梅々
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羞恥
小説を読み返すのはいい暇潰しであるが、恥ずかしくて堪らない。
自分で書いたやつはツボを押してるから話的には好きなんだけれども拙くて困る。
振り返っちゃダメなんですよね。
というかネウロが。サイが最終回に出てきたのは嬉しいけれど。終わっちゃうんだなー。短いよー。
・・・・・・・・・ガンダムも終わっちゃうんだよなァ。
それでは沖土連載。今月二回目ッ!!
自分で書いたやつはツボを押してるから話的には好きなんだけれども拙くて困る。
振り返っちゃダメなんですよね。
というかネウロが。サイが最終回に出てきたのは嬉しいけれど。終わっちゃうんだなー。短いよー。
・・・・・・・・・ガンダムも終わっちゃうんだよなァ。
それでは沖土連載。今月二回目ッ!!
素直な想いだけを伝えられればいいのに。この口は、余計な言葉しか紡がなくて。
本当に、伝わっているのだろうか?
醜いまでに純粋なこの気持ちは。
Diletto 第十三話
夢現に総悟の声が聞こえた。
『あんたに全部、話してやりまさァ。・・・文化祭が終わったら』
優しい声に重い瞼を開けると、総悟はそっと唇を重ねてきた。刹那だけ触れ、離れていったその温もりに安堵し、再び瞼を閉じる。
サワリ、と頭を撫でられ、意識が混沌としていく。
『土方さん、行ってきまさァ・・・』
ムクッ、と起き上がると既に布団には総悟の姿は無かった。
それじゃあ、あれは夢ではないのだろうか。
寝起きの一服をしつつぼんやりと考えて少し、照れる。なんだか、思い返してとても恥ずかしい。頭を撫でられて、微笑んでしまった気がする。
まどろみが心地よかったのは総悟の温もり故か。
あの甘い香りが傍にあることが、いつの間にか当たり前になっていた。それなのに、一週間も離れていたから、余計。
恋しくて、満たされたくて。
麻薬のようだ。依存性が高く、一度味を知ると止められなくなる。
(なんて本人には決して言えない)
吸い終えた煙草を灰皿に擦りつけ、若干の空腹をしのぐためコップいっぱいに水を入れ、一気に飲み干す。
総悟の通っている大学は少し此処から遠い。
だからといって、今家を出ても早くつき過ぎてしまう。だが、このまま家にいてもすることはない。
もう、行ってしまうか。駅付近で時間潰せばいいんだし。
フゥ、と一息つき、身支度をしに寝室へと戻った。
大層な賑わいだ。
校門を行き交う人の数も多く、屋台でのやりとりや客寄せなどの喧騒が耳に届く。
久々だ。こういった人が大勢いるところに、仕事以外で来るのは。
バレたら色々と面倒だと、今まで買い物ぐらいしか出かけなかったから。・・・総悟が家に来てからは別だが。それでも、あまり出掛けないのは変わらない。
引きこもりじゃねーか? それって・・・。
門をくぐった所で渡されたビラの裏一面に、総悟が出る劇の広告があった。
椅子に座りきらびやかな衣装を纏った総悟の写真と、総悟と見たことのある男がキスしそうな雰囲気の写真。おまけにその写真の隅には『このあと二人は・・・!?』とまで書いてある。
ぐしゃり、と紙を握り潰してしまい、慌てて広げて時間や場所などを見直す。
「ひっじかったさーん」
「・・・総悟」
バタバタと、いつかのように走りよって来るのは見慣れた人物なのだが。
写真に写っていたのと似たような衣装と薄い化粧の所為で女のように見える。
タタタ、と走ってきてるなと見ていたら勢いよく総悟はジャンプし─────抱きついてきた。
「あっぶね・・・!!」
倒れそうになるのを踏ん張って辛うじて回避し、やり場の無い手を総悟の背に回す。
「ったくあんた、またそんな見えすいた変装で・・・。まぁいいや。劇始まるまでデートしやしょ。あと、これ」
はい、と微笑と共に手渡されたのはチケットだった。
そうか。大学の劇だろうとチケットはあるのか。すっかり失念していた。
ざわざわと周りが俺らを眺め始め、総悟の手を引き一先ずこの場を立ち去る。
「ちゃんと来てくれるとは・・・驚きだァ」
「信用しろよ。・・・ってか、お前なんでそんなすげぇ格好してんだ?」
道行く人々が思わず振り向く。それは総悟の奇抜な格好の所為ではなくて、無機質なその美貌の所為だ。
人形─────。
残酷なまでに美しい人形に恋をして、幻想に浸るのは粋狂で滑稽なことなのだろうか。
極稀に、思う。
俺は粋狂な人間なんじゃないだろうかと。
無機質なはずがないのに。
総悟はちゃんと、普通に生きているというのに。
「女装に慣れろ、って。男がスカートなんざ穿いてもキモイだけだろうにねィ・・・」
─────似合っていると、言ったらいけないのだろう。
不機嫌な顔をして腕に腕を絡めてくる姿は、普段の総悟を知っている俺でも、女なんじゃないかと思うぐらいだ。
なんて思っていたら、クイ、と袖を引かれた。
ん? と顔を向けると、途端に口付けられた。チュッ、チュッ、と唇を啄まれ、ペロリと舐められる。
「っ・・・ん・・・」
「外でした初めてのチューじゃねぇですかィ?」
「・・・っにしやがんだ馬鹿野郎ッ!!!!」
ほらまた。
人目を引いた。
変装ったって帽子被った程度だ、総悟の言う通りバレやすい。それなのに、目立つようなことしてどうするんだ。
馬鹿だろ。それこそ馬鹿だろ。
「この格好なんだし、堅い事言いなさんな。俺ら恋人同士なんだから」
「ったく・・・。てめぇはよ・・・・・・」
『妥協してしまう俺も俺なのだ』と。
今まで何回も思ったことを、また繰り返し思う。
本当に、伝わっているのだろうか?
醜いまでに純粋なこの気持ちは。
Diletto 第十三話
夢現に総悟の声が聞こえた。
『あんたに全部、話してやりまさァ。・・・文化祭が終わったら』
優しい声に重い瞼を開けると、総悟はそっと唇を重ねてきた。刹那だけ触れ、離れていったその温もりに安堵し、再び瞼を閉じる。
サワリ、と頭を撫でられ、意識が混沌としていく。
『土方さん、行ってきまさァ・・・』
ムクッ、と起き上がると既に布団には総悟の姿は無かった。
それじゃあ、あれは夢ではないのだろうか。
寝起きの一服をしつつぼんやりと考えて少し、照れる。なんだか、思い返してとても恥ずかしい。頭を撫でられて、微笑んでしまった気がする。
まどろみが心地よかったのは総悟の温もり故か。
あの甘い香りが傍にあることが、いつの間にか当たり前になっていた。それなのに、一週間も離れていたから、余計。
恋しくて、満たされたくて。
麻薬のようだ。依存性が高く、一度味を知ると止められなくなる。
(なんて本人には決して言えない)
吸い終えた煙草を灰皿に擦りつけ、若干の空腹をしのぐためコップいっぱいに水を入れ、一気に飲み干す。
総悟の通っている大学は少し此処から遠い。
だからといって、今家を出ても早くつき過ぎてしまう。だが、このまま家にいてもすることはない。
もう、行ってしまうか。駅付近で時間潰せばいいんだし。
フゥ、と一息つき、身支度をしに寝室へと戻った。
大層な賑わいだ。
校門を行き交う人の数も多く、屋台でのやりとりや客寄せなどの喧騒が耳に届く。
久々だ。こういった人が大勢いるところに、仕事以外で来るのは。
バレたら色々と面倒だと、今まで買い物ぐらいしか出かけなかったから。・・・総悟が家に来てからは別だが。それでも、あまり出掛けないのは変わらない。
引きこもりじゃねーか? それって・・・。
門をくぐった所で渡されたビラの裏一面に、総悟が出る劇の広告があった。
椅子に座りきらびやかな衣装を纏った総悟の写真と、総悟と見たことのある男がキスしそうな雰囲気の写真。おまけにその写真の隅には『このあと二人は・・・!?』とまで書いてある。
ぐしゃり、と紙を握り潰してしまい、慌てて広げて時間や場所などを見直す。
「ひっじかったさーん」
「・・・総悟」
バタバタと、いつかのように走りよって来るのは見慣れた人物なのだが。
写真に写っていたのと似たような衣装と薄い化粧の所為で女のように見える。
タタタ、と走ってきてるなと見ていたら勢いよく総悟はジャンプし─────抱きついてきた。
「あっぶね・・・!!」
倒れそうになるのを踏ん張って辛うじて回避し、やり場の無い手を総悟の背に回す。
「ったくあんた、またそんな見えすいた変装で・・・。まぁいいや。劇始まるまでデートしやしょ。あと、これ」
はい、と微笑と共に手渡されたのはチケットだった。
そうか。大学の劇だろうとチケットはあるのか。すっかり失念していた。
ざわざわと周りが俺らを眺め始め、総悟の手を引き一先ずこの場を立ち去る。
「ちゃんと来てくれるとは・・・驚きだァ」
「信用しろよ。・・・ってか、お前なんでそんなすげぇ格好してんだ?」
道行く人々が思わず振り向く。それは総悟の奇抜な格好の所為ではなくて、無機質なその美貌の所為だ。
人形─────。
残酷なまでに美しい人形に恋をして、幻想に浸るのは粋狂で滑稽なことなのだろうか。
極稀に、思う。
俺は粋狂な人間なんじゃないだろうかと。
無機質なはずがないのに。
総悟はちゃんと、普通に生きているというのに。
「女装に慣れろ、って。男がスカートなんざ穿いてもキモイだけだろうにねィ・・・」
─────似合っていると、言ったらいけないのだろう。
不機嫌な顔をして腕に腕を絡めてくる姿は、普段の総悟を知っている俺でも、女なんじゃないかと思うぐらいだ。
なんて思っていたら、クイ、と袖を引かれた。
ん? と顔を向けると、途端に口付けられた。チュッ、チュッ、と唇を啄まれ、ペロリと舐められる。
「っ・・・ん・・・」
「外でした初めてのチューじゃねぇですかィ?」
「・・・っにしやがんだ馬鹿野郎ッ!!!!」
ほらまた。
人目を引いた。
変装ったって帽子被った程度だ、総悟の言う通りバレやすい。それなのに、目立つようなことしてどうするんだ。
馬鹿だろ。それこそ馬鹿だろ。
「この格好なんだし、堅い事言いなさんな。俺ら恋人同士なんだから」
「ったく・・・。てめぇはよ・・・・・・」
『妥協してしまう俺も俺なのだ』と。
今まで何回も思ったことを、また繰り返し思う。
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