梅々
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ルービックキューブは難解だ
今日空見たら雲が天の川みたいに白い帯状になっていて綺麗でした。あれは・・・四時半頃かな。しゃめりたかったです。
最近のマイブームがしょうが湯。市販のじゃなくて、手作りの。
チューブの生しょうが、さとうをコップに入れ、片栗粉を少々。それにお湯をじゃーといれれば手軽にしょうが湯が出来ます。
流行らしたい。風邪にいいんだぞ、多分!
それでは沖土連載。
銀さん好きなんだ、私。
最近のマイブームがしょうが湯。市販のじゃなくて、手作りの。
チューブの生しょうが、さとうをコップに入れ、片栗粉を少々。それにお湯をじゃーといれれば手軽にしょうが湯が出来ます。
流行らしたい。風邪にいいんだぞ、多分!
それでは沖土連載。
銀さん好きなんだ、私。
昔のことを思い返せば、世間一般でいう不幸の枠には入らない生活を送っていたけれど。
それでも俺は、幸せじゃないと感じた。
Diletto 第十七話
「ハァ・・・」
一日経つと嫌でも、頭は冷静になる。
昨日総悟を追い出してから、夕方までずっと何もやる気がせず、部屋でごろごろしていた。自分らしくない。
人生の汚点、とまではいかないけれど、それなりに俺は思い出したくないし話したくないと思う程、あの過去が嫌いだった。
父親の記憶は無い。姉の話によれば俺が生まれた頃に病死したらしい。母は―――――綺麗な人だった。精神は脆かったが。だから常に自分より強い者に頼っていなければ生きてゆけなかったのだろう、と今は思う。
その頃俺は未だ子どもで、男であって大人じゃなかった。頼れるわけがない。故に母に必要とされなかった。
他人を愛す余裕のない彼女には養う者にすぎなく、邪魔だったかもしれない。
もういない、彼女に何かを訊くことも求めることも出来ないけれど。
夕方になって、大分頭が覚めて総悟に電話をしてみた。だが、留守電に繋がるだけで十数回かけても無駄だったから、かけるのを止めた。
思えば。
知ったような気になっていたが存外、俺は総悟のことを知らない。
カメラが好きで、撮るのも上手。大学生で、それなりには真面目に勉強していること。料理はからっきし、土方スペシャルは食えるが嫌い、掃除とかも一応できて、生活態度は至って普通だ、手洗いうがいを律儀にする辺り。
そんな、どうでもいい知識だけを得て、過去のこととか友人関係とか、全く知らない。
全て知っているフリして。
今日の午後は雑誌のインタビューだけで、総悟に会える確率は零に近い。仕事で会う、明後日まで何もせずにいるなんて到底不可能だ。
“もっと知りたい”
今まで抱いたことのない想いが芽生えてしまったからには。
*
「どうした? 喧嘩でもした?」
「まぁ似たようなもんですねィ」
泊めてくれ、ときた如何にも訳ありに見える友人に、一日経ってから訊くとは大物なんじゃないだろうか、旦那は。まぁ、昔からそう思っていたけれど。
土方さん家とは真逆で、(世間一般で言えば普通だが土方さん家と比べると)狭い家、散らかってはいないが少し乱雑に整理された漫画とか。人間性出てるなぁと感心する。
窓の外は晴れている。風が強いのか雲がスムーズに流れていく。今頃はインタビュー受けてんだろうな、と考えていたらパチンとでこぴんをくらった。
「いった・・・! 何すんですかィ旦那ァ!」
「俺と居んのに他の事考えてっからだろ。銀さんだって嫉妬ぐらいしますぅ~」
冗談めいた口調、然しながら目は全然笑っていなくて。でこぴんした指で俺の頭を撫でてくる。
飴と鞭か。
いや、そうじゃなくて。
「俺にしろよ、総悟君」
「旦那、冗談は寝て言ってくだせぇ」
「冗談じゃないから起きて言ってるわけだけど」
そんなの、目を見れば分かるけれど。
そう言われたって、困る。旦那のことは好きだけれど。俺は土方さんが何よりも誰よりも一番だから。
あの人がいないのなら、世界なんていらないと思える程。
それに、旦那が愛すべき人は別に居る、そう思う。
「俺らは友達でさァ。友達ってのは何があっても切れない縁ですぜ。恋人同士とかとは違って」
「・・・でもよ、高望みしたくなるだろ? 総悟君だってそうだからアイツに近寄った」
「そりゃあ、そうですけど・・・」
「なら俺だって、高望みしていいだろ?」
何度も何度も困ったとき助けてくれた。その理由を、ずっと前、一緒に飲んだとき教えてくれたけれど。
“困ったとき頼ってくれるだけでいいんだよ。お前が他のヤツ好きだろうとさ。たなぼた狙ってっから”
いい人、なんだ。優しい人。
だから俺のエゴが通ってしまう。
何度も、何度も。
「・・・俺はいつ、恋人できるんだろうな~」
「旦那はかっこいいから直ぐに出来ると思いやすぜ?」
「言ったな。嘘だったらかっさらうから」
ごめんなさい、と思う。
口に出して言えないけれど。本当にそう思うのなら頼ったりするべきではないのだから、俺はやっぱり甘えてる。
土方さんにだってやはりそうなんだ。何度も入っていた不在着信、気付いてもかけ直さないのはそのままにしておいたって絶縁されるわけでもないし、と思っているから。
何もかもが望み通りにいく世の中じゃないのに。
次に電話がきたら出てみようか。でもそれじゃあ自分が堪えきれなくなったようで嫌だ。やっぱり明日まで、何もせずに。
焦っている様子を眺めていたい。
「明日、帰んだろ?」
「まぁ、多分」
「・・・ふーん」
言いながら台所へ向かい、俺が昨日、此処へ来るとき買ってきたコンビニのパフェを持ってきた。
コンビニのパフェというと安値に合うチープなものを想像しがちだが、これは値段の割に大きくて、見た目もよくて。買ってったら喜ぶだろう、というか自分も食べたいと思って買った。
さっきまでの話が嘘のように、旦那は目をキラキラさせてそれを食べ始めた。
子どもみたいだなぁ、と苦笑しつつ俺もそれを食べると、甘酸っぱい苺の味が口内を満たした。予想通りおいしくて、無駄な出費にならなくてよかったと安堵する。
「なぁ、総悟君」
「なんですかィ」
呼ばれて顔を上げると。
ちゅっ
刹那だけ、唇を重ねられる。
「えっ・・・?」
驚きのあまり固まると、寂しげな微笑が視界に写った。
それでも俺は、幸せじゃないと感じた。
Diletto 第十七話
「ハァ・・・」
一日経つと嫌でも、頭は冷静になる。
昨日総悟を追い出してから、夕方までずっと何もやる気がせず、部屋でごろごろしていた。自分らしくない。
人生の汚点、とまではいかないけれど、それなりに俺は思い出したくないし話したくないと思う程、あの過去が嫌いだった。
父親の記憶は無い。姉の話によれば俺が生まれた頃に病死したらしい。母は―――――綺麗な人だった。精神は脆かったが。だから常に自分より強い者に頼っていなければ生きてゆけなかったのだろう、と今は思う。
その頃俺は未だ子どもで、男であって大人じゃなかった。頼れるわけがない。故に母に必要とされなかった。
他人を愛す余裕のない彼女には養う者にすぎなく、邪魔だったかもしれない。
もういない、彼女に何かを訊くことも求めることも出来ないけれど。
夕方になって、大分頭が覚めて総悟に電話をしてみた。だが、留守電に繋がるだけで十数回かけても無駄だったから、かけるのを止めた。
思えば。
知ったような気になっていたが存外、俺は総悟のことを知らない。
カメラが好きで、撮るのも上手。大学生で、それなりには真面目に勉強していること。料理はからっきし、土方スペシャルは食えるが嫌い、掃除とかも一応できて、生活態度は至って普通だ、手洗いうがいを律儀にする辺り。
そんな、どうでもいい知識だけを得て、過去のこととか友人関係とか、全く知らない。
全て知っているフリして。
今日の午後は雑誌のインタビューだけで、総悟に会える確率は零に近い。仕事で会う、明後日まで何もせずにいるなんて到底不可能だ。
“もっと知りたい”
今まで抱いたことのない想いが芽生えてしまったからには。
*
「どうした? 喧嘩でもした?」
「まぁ似たようなもんですねィ」
泊めてくれ、ときた如何にも訳ありに見える友人に、一日経ってから訊くとは大物なんじゃないだろうか、旦那は。まぁ、昔からそう思っていたけれど。
土方さん家とは真逆で、(世間一般で言えば普通だが土方さん家と比べると)狭い家、散らかってはいないが少し乱雑に整理された漫画とか。人間性出てるなぁと感心する。
窓の外は晴れている。風が強いのか雲がスムーズに流れていく。今頃はインタビュー受けてんだろうな、と考えていたらパチンとでこぴんをくらった。
「いった・・・! 何すんですかィ旦那ァ!」
「俺と居んのに他の事考えてっからだろ。銀さんだって嫉妬ぐらいしますぅ~」
冗談めいた口調、然しながら目は全然笑っていなくて。でこぴんした指で俺の頭を撫でてくる。
飴と鞭か。
いや、そうじゃなくて。
「俺にしろよ、総悟君」
「旦那、冗談は寝て言ってくだせぇ」
「冗談じゃないから起きて言ってるわけだけど」
そんなの、目を見れば分かるけれど。
そう言われたって、困る。旦那のことは好きだけれど。俺は土方さんが何よりも誰よりも一番だから。
あの人がいないのなら、世界なんていらないと思える程。
それに、旦那が愛すべき人は別に居る、そう思う。
「俺らは友達でさァ。友達ってのは何があっても切れない縁ですぜ。恋人同士とかとは違って」
「・・・でもよ、高望みしたくなるだろ? 総悟君だってそうだからアイツに近寄った」
「そりゃあ、そうですけど・・・」
「なら俺だって、高望みしていいだろ?」
何度も何度も困ったとき助けてくれた。その理由を、ずっと前、一緒に飲んだとき教えてくれたけれど。
“困ったとき頼ってくれるだけでいいんだよ。お前が他のヤツ好きだろうとさ。たなぼた狙ってっから”
いい人、なんだ。優しい人。
だから俺のエゴが通ってしまう。
何度も、何度も。
「・・・俺はいつ、恋人できるんだろうな~」
「旦那はかっこいいから直ぐに出来ると思いやすぜ?」
「言ったな。嘘だったらかっさらうから」
ごめんなさい、と思う。
口に出して言えないけれど。本当にそう思うのなら頼ったりするべきではないのだから、俺はやっぱり甘えてる。
土方さんにだってやはりそうなんだ。何度も入っていた不在着信、気付いてもかけ直さないのはそのままにしておいたって絶縁されるわけでもないし、と思っているから。
何もかもが望み通りにいく世の中じゃないのに。
次に電話がきたら出てみようか。でもそれじゃあ自分が堪えきれなくなったようで嫌だ。やっぱり明日まで、何もせずに。
焦っている様子を眺めていたい。
「明日、帰んだろ?」
「まぁ、多分」
「・・・ふーん」
言いながら台所へ向かい、俺が昨日、此処へ来るとき買ってきたコンビニのパフェを持ってきた。
コンビニのパフェというと安値に合うチープなものを想像しがちだが、これは値段の割に大きくて、見た目もよくて。買ってったら喜ぶだろう、というか自分も食べたいと思って買った。
さっきまでの話が嘘のように、旦那は目をキラキラさせてそれを食べ始めた。
子どもみたいだなぁ、と苦笑しつつ俺もそれを食べると、甘酸っぱい苺の味が口内を満たした。予想通りおいしくて、無駄な出費にならなくてよかったと安堵する。
「なぁ、総悟君」
「なんですかィ」
呼ばれて顔を上げると。
ちゅっ
刹那だけ、唇を重ねられる。
「えっ・・・?」
驚きのあまり固まると、寂しげな微笑が視界に写った。
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