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梅々

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チェリーボーイって何?

らせん見ただけで夜道を一人で歩けなくなった早良です(笑)土方にも負けない怖がりだということを思い知らされました(笑)風呂さえ入れないかも・・・(-_-;)
今日学校行ってよかったァァ!と思えることがありました。それはね、
隣の席の男子が、
「〇〇~(あだ名)痛い・・・」
って甘い声で言ってて、しかもその人ハスキーボイスなんですよ!!脳内じゃ沖田が土方にチョメチョメされてたよ!!「土方さ・・・い、てぇ・・・でさッ」みたいな?でも声的には沖土のほうが・・・。
ほんと、ごめん、A君!!

では5、6話です!



















どこか、ひかれていたのかもしれない。その自由奔放な言動に。彼を縛る事ができるものなんてないと思っていた。まぁ辛うじて法律は、守る程度だと。 

勝手に決め付けていたんだ。 










Ma cherie 第五話 










菓子食って、次の仕事の打ち合せを軽くしたところで、鐘が鳴った。この大学、鐘鳴ったっけ。近藤さんにちょくちょく会いに来たりしてたのだけれど、全く覚えていない。 

「あっ、俺午後から講義あるんでさァ。じゃあ・・」 

そう言い、かけだそうとした総悟の手を思いっきり掴んでしまった。 

――――予想外。 

「ひ・・じかたさん・・?」 

あちらも予想外だったらしく目をパチクリさせている。当たり前だ。掴んだほうだって驚いてんだから。 

「何?淋しいんで?一人で帰んの」 

嘲笑、というよりは楽しそうに目を細め笑った。本当、総悟は色々な笑い方をすると思う。 

「そんなんじゃねぇよ」 

土方は不承不承といった表情で強く握っていた手を離した。沖田は手首を確かめるようにもう一方の手で、薄くついている手のあとを優しく撫でた。 

「・・サボって、やりやしょうかィ?あんたの為に」 

「ンな事すんな。別に・・ただの条件反射だ」 

・・多分。 

というか条件反射なら殊更可笑しくないか?なんでコイツにこんな事をしなけりゃいけねぇんだ?っていうか他人の手ェ掴んだのさえ小学校ンとき踊ったホークダンス以来だ。 

「図書館で待ってなせェ。あとでむかえに参りまさぁ」 

「え・・・?」 

恐らく、ぽかんとした顔をしてたのだろう。沖田はまた微笑み背を屈め鼻が触れ合うぐらい近くでじっと土方を見つめた。 

なんか、前にもこんな事があった気がする。真っ赤な瞳にうつるたじろいだ自分の姿に、そんな事を思った。 


そうだ、会った次の日の事だ。 


あの日、コイツに丸めこまれてキスされたんだ。いや、丸めこまれてないか。殴りかかろうとしたが止められたんだ。こんな柔い腕の何処にそんな力があるのか。 

「土方さん?・・まぁいいや。じゃいい子にしてるんですよ」 

ちゅ、と頬に軽く口付け今度こそ本当にかけて行った。 

・・アレ?アイツいま何した? 

暫く固まっていたが、カサカサと風に揺れる木の葉の音で思考回路が復活した。 

「・・あンのヤロー!!!」 

なんて不用心なんだ。自分は。アイツには前科がある、というのに。もしかして、されたかったのだろうか? 

いやいや、絶対ありえねぇ。俺はそんなアブノーマルな変態野郎じゃねぇ。確かに見た目はもてそうだけど、俺にはそんな気は起こらないしこれからも起こらない、というか起こしたくもない、じゃなくて起こさない、か?もう訳わかんねぇ。混乱してきた。 

・・けど、一つだけ確かな事がある。 

アイツの所為で変わりつつある。自分の中の何かが。 

小さな変化、かもしれないがそれだって自分にとっちゃ天変地異並の事件だ。変わる前には戻れないのだから。 

「・・変化、か・・」 

変わりたくなんか、ない。 

変わるつもりも、ない。 

大丈夫、意識してりゃアイツの傍にいてもいまのままでいられる。大丈夫だ。きっと・・。 

己の体を抱くように両腕をしっかりと掴んだ。 













“記憶”なんてものは人にとってとても都合よくできている。日常生活だと、「なんで嫌な事ばっか覚えてんだろ」とか思うけれど、自己防衛機能はちゃーんと付いている。本当に都合が悪い事は忘れ、“自分”を壊さないように。 


ふとした瞬間、フラッシュバックするけど、ね。 










Ma cherie  第六話   










昔の、夢を見た。 

戻りたいけれど戻りたくない時の夢を。 

重い目を擦り顔を上げると、そこには沖田の姿が。 

「あ、起きやした?」 

パタン、と分厚い本を閉じ、沖田は頬杖をつき此方を見てくる。 なんで、コイツがいるんだ? 

辺りを見回すと、其処は見慣れた自分の部屋ではなく本棚が並んだ広い部屋だった。上体を起こしても尚、悩んでいるとにこつきながら沖田は言った。 

「ここは俺の大学の図書館ですぜ」 

嗚呼。成程。昼に、図書館で待ってろっつわれたから俺は律儀にも待ってたんだ。で、本読んでたら眠くなって・・という訳か。 こんな事も考えられなかった、という事はまだ覚醒仕切っていないらしい。低血圧は困る。・・・煙草でもありゃあ、スッキリするのだが。

「吸いやすか?」 

と目の前に差し出されたのは、俺が吸っているのと同じ銘柄の煙草。しかも新品だ。総悟は煙草を吸わないはずなのに、と思い顔を上げたら折よく本から顔を上げた総悟と目が合った。 

「此処来る途中で売ってたんで買っといたんでさァ。種類、これでいいんですよねィ?」 

「あ、ああ・・」 

・・本当、俺の事をよく知っていると思う。最初会った時だって自己紹介いらないくらいだったし。それに煙草の銘柄まで覚えてるしタイミングはいいし。 一緒に仕事し始めてまだ一週間くらいしか経っていないのに。記憶力がいいのか、それとも俺の方が表情に出やすいのか。 

封を破りトン、と箱を叩き煙草をだす。口にくわえ、火をつけようとしたら、ペラリ、と本を捲る音とともに沖田がボソッと呟いた。 

「図書館は禁煙でさァ」 

そういえば。大概の図書館は禁煙・飲食禁止だ。本が燃えたりしたら困るもんな。 

「・・じゃあ外出てくるわ」 

土方が立ち上がると、沖田も本を閉じ立ち上がった。 

「別に起きんの待ってただけですから・・一緒に行きやしょ」 

借りたのか、分厚い本を鞄に仕舞い沖田はさっさと歩き始めた。 

・・・あれは何の本なのだろう。読書、という言葉から三千光年ばかし離れていそうな沖田が、大事に持って帰るような本、とは。 

「はい」 

外に出た途端、沖田はライターを土方の顔の前に持っていき、火をつけた。 

「サンキュ」 

それに火を貰い、煙草をふかす。やっぱ頭スッキリするな。煙草吸うと。 

視界の隅にライターをポケットに仕舞おうとしたのがうつり、手を握りそれを制した。 

「え・・・?」 

ふっと力が抜けた隙にライターを掴んだ。 

「あ・・。ちょっと、返しなせェ!」 

よく見ると、そのライターは有名なブランド品だった。しかも俺が欲しかった物だ。確か、何十万するから買えなかったのだが・・、何故総悟がンなモン持ってんだ?興味本位で聞いてみた。 

「どうしたんだ?ソレ」 

「別に」 

バッ、とそれを奪い返し、沖田は大事そうに両手に包んだ。十字架を握るクリスチャンのように。 

――――大切な、物なのだろうか。 

煙草を吸わないのに持っている、という事は。形見、とかか? 

「土方さん」 

と振り返った時の沖田はいつも通りだったが。 

「何だ?」 

「今日泊めてくだせぇ」 

「・・・・・ハァ!?」 

何故こうも突拍子のない事が言えるのか。 

「よろしく頼みまさァ」 

有無を言わさぬ笑顔に、思わず頷いてしまったが・・・。

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