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梅々

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11月

こうかくきどうたいみてました。昔のだからぐろいのも普通に出ますね。トグサ素敵。バトーも素子さんももちろん。
明日から文化祭です。





では銀沖。



















美女と野獣




事を終え、可愛げもなくそそくさとシャツを手にとる、闇に浮かぶ白い背中をぬくぬくの布団から眺める。ぴたりと寄り添っていた体が離れ、布団から出たときに身震いしていたのは可愛いげあったけど。未練もなさそうなさっぱりした態度に今時の若者は皆こうなのかね、俺が若いときは飢えた獣のごとく夜通し腰振ってたけどねと言おうと思ったが言っても昔話ですかィと、それこそ古くさい口調で返されそうで言わない。今は無理だろうし。夜通しなんてそんな。でも沖田くん相手ならできる限りの努力はしたいと思っている次第。
なんてぬっくぬくの布団の中で未だ余韻を引き摺る体をもてあましながら思っていたら唐突に沖田くんが口を開いた。
「俺は綺麗なモンが嫌いなんでさァ」
無機物らしい白。シャツを羽織った背中がそう言った。あーあキスマーク目視できず。何個つけたか数えたかった。
じゃあ俺は。妥協されたのか。おまえに選ばれたってことは。綺麗じゃないのは傍目にも、そして自分自身でも分かる、むしろ主観的にいえば綺麗なんて言えない。這いつくばってここまで生きてきたようなものだ。最近はそうでもないと、思っているがそれは周りが綺麗なものばかりのせいかもしれない。きらきら輝く少年少女に囲まれている。その手の趣味はございませんが。
分かっちゃいるが。それを回りくどくしかも沖田くんに言われると萎える凹む不快になる、終いには嗜虐心が誕生する。
「それがどうしたの」
「……なんとなく」
畳みにぺたりと座っていた沖田くんは振り向きもしない代わりに四つん這いになってパンツを拾った。シャツの裾から先程まで可愛がっていた尻がちらちら覗く。誘ってるのか。
「俺は綺麗なものが好きだよ」
思ってもいないことを言ってやる。びくり、体が跳ねたのを見て案の定傷ついたなと冷めた気持ちで見る。どうせ思春期の餓鬼、しかもコイツのことだから自分は汚いとか思っちゃってるんだろう、仕事が仕事だし。その上自分の面が綺麗な自覚はあるもんだからね。体目当てじゃないかとか疑心を抱いているのじゃないだろうか。
寝るだけの関係なのにね。
無意味に鬼を生んでいる。
腕の中じゃあんな愛しそうな瞳で見てくるくせに口も態度も頑なで、愛しさ余って憎さがなんとやら。知らしめてやりたくなる。おまえがどんだけ俺に想われてるか。一から百まで教えてやりたい。
ああでも、嘘じゃない。沖田くんは綺麗だ。そう思っているから。真っ直ぐな背中、真っ直ぐな信念。面だけじゃない、若いからバカだけど、そうじゃなくてもバカだけど、美しいと、思う。そうじゃなきゃあんな輝いたまなこをしていないだろう。
くもりなきまなこで、見定め決められるのは俺だ。俺には笑い飛ばせない、ちゃんと見定めてもらわねば困る。
「沖田くん」
「へい」
いつの間にか立ち上がりベルトまでしている沖田くんを布団の中から見上げる。振り返ったとしても見えないだろう。電気をつけとけばよかったか。
声が固いからちょっと焦る。冷静なふりしてるけど君には結構ガチで嵌まってるって、知らないからそんな傷ついたチワワごっこしてるんだろう。透明の耳が垂れている。
「沖田くんが自分のことどんだけ汚いと思ってるかなんざ知らないけど、底辺にいる俺から見たら大分綺麗だからね?」
「……旦那」
振り返った、なのにやはり顔はうすぼんやりとしか見えない。
結構な告白だった。MPほとんど使った気がする。これで通じなかったら終わるしかないかも。うざがられても、終わるしかないかも。
「……確かに旦那は溝鼠ですもんね」
「ひどくないその言い種」
「でもそこが旦那の綺麗なとこなんですぜ」
「は?」
ゆらり、闇色を纏った沖田くんが近づいてくる。そのまま覆い被さってきて漸く、表情を拝める。
やさしい顔。穏やかな、美しい笑みを浮かべて旦那、と囁かれる。
せっかくおさまった色々と熱いものが蘇りそう。
「明日も、きていい?」
「好きなときにおいで」
額と額がキスをして、次いで唇同士が重なった。その一瞬前、確かに見えた頬は赤く染まっていたようなきがした。










最初の一言は告白のつもりでした。

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