば
いでそよ人を 忘れやはする
菊の心中
何度叫んでもこの声は君に届かない。
そして僕は悟るんだ。
チクタク、チクタク、と規則的な音が暗闇を支配している。
じっと体育座りを崩さず、膝にうめていた顔を上げるといつの間にか日が暮れていたらしい。辛うじて布団は見えるが、他の調度品は一切見えない程暗かった。
昼間は賑やかな屯所も夜は皆寝静まり、大広間辺りは寝鼾が不協和音を奏でているだろうが、副長室までは流石に届かない。
もぞ、と目の前の布団が少し動いた。
人影にビクリと肩を揺らしたが、それが俺かもしれないと気付き、詰めていた息を吐きつつ、口を開いた。
「……総悟?」
「何ですかィ」
徐に土方は上半身を起こし、行灯にライターで火をつける。
ぼんやりと、部屋を照らす明かりが煩わしい。
コホ、コホッと土方は咳き込み、羽織を肩にかける。
「ひでぇ顔してんな、お前」
「あんたのほうが、」
やつれている。
病人だから仕方がないといえばそれで片は付く。病気など、土方には似合わないが。
思いもよらなかった。土方がこうなるなんて。
なんて自分は全てを楽観していたのだろう。此の世を過信為過ぎていた。
嗚呼、なんて愚かなのだろう。嘆いて嘆いて─────知らぬ間に一日は終わっていた。
「……お前、泣いてんのか」
「泣いてなんか、いない」
それでもポトリ、ポトリ。涙は無意識に落下する。(此の儘渇れ果ててしまえばいい。)
涙が落ちる理由なんて、識らない。(嘘。本当は誰よりあがいているから)
不特定多数の命より、
此の世の存続より。
(あんたの命が、俺の存在理由。)
「…さっさと自分の部屋戻れよ。うつるぞ」
「俺だってさっさと、帰りたい」
気付かなければ良かった。
あんたの命の重さ。
重すぎて、堪らない。
だから足が動かない。苦しむあんたを早く─────。(視てるだけで俺はズタズタだ。だけど、)
終わりが近いと識ったから、一分一秒もこの瞳からあんたを消したくない。
絶望より破滅的願望が勝っている。
あんたにとっては、嫌がらせか。
─────最後の。
「……早く死ねよ、土方」
「言われなくても、すぐ死ぬ」
諦めは絶望より残酷だと、あんたは識らない。(だから醜く生にしがみついてよ)
詰まらない。
詰まらない詰まらない。
あんたが、いなくちゃ(恋慕にも似たこの想いは何)
「─────生きててくだせぇよ」
「ムリなこと、言うなよ」
ポタポタと、止まない涙。餓鬼だから諦めが悪い。
俺の心臓は今にも止まりそうだというのに。(其れも此れも、あんたの所為だ)
明日、明後日死ぬのなら、今すぐ死んで。
「─────悪ィな、総悟」
「謝ったって、許しやせんよ」
さようなら、なんてしてやらないから。
(だからお願い、生き続けて)
#58
いでそよ人を 忘れやはする
菊の心中
何度叫んでもこの声は君に届かない。
そして僕は悟るんだ。
チクタク、チクタク、と規則的な音が暗闇を支配している。
じっと体育座りを崩さず、膝にうめていた顔を上げるといつの間にか日が暮れていたらしい。辛うじて布団は見えるが、他の調度品は一切見えない程暗かった。
昼間は賑やかな屯所も夜は皆寝静まり、大広間辺りは寝鼾が不協和音を奏でているだろうが、副長室までは流石に届かない。
もぞ、と目の前の布団が少し動いた。
人影にビクリと肩を揺らしたが、それが俺かもしれないと気付き、詰めていた息を吐きつつ、口を開いた。
「……総悟?」
「何ですかィ」
徐に土方は上半身を起こし、行灯にライターで火をつける。
ぼんやりと、部屋を照らす明かりが煩わしい。
コホ、コホッと土方は咳き込み、羽織を肩にかける。
「ひでぇ顔してんな、お前」
「あんたのほうが、」
やつれている。
病人だから仕方がないといえばそれで片は付く。病気など、土方には似合わないが。
思いもよらなかった。土方がこうなるなんて。
なんて自分は全てを楽観していたのだろう。此の世を過信為過ぎていた。
嗚呼、なんて愚かなのだろう。嘆いて嘆いて─────知らぬ間に一日は終わっていた。
「……お前、泣いてんのか」
「泣いてなんか、いない」
それでもポトリ、ポトリ。涙は無意識に落下する。(此の儘渇れ果ててしまえばいい。)
涙が落ちる理由なんて、識らない。(嘘。本当は誰よりあがいているから)
不特定多数の命より、
此の世の存続より。
(あんたの命が、俺の存在理由。)
「…さっさと自分の部屋戻れよ。うつるぞ」
「俺だってさっさと、帰りたい」
気付かなければ良かった。
あんたの命の重さ。
重すぎて、堪らない。
だから足が動かない。苦しむあんたを早く─────。(視てるだけで俺はズタズタだ。だけど、)
終わりが近いと識ったから、一分一秒もこの瞳からあんたを消したくない。
絶望より破滅的願望が勝っている。
あんたにとっては、嫌がらせか。
─────最後の。
「……早く死ねよ、土方」
「言われなくても、すぐ死ぬ」
諦めは絶望より残酷だと、あんたは識らない。(だから醜く生にしがみついてよ)
詰まらない。
詰まらない詰まらない。
あんたが、いなくちゃ(恋慕にも似たこの想いは何)
「─────生きててくだせぇよ」
「ムリなこと、言うなよ」
ポタポタと、止まない涙。餓鬼だから諦めが悪い。
俺の心臓は今にも止まりそうだというのに。(其れも此れも、あんたの所為だ)
明日、明後日死ぬのなら、今すぐ死んで。
「─────悪ィな、総悟」
「謝ったって、許しやせんよ」
さようなら、なんてしてやらないから。
(だからお願い、生き続けて)
#58
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