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梅々

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黄色い花

先行き不安でならない。
金木犀の香りがするようになりましたね!金木犀大好きです。窒息しそうな甘い香り。
でも沖田は自己主張激しいものは嫌いそうだと言う話になりました。





では昨日の続きで書き途中な感じです。続きは書くのだろうか。
いっきに高校生です。















「ココアでいいな」
「へい」

ちょこん、と借りてきた猫のようにカーペットの上に座る総悟に違和感を抱く。普段なら我が物顔で俺のベッドを占領して漫画を読み耽ったりゲームをしたりしているのに。そして茶を出せだの菓子を出せだの、小言を並べてくるのに。マシンガンのように小言や戯れ事を発していた唇は閉ざされている。
そもそも総悟が俺の部屋に来たこと自体が久々なのだと気づいたのはココアを入れ終えてからだった。総悟は近頃俺に寄り付かない。恐らく故意に。何をしたわけでもないから切っ掛けは掴めないが、徐々に傍にいる時間が減り、気付けば昼飯と帰りぐらいしか一緒にいないようになっていた。
朝は寝坊したから先に行けと、待ってやると言っても追い出されるし、授業は一緒に受けていてもちょっかいを出してくることはない。放課後に窓伝いに遊びに来ることもなくなって、窓も無意味に鍵を開けたままになっている。
何があったのか詮索したくて堪らない。けれど、それは俺の役目ではない。立ち入ることを許されているのは近藤さんだけで、総悟が望まない限り内側へは入れない。
昔は、もっと近くにいたのに。
「……お前の姉ちゃん、何時頃帰ってくんだ?」
「あんま遅くはなんねぇって。九時には帰るらしいでさ」
「夕飯は?」
「アンタのとこで食わしてもらえって」
「うちの母さんドリアの下拵えしてったから、焼けば食えるぞ」
「本当ですかィ! おばさんのドリア久々だ!」
 花開くように顔を綻ばせる総悟に、そういや「そうちゃんはドリア大好きだったわよね」とか言いながら母は支度をしていたことを思い出した。
 飯一つで笑みを向けられるのなら、俺だってなんでも作ってやる。なんでもしてやる。けれど、求められなければなにもできない。拒絶されることが怖いのだ。
「土方さん、ゲーム借りていい?」
「……勉強しろよ」
「まぁまぁ」
 なにがまぁまぁだ、ちゃっかりゲームのセッティングをしている総悟に溜め息を吐く。
 昔からうちにあるそスーファミ。小さい頃は一緒に遊んだが今では総悟ぐらいしかやらない。昔は、もっと。時間を共有していたのだ。風呂に入りに来たり夕飯を食いに来たり、泊まりに来ることも今より高頻度であった。最近は遊びに来はするが同じ部屋で違うことをやっていることが多い。今もそうだ。その上避けられているときた。
離れることを、考えたことがないわけではない。大人になったら別々になると思っていたのは昔だけで、いつまでもずっと一緒にいるのだろうと漠然と思い続けていた。
 だが。近頃の総悟の様子を見ると不安になるのだ。
総悟と離れるなんて、そんなこと。考えられるはずがないのに。遠くない未来、に別れがまっているのだと、言葉にせず突きつけられる。

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