梅々
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お菓子くれなきゃ生死に関わる悪戯するぞ
漫研原稿終わりました。眠い。
明後日から文化祭です。眠い。
一回ねおちしかけました。
それでは土方と沖田でハロウィン。最近食べ物書いてますね。食欲の秋でしょうか。
「おかしくれなきゃ悪戯しやす」
毎年一回、免罪符とばかりに言うも、返されるのは毎年同じ言葉。
「好きにしろ」
これを俺は、愛の言葉なんじゃないかと思う。思い始めたのは最近のことなんだけれど。
ランタン
ハートに直撃な言葉を食らって固まった俺を顧みもせず、ブーツに足を、ポケットに手を突っ込んで、土方さんは俺を置いて先に進んでしまう。仕方がないから俺も、ブーツを履いて土方さんを追い掛ける。晴れた空には白い雲。風が強いのかぷかぷかと流されているのを見上げていればぶわああと風が髪をかきみだした。確かに強い、思いながらも町を歩く。
南瓜や蝙蝠、橙に緑、黒。ハロウィン仕様にデコレーションされた店々とは裏腹に、歩いている人たちはいつも通り、変わりはない。俺たちだって変わらない。コスプレでもなく黒い服を着て、狼男ではないが爪を研いで敵を待っている。日常が奇天烈なんだこの時代なのに、なんて俺らよか厄介事に首を突っ込むのが得意な糖尿病患者が言っていた。あの人はフランケンだ。
思うに。俺の悪戯が土方さんの生死にどれほどの影響を与えるか誰よりも実感しているのが土方さんなわけで。その土方さんが俺に、好きにしろと言うなんて、俺の命をお前にやると言っているようなものではないのか。
飛躍しすぎだろうと構わない。とりあえずそう俺は思ってる。だから、そんな風に返される限りはハロウィンは楽しいものなのだ。お菓子と悪戯の代わりに土方さんの命をもらう。
何よりも俺がほしいものを。
妄想でも錯覚でもいい。
「そういうおまえはなんか持ってんのか」
「持ってやせんよ。だから俺も、好きにしろって言うしかありやせん」
「……おまえにしちゃ爪が甘いな」
「はい?」
「別に」
山崎やら隊士に集るのは大体見回り後で、近藤さんも例に漏れず、夕方、一方的な逢い引きの前にわいわいとお菓子をもらっていたが、今年は接待で夕方から遅くまで帰れねぇからと、朝一で駄菓子を詰めた南瓜をくれた。いつもより少し、奮発してくれたらしい。
だから俺のポケットには、近藤さんにもらったきな粉棒があるし反対側にはみ知った子どもに会ったときにやれるようにチロルチョコが入っているけれど。土方さんにやる分はない。
「昼飯はどうする」
「どこでもいいですぜ」
「じゃあそこのファミレスな」
混むのを嫌って昼飯には少し早い時間、期待通り空いてる店の窓際にあるボックス席に案内される。水をもってきた店員にオレンジジュースにハンバーグセットにデザートを、土方さんも特注の土方スペシャルと珈琲と、胃に悪そうないつものメニューを注文する。
それから料理が来るまでは暇なので、通りを行き交う人を眺める。これも仕事の一貫、なんちゃって。
ぶるる、と携帯が震えたので取り出せばメールで、土方さんの使いっぱしり中の山崎からだった。なんでも、山崎のいる渋谷のほうは仮装している人が多いのだそうだ。こっちは子どもですら平常運転、そう返してから顔をあげると不意にばちり、視線が交わった。
「え、なに」
思わず問いかけてから、なんともなしに見ていただけかもしれないと思い至るが口をついた言葉は戻らない。
「なんでもねぇよ」
「イケメンだからってじろじろ見ねぇでくだせぇよ」
「どの面下げて言うんだよ」
この面だ、突っかかろうとしたがハンバーグの匂いが制止した。ふわふわ匂いと熱を発しながら運ばれたそれに箸を構える。ナイフとフォークなんて面倒なものは使わないで土方さんが食べ始めるのを待って手を合わせる。このタレが値段のわりにうまいのだと再度確認しながら頬張る。うまいものを食える幸せ。今日が食い納めかも、なんて思いつつ。
「うまそうに食うな、相変わらず」
「アンタもよくもそんな最上級にまずいもんうまそうに食いやすね」
「うまいっての実際」
味覚音痴め。煙草で味蕾も麻痺してるんじゃねぇの。
言いかけたけれど、物言いたげな視線を向けられて口をつぐんだ。
毎年沖田と見回りいれて餌付けしてる土方
明後日から文化祭です。眠い。
一回ねおちしかけました。
それでは土方と沖田でハロウィン。最近食べ物書いてますね。食欲の秋でしょうか。
「おかしくれなきゃ悪戯しやす」
毎年一回、免罪符とばかりに言うも、返されるのは毎年同じ言葉。
「好きにしろ」
これを俺は、愛の言葉なんじゃないかと思う。思い始めたのは最近のことなんだけれど。
ランタン
ハートに直撃な言葉を食らって固まった俺を顧みもせず、ブーツに足を、ポケットに手を突っ込んで、土方さんは俺を置いて先に進んでしまう。仕方がないから俺も、ブーツを履いて土方さんを追い掛ける。晴れた空には白い雲。風が強いのかぷかぷかと流されているのを見上げていればぶわああと風が髪をかきみだした。確かに強い、思いながらも町を歩く。
南瓜や蝙蝠、橙に緑、黒。ハロウィン仕様にデコレーションされた店々とは裏腹に、歩いている人たちはいつも通り、変わりはない。俺たちだって変わらない。コスプレでもなく黒い服を着て、狼男ではないが爪を研いで敵を待っている。日常が奇天烈なんだこの時代なのに、なんて俺らよか厄介事に首を突っ込むのが得意な糖尿病患者が言っていた。あの人はフランケンだ。
思うに。俺の悪戯が土方さんの生死にどれほどの影響を与えるか誰よりも実感しているのが土方さんなわけで。その土方さんが俺に、好きにしろと言うなんて、俺の命をお前にやると言っているようなものではないのか。
飛躍しすぎだろうと構わない。とりあえずそう俺は思ってる。だから、そんな風に返される限りはハロウィンは楽しいものなのだ。お菓子と悪戯の代わりに土方さんの命をもらう。
何よりも俺がほしいものを。
妄想でも錯覚でもいい。
「そういうおまえはなんか持ってんのか」
「持ってやせんよ。だから俺も、好きにしろって言うしかありやせん」
「……おまえにしちゃ爪が甘いな」
「はい?」
「別に」
山崎やら隊士に集るのは大体見回り後で、近藤さんも例に漏れず、夕方、一方的な逢い引きの前にわいわいとお菓子をもらっていたが、今年は接待で夕方から遅くまで帰れねぇからと、朝一で駄菓子を詰めた南瓜をくれた。いつもより少し、奮発してくれたらしい。
だから俺のポケットには、近藤さんにもらったきな粉棒があるし反対側にはみ知った子どもに会ったときにやれるようにチロルチョコが入っているけれど。土方さんにやる分はない。
「昼飯はどうする」
「どこでもいいですぜ」
「じゃあそこのファミレスな」
混むのを嫌って昼飯には少し早い時間、期待通り空いてる店の窓際にあるボックス席に案内される。水をもってきた店員にオレンジジュースにハンバーグセットにデザートを、土方さんも特注の土方スペシャルと珈琲と、胃に悪そうないつものメニューを注文する。
それから料理が来るまでは暇なので、通りを行き交う人を眺める。これも仕事の一貫、なんちゃって。
ぶるる、と携帯が震えたので取り出せばメールで、土方さんの使いっぱしり中の山崎からだった。なんでも、山崎のいる渋谷のほうは仮装している人が多いのだそうだ。こっちは子どもですら平常運転、そう返してから顔をあげると不意にばちり、視線が交わった。
「え、なに」
思わず問いかけてから、なんともなしに見ていただけかもしれないと思い至るが口をついた言葉は戻らない。
「なんでもねぇよ」
「イケメンだからってじろじろ見ねぇでくだせぇよ」
「どの面下げて言うんだよ」
この面だ、突っかかろうとしたがハンバーグの匂いが制止した。ふわふわ匂いと熱を発しながら運ばれたそれに箸を構える。ナイフとフォークなんて面倒なものは使わないで土方さんが食べ始めるのを待って手を合わせる。このタレが値段のわりにうまいのだと再度確認しながら頬張る。うまいものを食える幸せ。今日が食い納めかも、なんて思いつつ。
「うまそうに食うな、相変わらず」
「アンタもよくもそんな最上級にまずいもんうまそうに食いやすね」
「うまいっての実際」
味覚音痴め。煙草で味蕾も麻痺してるんじゃねぇの。
言いかけたけれど、物言いたげな視線を向けられて口をつぐんだ。
毎年沖田と見回りいれて餌付けしてる土方
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