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梅々

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明日から六月・・・!

早いですね・・・。早すぎますね。五月病になった自覚はないのでよしとします。
もう半年が終わるのか。怒涛でした。いや振り返るのはまだはやい。

正座萌えなうです。ツイッターで爆発してました。近藤さんに叱られて正座している二人。土方は自己嫌悪で胸がいっぱい、沖田は珍しい土方の正座にムラッ。終わったあと土方の足が痺れるのがポイントです。で、そんな痺れた足を足で触りながらちゅうする沖田。仕返しの正座プレイ。
やばい。土方の足が痺れるっていうのが堪らないです。
正座は葬式の話で見れますよね。





では、84000打、聖様リクエストの第三者視点の土沖です!
不憫な役回りの彼が愛しい・・・←
素敵なリクエストありがとうございました!!
84000打ありがとうございますー!














羨ましいけど俺は、普通でいたい。





豆の木





 遠くから見たらそれはもう本当に、ただただ格好良い。見た目も声も立ち振舞いも、そしてその強さも。客観的に浅く捉えればそう思うのだ。例えばメディアを介したりだとか、チラリと見ただけだったりだとか。
 でも、近くにいると。

「山崎、一緒に丑の刻参りしやせん?」

「遠慮します」

「普通それ俺の前で言うか」

「ヤだなァ。誰もアンタを呪うっつってないでしょ。自意識過剰ですぜ。ま、どうしてもって言うなら呪ってやりやすがね」

「どうせ始めから俺を呪う気だろ!」

 近くにいると、それは幻想だったんじゃないかと思う。
 毎日毎日鬼ごっこして下らない喧嘩して八つ当たりされて巻き込まれて。心の中では十二分に呆れているけれど表には出していない。出したら殺される。でも、尊敬しているしこの立ち位置は居心地良い。上っ面ではない部分を見れるわけだし。
 局長と副長、そして沖田隊長の三人の輪の中には入れない。けれど、すぐ傍にいることができているから。

「んじゃあ山崎、見廻り行きやすか」

「はい」

「山崎、総悟を確り見張っとけ。サボらせるな」

「・・・はい」

「アンタこそ、それ俺の前でよく言えやすね」

「お前がサボり魔だからだろ!」

 ぎゃあぎゃあわいわい、痴話喧嘩が終わるのを待ってから沖田隊長と一緒に巡回へ向かう。空は青々としていて眩しい程で、風は少し強いが過ごしやすい気温だ。目の前の明るい髪が風に靡いてきらきらと、光を纏う。
 副長はとても端麗で男らしい。着痩せするタイプで脱いだら俺なんかよりもずっと筋肉があり、粋だし色気もある。中身も、マヨラーだったり幽霊が怖かったりはするが頭が切れる。策士策に溺れるとよくいうが、溺れたところなど見たことがない。そして真っ直ぐだ。真っ直ぐに真選組のことを思っている。局長を、隊士皆を大事に思っているのを知っている。鬼に徹しようとして徹しきれていない、だからこそ慕われているのだ。
 沖田隊長は綺麗で凛々しい。人形なんかよりも愛くるしい顔をしていて、そのくせ格好良いのだ。人知れず鍛えようと努力している割に、体質の所為か男にしては華奢で色も白い。見た目は中性的なのに性格は副長よりも男らしくて、ぶれることなく真っ直ぐに局長と副長を思って、真選組を支えている。その直向きな強さに何度助けられたことか。ザルだしドSだし文句言いたいことは沢山あるけれど慕われている、頼れる上司だ。
 結局は近くにいても格好良いのだと気付いたけれどそれはさておき、そんな上司二人ができてる事実が何よりも感慨深い。喧嘩している姿は痴話喧嘩にしか見えないけどまさかそれが本当に付き合ってるとは誰も思わないだろう。知ったところで大して驚きはしなかったけれど。

「隊長は、」

「うん?」

「副長のどこがお好きなんですか」

 立ち止まり、じぃっと見られ気まずくなる。こんなこと聞くのもあれだなとは思ったのだけれど。なんとなく気になった。惚れる要素の多い副長のどこが好きになったのか。
 二重の大きな瞳は珍しい色で、赤く澄んでいる。吸い込まれそうになるよりも緊張感を抱く。沖田隊長にじっと見られると。答えられないのだろう、殴られなかっただけマシだと思いながら前言を撤回する。

「あの、すみ・・・」

「冷やしぜんざい奢ってくれりゃ話してやらァ」

 にんまり、笑った隊長に是非と頷いて巡回の軌道からは外れ甘味処へ入った。





 あーとかんーとか言えるものなら言いたいけれどできないまま数分が経って今に至っている。これは出直すべきなのか。でも今夜中に出せと言ったのは副長だ、出さなきゃ理不尽だけど怒られる。ぐだぐだここで考えるのも地獄だ。
 縁側に正座して、正面の障子の隙間から室内を見る。控え目な音を立て舌を絡め合う上司二人がそこにいる。ずっとキスしている。体をまさぐり合いながら。

『真選組のために全部捨てたって顔しながら、何にも捨てられない可哀想なところに同情してるんでさ』

 そう言ったとき、どんな顔をしていたか本人は気付いていないだろう。ぜんざいをかき混ぜながら、優しく微笑んでいた。お姉さんに、似たその表情に偽りはないだろう。同情なんかじゃなくて純粋に副長を思っている。
 予想外の答えだったけれど隊長らしいと思った。そんな副長だからこそ、ってやつだ。
 だからこそ、隊長は抱かれるんだろうなとぼんやり思う。

「っん、」

「総悟・・・」

「ぁ、ん・・・っ」

 情欲なんて言葉の似合わない顔が欲に染まりきって鼓膜に残る声を上げ、余裕のなさそうな低い声が、俺まで照れそうな囁きを溢す。昼は淑女、夜は云々ってこういうことで、声だけで孕むってこういう声だ。こんな、淫猥な二人を平常心を保って見ていられないと静かに腰を上げた、そのとき。
 チラリ、副長が此方を見て笑った。
 やっぱり当て付けかと足早に去る背中にクスクスと笑い声まで聞いて、カッとなるよりも先ず信頼されてるんだと思った俺は、あの二人に調教されたに違いない。
 付き合ってるのを知ってるのは俺だけで、あまり露見することを良しとしない関係だ。カッとなって俺が誰かに愚痴として言うんじゃないかとか思ってない、ってこととして受け取った。馬鹿なだけかもしれないけれど。
 本当に、最高の上司だけど最低な上司だ。

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