梅々
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純愛化
- 2014/12/09 (Tue) |
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幕臣×沖田←土方で最初は嫌々だったのに、っていうよくあるねとられみたいのが読みたいんです!
というお話。
最初は、本当に嫌だったのだ。
その時は確か、近藤さんは出張していておらず、実質責任者は土方さんだった。
その土方さんに重苦しい顔で部屋へ呼ばれて、ろくな話ではないのだろうと赴いたら案の定、ろくでもなかった。
幕臣に接待しろというのだ。それも、直接言いやしなかったが、性接待。
ここはいつから妓楼になったんだとからかったが土方さんの眉間のしわは余計に増すばかりで、この人にもどうしようもなかったんだろうなと漠然と思った。そしてそれを解決させるには文字通り俺が一肌脱げばいいのだと。
守る貞操もないしと、引き受けた俺を土方さんは一切見ないでそうかとだけ言ったのを覚えてる。
そして最初の接待で、俺は男を知った。
思いの外気遣われてそこまで痛くはなかったとはいえ気持ち悪いし精神的打撃は強いしで寝込んで、それを責任感じたのか知らないが土方さんに看病されてより具合が悪くなりそうだった。
それから、一年が経って。
俺は、その日がくるのが嫌ではなくなっていた。
同情したのかもしれない。
その男は将軍様の遠縁の男で、顔も確かに上様に似ているしそれなりの地位にいる。そんな男が、俺に恋をしたのだという。
俺は忘れていたが、祭りで将軍様の護衛をしているときに一二度言葉を交わしたことがあったのだという。
それからずっと忘れられなくて、こんな卑怯な手を使ったのだと切々と語り、謝りながらその男は何度も俺を呼び、抱いた。
贈り物もされた。高そうでセンスのいい着物や帯に食べ物に、組みんなへと酒もくれたし、ここだけの話幕府からの待遇もよくなっている。
絆されたのだと自覚しているしきっと相手にも露見しているだろうけれど、それならそれでいいのだ。
「総悟、行くぞ」
「へーい」
接待自体はばれているけれどさすがに高頻度だと近藤さんも訝しむだろうと、二回に一回は土方さんと夕飯を食べに行く体を装う。なので土方さんは俺を送り届けて、それから外で時間を潰している。きっと罪滅ぼしのつもりなのだろう。俺につきあうことが。
「そういやアンタって、待ってる間どうしてんの」
「あ?」
赤信号で停車中、ふと浮かんだ疑問を口に出したら低い声を返された。機嫌悪いなあと隣を見やるも、土方さんは反対側を向いている。
「……大体女ンところ行ってる」
言いづらそうだったのは俺が不本意な相手といる間に自分は好い人のところにいるからなのだろう。じゃあ誤魔化せばいいのに。
目的の料亭が見えて来た。いつものように、道路脇に車を寄せる。
「ああなるほど。女って良いもんなんですかねェ」
「そりゃ、いいもんだろ」
間髪あけずにいう。そりゃ女好きのたらしだもんな、土方さんは。
「でも俺はあの人しか知らねぇし」
何も考えずに言ったのが駄目だったのだろう、一瞬で空気が凍り付いた。
俺は、別に土方さんを責める意味で言ったのではないのにそう受け取られたらしくて。
未だに俺が嫌々行っていると、ただ強がって平気な不利をしていると思いこんでいる土方さんに、俺は本当のことを告げるべきなのかもしれない。
というお話。
最初は、本当に嫌だったのだ。
その時は確か、近藤さんは出張していておらず、実質責任者は土方さんだった。
その土方さんに重苦しい顔で部屋へ呼ばれて、ろくな話ではないのだろうと赴いたら案の定、ろくでもなかった。
幕臣に接待しろというのだ。それも、直接言いやしなかったが、性接待。
ここはいつから妓楼になったんだとからかったが土方さんの眉間のしわは余計に増すばかりで、この人にもどうしようもなかったんだろうなと漠然と思った。そしてそれを解決させるには文字通り俺が一肌脱げばいいのだと。
守る貞操もないしと、引き受けた俺を土方さんは一切見ないでそうかとだけ言ったのを覚えてる。
そして最初の接待で、俺は男を知った。
思いの外気遣われてそこまで痛くはなかったとはいえ気持ち悪いし精神的打撃は強いしで寝込んで、それを責任感じたのか知らないが土方さんに看病されてより具合が悪くなりそうだった。
それから、一年が経って。
俺は、その日がくるのが嫌ではなくなっていた。
同情したのかもしれない。
その男は将軍様の遠縁の男で、顔も確かに上様に似ているしそれなりの地位にいる。そんな男が、俺に恋をしたのだという。
俺は忘れていたが、祭りで将軍様の護衛をしているときに一二度言葉を交わしたことがあったのだという。
それからずっと忘れられなくて、こんな卑怯な手を使ったのだと切々と語り、謝りながらその男は何度も俺を呼び、抱いた。
贈り物もされた。高そうでセンスのいい着物や帯に食べ物に、組みんなへと酒もくれたし、ここだけの話幕府からの待遇もよくなっている。
絆されたのだと自覚しているしきっと相手にも露見しているだろうけれど、それならそれでいいのだ。
「総悟、行くぞ」
「へーい」
接待自体はばれているけれどさすがに高頻度だと近藤さんも訝しむだろうと、二回に一回は土方さんと夕飯を食べに行く体を装う。なので土方さんは俺を送り届けて、それから外で時間を潰している。きっと罪滅ぼしのつもりなのだろう。俺につきあうことが。
「そういやアンタって、待ってる間どうしてんの」
「あ?」
赤信号で停車中、ふと浮かんだ疑問を口に出したら低い声を返された。機嫌悪いなあと隣を見やるも、土方さんは反対側を向いている。
「……大体女ンところ行ってる」
言いづらそうだったのは俺が不本意な相手といる間に自分は好い人のところにいるからなのだろう。じゃあ誤魔化せばいいのに。
目的の料亭が見えて来た。いつものように、道路脇に車を寄せる。
「ああなるほど。女って良いもんなんですかねェ」
「そりゃ、いいもんだろ」
間髪あけずにいう。そりゃ女好きのたらしだもんな、土方さんは。
「でも俺はあの人しか知らねぇし」
何も考えずに言ったのが駄目だったのだろう、一瞬で空気が凍り付いた。
俺は、別に土方さんを責める意味で言ったのではないのにそう受け取られたらしくて。
未だに俺が嫌々行っていると、ただ強がって平気な不利をしていると思いこんでいる土方さんに、俺は本当のことを告げるべきなのかもしれない。
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