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梅々

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命日。

沖田さん命日ですね。
合掌。
総司忌なるものがあるらしくて、それに参加したらお墓参り行けて講演も聞けちゃうらしいです。すごく行きたい。誰か一緒に・・・!

あと今日初めて知ったのですがジャンヌダルクと東郷平八郎さんもだとか。三人とも好きだ。
東郷さんはギリシャだかでビールのラベルになってた。
明日リクエスト書けたらいいな!←
頑張ります。





ではちょっといやかなりスランプな感じですが沖田さん命日記念。記念っておかしい気がするけども。沖土チックをイメージしたけどただの沖田と土方です土下座。あっ、死ネタではないです。
ご冥福をお祈りします。
153年忌かぁ。














もっと心を砕いて

俺のことで





肉を切って





「痛い」

「うるせぇ我慢しろ」

 珍しく本気で土方さんが怒っていて、これ以上なんか言って理不尽に怒鳴られるのも気に入らないので意識を遠くへ向ける。ちょうどいい標的を発見した。天井のしみ。何か模様に見えないだろうか、余所事しても鈍い痛みは消えてくれない。ずきん、ずきん。脈動に従っている規則的な痛みに溜め息が漏れる。
 俺が打たれ弱いのは衆知の事実であるはずなのに、痛さに意識が向いて口数の少ない俺を、気味悪い表情で土方さんが見てくる。湿気た面で見られたらただでさえテンションが低いのにますます急降下する。

「おまえ、早く死んでくんねぇかな」

「聞き捨てならねぇ寝言ですねィ」

「寝ちゃあいねぇよ。本気で、」

 頬を冷たい指先でなぞりながらもう一度、早く死ねばいいと言った。
 その目が大真面目だからげんなりする。青みがかった鋭い目は反らされることなく、俺の顔をひたすらに見る。俺はそんなアンタの顔なんかみたくないってのに。
 土方さんの顔にもお揃いのガーゼが貼ってある。嬉しくないお揃いだ。それは向こうも同じように思っているはず。
 爆発に巻き込まれたのは誰の責任でもない。強いて挙げれば爆弾を投げたテロリストの所為であって、巻き込まれたのは自己責任。怪我もそうだ。それなのにこのあまっちょろい副長様は気に病んでいるらしい。
 ぐい、と空いている手で腕を掴まれ息がつまる。巻きたての真っ白いガーゼが赤く汚れた。

「痛いって、」

「俺の所為だろ」

「は?」

「俺の所為だろ、この怪我」

「アンタこそ死ねよ」

 嫌味ったらしく言うつもりがばか正直に思ったまま言ってしまった。言葉に撃たれた土方さんが息を飲むのと同時に手を振り払う。鈍いくせに鋭く感じる痛みに、また意識が向く。じわじわと血が滲んで包帯が駄目になっていく。これは明らかに土方さんの所為だけど、怪我したのは俺が悪い。
 爆発に巻き込まれはしたけれど風に押されて物が飛んできたぐらいで大したことはなかった。土方さんに愛されている顔はコンクリートの破片で切って、左の二の腕を飛んできた刀が運悪くかすったぐらいで問題はない。その刀が土方さんのだったぐらいで。避けれなかった俺と、爆風に巻き込まれて刀を手放した土方さんの二人の不注意で両成敗になるはずだ。
 なので責任を感じられても不快なだけだ。

「責任感じてんなら死んでくだせぇ」

「ふざけんな」

「アンタこそ。鬱陶しいんで傍に居ないでくだせェよ」

 分かりきっていることだろう。確かに刀を手放すとか本気で考えられないけれど避けられなかった俺が悪いし、かすっただけですぐに治る傷だ。
 殺したいぐらいに煩わしい。無意識なのか知らないけれど、全部の責任を負おうとするこの人が。

「・・・悪い」

「分かりやしたから」

 ぎゅっと背中に腕が回され抱き締められた。縋るような強さで抱き締められて息がつまりそうだ。肩口に顔が押し付けたまま、土方さんは離そうとしない。
 鬱陶しい。けれど、俺が死ぬかもしれないと思ってこうなっているのなら端的に言えば嬉しい。それがどの立場からのものかは知らないけれど俺を失いたくないと、この人が思っているのなら。

「アンタの死に顔拝むまで死にやせんよ。俺の言うこと一つ聞くってのでチャラにしてやりまさァ」

「・・・んだよ」

「ちゅー一回」

「はぁ!?」

 ばっと顔を上げた土方さんはきょとんとしていて、先程までの煩わしさがなくなって代わりに少し可愛く見えた。
 目を真ん丸くしたままの土方さんのガーゼが貼られた頬に触れ、爪を立てる。

「いっ・・・!」

「ほら、反省してんならちゅー」

「・・・嫌がらせだろただの」

「そうですぜ」

 それ以上でもそれ以下でもない。他意なんてありえるはずがない。ほら、と目を瞑って促すと、少しの間の後、ふわっと気配が動いた。
 音もなく唇が触れてきたのは額だった。ふわり、煙草の匂いが香る。
 瞼を開けると、険しい顔をしていた。それだけ嫌だったのか、それならしなきゃいいのにと思うけれど。

「・・・お前が怪我する度死にそうになる」

「はぁ」

「だから怪我なんざすんな。怪我するぐらいなら死にやがれ」

「今回はアンタの所為ですが」

 だから誠意見せただろ、と目を反らされた。それで分かった、険しい顔じゃなくて照れてるんだと。
 俺の怪我で神経磨り減らしたり可愛い顔をしたりする土方さんは嫌いじゃないかもしれない。なんて。包帯を変え直す指先を見ながら思った。

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